September 24, 2017

車を運転しないで、中之条ビエンナーレ2017に行ってきた

車を運転しないで、中之条ビエンナーレ2017に行ってきた1


◆中之条ビエンナーレ2017

・開催日時:2017年9月9日-10月9日 9:30-17:00 会期中無休
・当日券:高校生以上パスポート1000円(同一会場何回でも入場可)
・公式サイト:http://nakanojo-biennale.com/
・公式Facebook:https://www.facebook.com/nakanojo.biennale/posts/1452334024843743
 ※SNSでの情報発信はあまり盛んではないが、公式TwitterよりもFacebookの方が頻度が高い。

【交通】


公式サイトでも


公共交通を積極的に案内していない通り、


遠方の人が車を運転できるなら


断然レンタカー。


車を運転しないなら、


公式ツアー推奨。


公共交通を使うのは


一種の修行。


それでも土日祝のみのツアーは都合つかないとか、団体行動が苦手という場合は以下を参考に。
TwitterやInstagramなどのSNSで好みの作品に当たりをつけておき、
公共交通でアプローチ困難な場所は、好みの作品が無ければ行かない、
旧学校など作品の多い会場は好みでない作品はスルーすれば、公共交通利用でも2.5日程度で回れる。

・中之条までの交通
  高崎駅からJR吾妻線。高崎駅発7:26または8:53の列車。
  往復5100円の高速乗り合いバスがあるものの、往路は東京駅発9:00、中之条駅入口到着12:03、
  復路は中之条駅入口発14:10、東京駅着17:30と、完全に時間が噛み合わない。

・会場エリア内の公共交通
  下記の交通機関と足を駆使して移動。バス停の位置はMapionとGoogleストリートビューで確認。

 ・四万温泉エリア
   関越交通バス(中之条駅〜四万温泉) 時刻表(29.3.4改正)
   ※作品は清流の湯入口〜四万局前に集中。飛び地の会場30は徒歩の人は無理しなくても・・・。
 ・沢渡暮坂エリア
   関越交通バス(中之条駅〜沢渡:ジャンボタクシー(9人)で運行) 時刻表(28.3.26改正) 
   ※会場34は沢渡温泉下車、会場31は菅田口下車または、四万温泉線の下沢渡下車。
    会場40、41、42は諦めるか、タクシーを使う。
 ・名久田エリア
   たかやまバス(中山本宿〜原町ベイシア) 時刻表(平成25年5月17日現在)
   ※会場13-15は天神下車。徒歩の場合は中之条駅より平坦な道を片道35分。道も分かり易い。
 ・六合エリア
   六合地区路線バス(長野原草津口駅〜野反湖) 時刻表(平成28年3月26日改正版)
   ※南大橋下車。本数が1日3往復しかない。長野原草津口から会場51までタクシー1900円、徒歩75分。
 ・伊参エリア
   伊参エリア無料シャトルバス(会期中のみ) 時刻表
   ※道の駅「霊山たけやま」〜旧五反田学校は徒歩15分。会場23は諦めた。
 ・中之条駅〜長野原草津口駅(JR吾妻線)
  ・中之条駅 時刻表
  ・長野原草津口駅 時刻表

【所要時間】
公共交通でアプローチ困難な会場を除けば、2泊3日あれば余裕。公共交通利用で1泊2日はムリ。

【モデル行程(超ざっくり)】
・1日目:AM中之条伊勢町エリア→PM無料バスで町役場から伊参エリア→無料バスで「霊山たけやま」→徒歩15分で旧五反田学校→無料バスで町役場→太陽誘電前より関越交通バス沢渡線→沢渡温泉泊
・2日目:AM沢渡温泉エリア→関越交通バス沢渡線で旧沢田小学校(菅田口下車)→下沢渡または沢田農協前から関越交通バス四万温泉線で清流の湯入口下車→四万温泉エリア→四万温泉泊
・3日目:AM四万温泉エリアから関越交通バス四万温泉線で中之条駅→徒歩35分またはタクシーで名久田エリア→徒歩またはタクシーで中之条駅→JR吾妻線で長野原草津口駅→タクシー(1900円)で六合エリア(かいこの家)→路線バス(南大橋より乗車)またはタクシーで長野原草津口駅→帰宅

