先月24日、ユング心理学セミナーⅨ(錬金術)を終えました。ユングの思想はとても深遠で、お伝えするのはなかなか難しく、前日までいろんな文献をひっくり返しながら四苦八苦でした。何とか無事終えることができ、やれやれ。やっと久しぶりのブログとなりました。

 セミナーの準備をしながら、まるで圧力釜の中にいるような気分でした。何事も、締め切りや制限があってこそ達成・熟成されるものですね。オリンピックメダリストの4年間のように。そして、これがまさに錬金術のミソで、心理療法に絶対不可欠な「器」でもあります。 

 ユングは、錬金術のプロセスに心理療法のメタファーを見出しました。錬金術も心理療法も、何が出てくるか分からないおっかないものを扱うので、まずはしっかり密閉できる容器が必要です。
 「心」を扱うカウンセラーは、サービス精神に富んだ優しい人と思われているかもしれませんが、実はそうでもなく、面接の時間・空間・料金の「治療枠」を厳しく制限するシビアな人です。
 その密閉容器ー圧力釜ーレトルトパックーの中にいてこそ、クライエントさんは安心して何でも話すことができます。もし枠がないと、「心」は爆発・拡散して、原発事故のようになってしまうかもしれません。
 だから、TAOでもいつも、50分でさっさと帰っていただき、料金もきちんといただいていますね。

 その安心安全な密閉容器の中で、カウンセラーに守られながら、クライエントさんは「抑うつに入る」ことができます。「抑うつ」って、とっても尊い心の状態なのですよ。苦しいけれど、心の蓋を外して、今までごまかしたり、なかったことにしていた自分の影の部分に向き合うってことですから。去年の夏のブログ「心で悩む」でも書きました。

 そして、その密閉容器の中で、クライエントさんとカウンセラーが協働で丁寧に「抑うつ」を扱っていると、あるときふと、化学変化が起こるのです。突然自分はこのままでいいんだと思えたり、長年のトラウマから解放されたり。今までとは確実に違った自分を体感します。不思議です。
 おでんを煮込んでいると、バラバラだった具材が融合して、鍋全体が何とも言えない味わいを醸し出すように。
 
 先日のセミナーのご感想に、ラップをせずに電子レンジに掛けたら生クリームが爆発してしまった。心理療法でもラップが必要、と書かれた方がいて、まさにその通り!
 そう言えば、私は以前夢の中で、「秘儀を体得した人」から「電子レンジでチンしたら宝石になる石」をもらったのです。あの石はどうなったんだろう? 
 私もまだまだ発展途上です。TAOがしっかりした「心理療法の器」となるよう、もっと研鑽を積んでいかねば。
 みなさま、今後ともよろしくお願いいたします。

                           心理面接室TAO 藤坂圭子
                           HP:http://tao-okayama.com