コラム「愛着障害」

 「プラザ岡山」2月号に、「愛着障害」についてのコラムを載せていただきました。

 「愛着障害」は、イギリスの精神分析医ジョン・ボウルビィ(1907-1990)らによって提唱されたやや古い理論ですが、最近とみに話題に上るようになりました。
 時代によって、人間の不安や精神病理を説く切り口にブームはありますが、「愛着障害」には普遍性があると思います。人間は、進化によって脳が大きくなってしまったので、かなり未熟なまま生まれてきます。脳が人間らしく育つには、「愛着」が不可欠なのです。

 日本では、岡田尊司氏の「愛着障害ー子ども時代を引きずる人々」(光文社新書)等がとても参考になります。
 「愛着障害」のある有名人として、ジャン・ジャック・ルソー、ミヒャエル・エンデ、W・D・ウイニコット、エリック・E・エリクソン、オバマ元大統領、スティーブ・ジョブズ、夏目漱石、川端康成、太宰治、中原中也なども紹介されています。

 「愛着障害」によって負った心の傷は、人生に影を落としますが、その克服の過程で味わいも生まれます。人の痛みが分かる、心の深い人になれるのではと思います。

                            心理面接室TAO 藤坂圭子
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