【宿泊】
・沢渡温泉または四万温泉。沢渡温泉は素泊まりプランのあるリーズナブルな宿が複数ある。
 四万温泉は料金設定高め。朝夕2食付きプラン、1泊15,000円くらいの設定の宿が多い。
・どちらの温泉も土日に1人で泊まるのは難しい。 

【食事】
・徒歩の場合は時間に追われ、昼食をゆっくりとる時間は無い。腐りにくいものを買ってどこかで食べる。
・名久田エリアは、名久田教場のそばにセブンイレブンがある。
・四万温泉エリアは四万やまぐち館の隣に、21:00まで営業のヤマザキショップがある。普通のコンビニは無い。
・中之条駅付近にはスーパーのヤオコーがある。
・その他のエリアは徒歩圏にコンビニ、スーパーは無し。
・夜営業している飲食店は、沢渡温泉はそば屋1店のみ、四万温泉は3店程度。

◆11旧廣盛酒造

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ユカオオタニ

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佐野 彩夏

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福島 陽子

◆21isamamura(旧伊参小学校)

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ルナクリップ

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ルナクリップ

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佐野 彩夏

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三好 由起

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岩城和哉+東京電機大学岩城研究室

◆22伊参スタジオ

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浅見 俊哉

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遠藤 研二

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藤原 京子

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鳥越 義弘

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渡辺 俊介

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山口 信哉

◆16道の駅「霊山たけやま」

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浅野 暢晴

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浅野 暢晴

◆17旧五反田学校

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鈴木美緒

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鈴木美緒

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鈴木美緒

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菅沼稔

◆38薪の家

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長谷部 勇人

◆37階段の家

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小林 ナオコ

◆34沢渡ギャラリー

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アーサー・ファン

◆35沢渡別邸

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鈴木のぞみ

◆31旧沢田小学校

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田口 一枝

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加藤 崇

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西澤 利高

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花輪 奈穂

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Maya Cohen Levy

◆26四万サロン

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ユアサエボシ

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ユアサエボシ

◆25旧第三小学校

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Kisskon Buatao

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嶋津晴美

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旧第三小学校校舎

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旧第三小学校校舎

◆24中屋

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新里碧

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柏屋カフェ

◆13名久田教場(旧第五中学校)

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石坂 幸雄

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小林 清乃

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ユアサエボシ

◆44長英の隠れ家「湯本家」

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山形敦子

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西島雄志

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西島雄志

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Franziska Furter

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六合(日本グンマー)の軽デコトラ

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September 19, 2017

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(4) 飯田・直エリア

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(4) 飯田・直エリア1

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(1) 大谷・日置エリア+行く人用のリンク集

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(2) 三崎・蛸島・正院エリア

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(3) 宝立・上戸エリアと宿泊施設


珠洲市の中心地、飯田エリアは最も作品の密度が高い。徒歩でも回れるくらいだ。
作品番号22〜28の7作品が、狭いエリアに集中する。
しかし、その他のエリアも観るとなると徒歩で行くには距離があり、路線バスの本数は少なく、
最低限でも自転車くらいは借りた方が良いだろう。

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(4) 飯田・直エリア2

飯田エリアの最初は28EAT&ART TARO《さいはての「キャバレー準備中」》へ。
定期船の待合所だった建物。イルカがジャンプしている絵がペイントされているのがインパクト大。
調べれば、珠洲飯田港から糸魚川までカーフェリーの定期路線があったそうだ。

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(4) 飯田・直エリア3

この建物はGoogleマップや食べログによれば、近年までCafe de らんぷというレストランだったようだ。
窓に施された金色のアールヌーヴォー風の文様は年期が入っており、レストランの居抜き物件として、
店舗が何度か入れ替わった形跡がある。

しかし、市街地の港までこの鮮やかな海の青。
時間が出来れば方々の海沿いを放浪している輩から見ても、珠洲の海の美しさは出色。

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(4) 飯田・直エリア4

キャバレーの楽屋裏という設定の部屋は、壁面がどぎついピンクがかった赤。
化粧品やアクセサリーなどの小物が、無造作にカウンターに置かれている。

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(4) 飯田・直エリア5

ラポルトすず(珠洲市多目的ホール)の26力五山《潮流 - ガチャポン交換器 -》。
ガチャポンの形状は、建物の天井と柱を模しているのだろう。

1個100円のカプセルには、市民の誰かの私物と、その物にちなんだ手紙が入っている。
カプセルがらせん状の管を、くるくると回りながら落ちてくるのも面白い。
1回試してみたら、絵本のキャラ「おしりたんてい」のキーホルダーだったw

