TAOは、江戸時代からの古民家を改装した部屋です。当時の柱や梁を残し(少々朽ちてはいますが)、落ち着いた雰囲気になっています(HPに部屋の写真があります)。この度、この部屋はそのままで、周囲が大幅に変わって新しくなることになりました。
TAO開室の2015年、賃貸契約書では「築年未詳」となっていますが、築350年くらいと聞きました。とすると、1665年ごろ、何と江戸時代初期、4代将軍家綱のころです。
ここ森下町は、岡山城の東の町民町として整備され、旧山陽道沿いに栄えました。賑やかに大名行列も通ったということ。TAOはその東の入口にあります。すぐ近くに、「惣門跡」の立て看板があります。
TAOは、壁を共有した3棟続きの建物の、東の端の2Fです。もともとは石屋さんだったとか。税対策のために間口を狭くした町家の面影を残しています。地震や旭川の氾濫に耐え、岡山空襲もギリギリで難を逃れ、350年以上、目出度く建っています。
けれども、TAOの棟を残して、あと2棟分がとうとう解体という運びになったのです。
工事は2ヶ月前くらいから始まり、木造家屋の解体とは言え、なかなかの騒音と振動を浴びながら面接を続けています。クライエントさんにもご迷惑をお掛けしていますが、一緒に我慢してくださっています。お盆前に隣の2棟分がすっかり取っ払われました。解体途中には、両手で抱えるほどの太い梁が見えました。ずっと空き家になっていた一番西の棟からは、穴の開いた五右衛門風呂が出てきて、なるほど歴史を感じさせられました。
旧山陽道で唯一残っていた町家なので残念ではありますが、何かを壊す、無くなるって、結構気持ちのいいもんだ!と思ったりもします。そんな中、よくぞTAOが残ってくれたと、安堵しています。
実は、昨年秋のオーナーの変更に際して、TAOも解体を示唆され、不利な契約変更まで持ち掛けられたのです。建物内の別事務所の退去騒ぎもあり、どうなることやらとやきもきしていました。
TAOとクライエントさんを守らねばと、賃貸契約について調べたり専門家に相談したりしました。心理面接にとって、固定の空間で安心して継続することがどんなに大切かも、文書で訴えました。
度々の予定変更、すったもんだの末、やっとこの形に落ち着いたのです。やれやれです。
こんないきさつを面接で話していると、あるクライエントさんが、「もしもめたら、私、クライエント代表で出ますよ。生き死にがかかっているんですから」とおっしゃいました。過酷な生い立ちで大変なしんどさを負っていて、自分の気持ちさえ分からなかった方が、何と力強くなられたことか。きっとこの空間に癒されたのでしょう。最近は毎回、本当に残ってよかった、奇跡のようだと語り合っています。(ご本人の許可を得て書いています)
まだ工事中で雑然としていますが、9月には1Fの玄関、トイレなどがきれいになる予定です。楽しみです。
その頃には爽やかな風も吹いてくるでしょう。室内もちょっと片付けて、心機一転、また頑張ります!
心理面接室TAO 藤坂圭子
HP:http://tao-okayama.com
TAO開室の2015年、賃貸契約書では「築年未詳」となっていますが、築350年くらいと聞きました。とすると、1665年ごろ、何と江戸時代初期、4代将軍家綱のころです。
ここ森下町は、岡山城の東の町民町として整備され、旧山陽道沿いに栄えました。賑やかに大名行列も通ったということ。TAOはその東の入口にあります。すぐ近くに、「惣門跡」の立て看板があります。
TAOは、壁を共有した3棟続きの建物の、東の端の2Fです。もともとは石屋さんだったとか。税対策のために間口を狭くした町家の面影を残しています。地震や旭川の氾濫に耐え、岡山空襲もギリギリで難を逃れ、350年以上、目出度く建っています。
けれども、TAOの棟を残して、あと2棟分がとうとう解体という運びになったのです。
工事は2ヶ月前くらいから始まり、木造家屋の解体とは言え、なかなかの騒音と振動を浴びながら面接を続けています。クライエントさんにもご迷惑をお掛けしていますが、一緒に我慢してくださっています。お盆前に隣の2棟分がすっかり取っ払われました。解体途中には、両手で抱えるほどの太い梁が見えました。ずっと空き家になっていた一番西の棟からは、穴の開いた五右衛門風呂が出てきて、なるほど歴史を感じさせられました。
旧山陽道で唯一残っていた町家なので残念ではありますが、何かを壊す、無くなるって、結構気持ちのいいもんだ!と思ったりもします。そんな中、よくぞTAOが残ってくれたと、安堵しています。
実は、昨年秋のオーナーの変更に際して、TAOも解体を示唆され、不利な契約変更まで持ち掛けられたのです。建物内の別事務所の退去騒ぎもあり、どうなることやらとやきもきしていました。
TAOとクライエントさんを守らねばと、賃貸契約について調べたり専門家に相談したりしました。心理面接にとって、固定の空間で安心して継続することがどんなに大切かも、文書で訴えました。
度々の予定変更、すったもんだの末、やっとこの形に落ち着いたのです。やれやれです。
こんないきさつを面接で話していると、あるクライエントさんが、「もしもめたら、私、クライエント代表で出ますよ。生き死にがかかっているんですから」とおっしゃいました。過酷な生い立ちで大変なしんどさを負っていて、自分の気持ちさえ分からなかった方が、何と力強くなられたことか。きっとこの空間に癒されたのでしょう。最近は毎回、本当に残ってよかった、奇跡のようだと語り合っています。(ご本人の許可を得て書いています)
まだ工事中で雑然としていますが、9月には1Fの玄関、トイレなどがきれいになる予定です。楽しみです。
その頃には爽やかな風も吹いてくるでしょう。室内もちょっと片付けて、心機一転、また頑張ります!
心理面接室TAO 藤坂圭子
HP:http://tao-okayama.com
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