態度価値

 楽しみや生きがいがない人生はたまりません。私たちはそれを見つけるために日々生きている、と言ってもいいかもしれません。
 だから、「態度価値」という言葉を知ったときは、新鮮でちょっと衝撃でした。すべてを奪われても体現できる価値があるとは。

 前からちょこちょこブログに書いているように、私はなぜかホロコースト(ナチスドイツによるユダヤ人大虐殺)にとても関心があって、アウシュビッツも訪ねました。映画「シンドラーのリスト」「ライフ・イズ・ビューティフル」「戦場のピアニスト」なども、何度となく見ています。
 自分があんな理不尽で残虐な目に遭ったとしたら、果たして私は人としての尊厳を保てるのかというのが、いつしか私の人生のテーマになっています。

 今でも、世界各地で信じられないような非道が絶えません。小さな家庭の中でも密かに起こっています。このようなことが人類史上から消える日が来るのかどうか…。けれど、自分の中にもそんな残虐性がないとも言えない。人間ってそんなきれいな存在ではありません。
 自分を含めた人間の本性をよく見つめながら、「態度価値」という生き方もあるんだ、と胸に刻んでいたいです。究極の幸せとは、何を為すかよりも、今この瞬間、どんな心持ちでいるかにかかっているのではないでしょうか。

 もちろん、「創造価値」「体験価値」も、存分に味わいたいものです。やはり、人生は楽しくなくては。
 ただ、何があろうと、どこで何をしていようと、自分に恥じない「態度」を選んで、実現していける強さが欲しいと思います。自分が納得できる人生にするために。

                            心理面接室TAO 藤坂圭子
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