TAOでも、3月くらいからカウンセリング中は、お互いにずっとマスクです。
 だから、そのころ初めて来られた方とは、ずっと顔の上半分だけでお話ししていて、飲み物を飲まれるとか鼻をかまれるとかで、ふとマスクを外されたとき、ああ、こんなお顔だったんですね、となります。そこで私もちょっとマスクを外して、実は私はこんな顔です、とスッピンを披露して、改めてご挨拶。照れくさい変な感じです。
 早くマスクなしで、清々しく対面できるときがくればいいなあ。

 よくマスクで表情が分からないと言われますが、じっくり向かい合ってお話ししているとそうでもなくて、マスクのせいでカウンセリングが進まないと感じることはないです。ほとんど言葉が出なくて、ほぼ首の振りだけで意思表示をされる方も、「目」には気持ちが表れます。「目は口程に物を言う」です。 
 自然な笑顔はまず口元からで、その次に「目が笑う」のだそうです。と言うことは、マスクを掛けていると、ちょっと時間差の笑顔になるわけですね。でも、確かに「目」は笑っています。
 「作り笑顔」というのは、口が笑っていても目が笑わない不自然な顔。口の表情は意識的に操作できても、「目」って簡単に作れないみたいです。「目」と感情って、直結しているのでしょうか?

 コロナの流行以前から、マスク着用を習慣にしていた人もいました。風邪予防の方が大部分だと思いますが、中には、対人不安があって、自分をさらさないためにマスクが手放せない人もいます。「目は口程に物を言う」ので、自分を隠すためには、マスクよりも黒いサングラスの方が有効でしょう。けれど、なかなかそうもいきませんから。
 前髪などで顔を覆って、できるだけ顔を隠したい人もいます。中学や高校の「服装検査」で、校則違反だから髪を切れなどと無神経に強いるのは、そういう子たちにとって、どんなに辛いことでしょう。
 同様にマスクも、ウイルスのみならず、様々なものからの私たちを守ってくれるようです。

 ある人は職場でイライラするとき、マスクの内側で、「うるさい!」とつぶやくとスッキリする、と言われました。なるほど! マスクの内側は自由なので、人知れず悪態も付けます。「くそったれ!」とか、「ほっといてくれ」とか。「いい人」になろうとせずに、こんな風に自分の気持ちに忠実でいる方が、心の健康のためにはいいです。ただし、「目」にホンネが出ていないか、要注意ですね。
 そう言えば私も、買い物などをしていても、ブツブツ独り言が多くなったような気もします。「いい色のトマトだこと」、「今日はアユの塩焼きにしよう」…etc.。何か気分が軽いです。
  
 しかし、マスクとの付き合いが、こんなに長くなるとは思いませんでした。暑い、蒸れる、鬱陶しい!
 いい加減うんざりしてきたので、気分転換にいろんな色や柄のマスクで遊ぶことにしました。いっそう暑い。でも、ピッタリの気分のものを身に着けると、心も軽くなります。
 どうせならマスク生活を楽しもう。その方が「目」は笑えるかも。それに、ほうれい線や口角のしわが隠せるので、きっと若く見えるはず。
 コロナ禍は考えようによっては、日常的に仮面カーニバル気分を味わえる、特殊な時期かもしれません。マスクで守ったり、主張したり。この機にちょっとでも自分を開放できたらいいですね。「目」は涼やかでいたいです。 

 「目は口程に物を言う」から、話は流れてしまいました。とりとめもない、マスクの雑感でした。

                            心理面接室TAO 藤坂圭子
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