コロナはまだ収まっていないとは言え、5月に5類に移行して以来、日常と解放感が戻ってきました。
ところが、ウクライナ戦争は未だ出口が見えず、おまけにイスラエル軍によるガザ侵攻でさらに激震が走りました。各地各国の分断が進み、核の脅威にさらされ、「地球沸騰化」による災害も深刻だし、AIは人類を凌駕する勢いです。
「対話」の重要性が叫ばれていますが、指導者たちはそのテーブルに就く気配もなく、国連も機能不全になりつつあります。地球の未来が危ぶまれる事態です。
思い出されるのは、カウンセリングの創始者C.ロジャーズです。彼は1973年、北アイルランドでのエンカウンターグループによって、プロテスタント信者とカトリック信者の衝突を鎮めました。他にも、人種や宗教による対立緩和ための数百人規模のワークショップを度々実施し、晩年はノーベル平和賞にノミネートされていたそうです。
プロセスワークの創始者A.ミンデルも同じく、ワールドワークによって各地の紛争解決に尽力しています。初めは対立の炎に包まれていた会場が、最後は安らかな感動に包まれるのだそうです。そのきっかけは面白いことに、例えば誰かの頭痛であったり、偶然鳴った教会の鐘であったりします。
対立は、無意識レベルの「影」と「影」の間で起こっています。その「影」は多くの場合、世代を超えて引き継いでしまっている「傷つき」や「悲しみ」、「怒り」などです。だから、意識レベルで合理的に解決しようとしても、なかなか難しい。
けれど、ふとしたことが糸口となって、互いの深いところに共通して潜む「影」が顕わになります。どうしても執着を手放せないのは、「影」ゆえのこと。自分を守るために躍起になっているのだ。そして、それは大なり小なり自分にも当てはまる、と腑に落ち始めたとき、緊張が緩み、相手への赦しが始まります。「影」のシェアとケアがなされたら、事態は大きく反転するに違いありません。
けれど、当事者同士ではとうてい無理な話で、必ず仲介役と安全な「場」が必要です。ロジャーズやミンデルのような懐の深いファシリテーターが現れ、真の「対話」が実現することを願います。
では、私たち一般庶民は何もできないかと言うと、そうではありません。昨年最後のブログにも書きましたが、
When I change,the whole world changes. ー 私が変われば、世界が変わるー
また、マハトマ・ガンジーは、
世界に変革を望むなら、あなた自身が変わらなければならない。
と言っています。
まずは一人一人が、自分の内なる葛藤を統合すること。心の穏やかさを取り戻すと、他者を受け入れるゆとりができます。喜びも悲しみも共有できるようになります。一人が変わることで空気が変わり、癒しが生まれます。それが平和へとつながっていくはずです。
その第一歩に少しでも寄与できたらと思っています。
2024年がみなさまにとって、良いお年となりますように。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
ところが、ウクライナ戦争は未だ出口が見えず、おまけにイスラエル軍によるガザ侵攻でさらに激震が走りました。各地各国の分断が進み、核の脅威にさらされ、「地球沸騰化」による災害も深刻だし、AIは人類を凌駕する勢いです。
「対話」の重要性が叫ばれていますが、指導者たちはそのテーブルに就く気配もなく、国連も機能不全になりつつあります。地球の未来が危ぶまれる事態です。
思い出されるのは、カウンセリングの創始者C.ロジャーズです。彼は1973年、北アイルランドでのエンカウンターグループによって、プロテスタント信者とカトリック信者の衝突を鎮めました。他にも、人種や宗教による対立緩和ための数百人規模のワークショップを度々実施し、晩年はノーベル平和賞にノミネートされていたそうです。
プロセスワークの創始者A.ミンデルも同じく、ワールドワークによって各地の紛争解決に尽力しています。初めは対立の炎に包まれていた会場が、最後は安らかな感動に包まれるのだそうです。そのきっかけは面白いことに、例えば誰かの頭痛であったり、偶然鳴った教会の鐘であったりします。
対立は、無意識レベルの「影」と「影」の間で起こっています。その「影」は多くの場合、世代を超えて引き継いでしまっている「傷つき」や「悲しみ」、「怒り」などです。だから、意識レベルで合理的に解決しようとしても、なかなか難しい。
けれど、ふとしたことが糸口となって、互いの深いところに共通して潜む「影」が顕わになります。どうしても執着を手放せないのは、「影」ゆえのこと。自分を守るために躍起になっているのだ。そして、それは大なり小なり自分にも当てはまる、と腑に落ち始めたとき、緊張が緩み、相手への赦しが始まります。「影」のシェアとケアがなされたら、事態は大きく反転するに違いありません。
けれど、当事者同士ではとうてい無理な話で、必ず仲介役と安全な「場」が必要です。ロジャーズやミンデルのような懐の深いファシリテーターが現れ、真の「対話」が実現することを願います。
では、私たち一般庶民は何もできないかと言うと、そうではありません。昨年最後のブログにも書きましたが、
When I change,the whole world changes. ー 私が変われば、世界が変わるー
また、マハトマ・ガンジーは、
世界に変革を望むなら、あなた自身が変わらなければならない。
と言っています。
まずは一人一人が、自分の内なる葛藤を統合すること。心の穏やかさを取り戻すと、他者を受け入れるゆとりができます。喜びも悲しみも共有できるようになります。一人が変わることで空気が変わり、癒しが生まれます。それが平和へとつながっていくはずです。
その第一歩に少しでも寄与できたらと思っています。
2024年がみなさまにとって、良いお年となりますように。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
心理面接室TAO 藤坂圭子
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