フランソワーズ・サガンではないですが、「ブラームスはお好き?」
 私は好きなんです。ブラームス!
 最初に聴いたのは、「バイオリンとチェロのための二重協奏曲イ短調」(通称、ドッペル・コンチェルト)でした。これで、一気にブラームスに嵌りました。普通、10代の少女が好きになるような曲ではないです。渋すぎます。でも、そのころから自分の心の闇と付き合いかねていたので、ピッタシだったのでしょう。

 おとついの日曜日は、2年に1度のフルートの発表会でした。そこで、とうとう吹いたのです。ブラームス!
 ヘ短調のクラリネットソナタのフルート編曲版、第1楽章(ブラームスはフルートの曲は残していなくて)。アンサンブルでハンガリー舞曲を吹いたことはありますが、ソナタは初めて。私のようなど素人には、どう考えても無謀です。
 でも、そろそろ「老い」の足音も迫る今日この頃、青春の苦い思い出がいっぱい詰まったブラームスに挑戦したくなったのです。
 ブラームス晩年の独特な透明感の曲で、「諦念の境地」だとも言われます。しかし、こんなに緻密に構成された曲だったとは。やっぱりブラームスは厄介なヤツだと思いながら、春ごろから四苦八苦していました。

 なかなか練習時間が取れず、いつまでたってもまとまらず、お尻に火が付いたのがお盆明けくらいからでしたが、急な仕事が舞い込んだりして、最後の1週間はクラクラでした。
 しかも、ピアノとの絡みがとても複雑で、何回合わせてもズレまくり。本当にブラームスはひねくれ者だ!(自分のリズム感が悪いだけなのですが)
 
 やっぱり実力不相応、失敗しても当然と開き直り、でもブラームスを吹きたい、ブラームスとともにいたいという思いでした。
 それと、不思議なことに、ずっと思い浮かべていたのが、ナディア・ムラド氏「THE LAST GIRL」のコーチョの村でした。(2月のブログに書きました)
 玉ねぎやトマトの収穫。大切な羊や牛。屋根の上で星を見ながら眠る夏。華やかな結婚式。優しい母親と少女たちの夢。そして、迫害、暴力、虐殺…。解放、抗議、鎮魂…。 

 本番は、いつものことながら緊張で音が伸びず、やっぱり失敗だらけでした。でもまあ、私なりに思いは込められたかな。
 生きているといろんなことがある。それでも生きて、死ぬんだなあ、などと。

 ブラームスで一番好きのは、交響曲第4番です。秋になると、第3番の3楽章もしんみりしていいです。きっと、ご存じのメロディですよ。
 それから、同じく晩年の、クラリネット五重奏曲やピアノの小品の数々。本当に心が静まります。
 みなさんも、聴いてみてください、ブラームス。これから、ブラームスの季節です!
 

                          心理面接室TAO 藤坂圭子
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