('A`)ノ くまの子
ノ( ヘヘ    みていた


('A`) かく ('A`) れん
 ∨ )    ( ∨
  ((     ))

 ヽ('A`)ノ ぼっ♪
  ( ) ゛
 ゛/ω\

おしりを出した子
      いっと…
  ('A` )
  (⊃⌒*⌒⊂)
   /_ノωヽ)

 __[警]
  ( ) ('A`)
  ( )Vノ )
   ||  ω|

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(4) 飯田・直エリア6

「ラポルトすず」は2006年開館、設計は長谷川逸子建築計画工房。
この規模の自治体にしては、立派過ぎる施設。

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(4) 飯田・直エリア7

倉庫のような「スメル館」という映画館跡での展示は、25南条嘉毅《シアターシュメール》。
切符売りの窓口がなければ、元映画館とは気付かない。

この芸術祭唯一の撮影禁止の作品。そうでなくても暗すぎて写すのは困難。
暗い中、スポットライトの明滅による、光の演出そのものを魅せる作品。
音楽も含め、演出全体がノルスタジーに浸りすぎな感があるが、
天井から時折さらさらと落ちてくる珪藻土が、この場所での時間の積層を可視化し、
単純な回顧に留まらず、昔と今の対比を表現している。
百聞は一見にしかず、写真は産経WESTの下記ページに掲載。

産経WEST:天井から生える木、漂着物で出来た鳥居、廃線・旧駅舎使ったアート…能登半島の先端で爐気い呂討侶歃兀廰瓠岷能登国際芸術祭2017」

この芸術祭必見の作品の1つであることは間違いない。
1度に鑑賞できる人数が限られるので、土日祝は行列が出来そうなのだが、
並んででも見る価値はあると力説したい。

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(4) 飯田・直エリア8

入口は撮影できる。松田聖子が若い。
「夏服のイヴ」は1984年公開。そこから時間が止まったままの空間。

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(4) 飯田・直エリア9

22金沢美術工芸大学アートプロジェクトチーム[スズプロ]《静かな海流をめぐって》。
教員と学生による、4つの作品(日本画、大型インスタレーション、大型のれん、中庭の水田)で、
蔵が沢山ある豪商の古民家という、場の力にも負けない力作!

《奥能登曼荼羅》は蔵の壁面3面いっぱいに、奥能登の海に囲まれた里山の花などの自然、
キリコ祭りなどの風俗を描いた。
お客さんが入ってくると、その迫力、色彩の鮮やかさに口々に歓声が上がる。
和紙に描いているので、湿気による壁面の収縮で破れることがあり、長期保存は出来ないそうだ。
もったいなさすぎる。

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(4) 飯田・直エリア10

一部の絵は天井まで浸出。
赤いトラクターなど、さり気なく現代的モチーフもあり。

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(4) 飯田・直エリア11

張り直した床板に、海藻をモチーフとした彫刻を施している。
床下に元々あった礎石や瓦なども、ライティングを施して作品の一部として見せている。
蔵まるごとが宝物のような工芸品。

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(4) 飯田・直エリア12

豪商の古民家なので、随所に風格が感じられる。

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(4) 飯田・直エリア13

ただの渡り廊下なのに、通路は広く梁も太くて立派。

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(4) 飯田・直エリア14

蔵の1つの入り口にあった装飾金物。
おっさん臭い面構えのぬこ様と鯛。
「お目出鯛(おめでたい)」を招く福猫、といったところか。

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(4) 飯田・直エリア15

《いえの木》は、蔵の残置物から成る幹を持ち、天井に枝を伸ばす。
圧倒的な存在感の物体。

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(4) 飯田・直エリア16

天井に貼りつくのは枝というより、菌糸のようだ。
実際に荷重を支えているのは黒い鉄骨なのだろうが、見えないように処理している。

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(4) 飯田・直エリア17

《家に潜る》。
古民家の雰囲気と調和した、上品な藍色の暖簾。
門から蔵への長い長い導線も、作品で演出する。
床に砂を敷き、ライトで照らして暖簾の波打った影を魅せる。

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(4) 飯田・直エリア18

23鴻池朋子《物語るテーブルランナー・珠洲編》。
額縁額装店だった店舗の什器を利用した展示。
地元の方からの話を聞いて、作家が下絵を起こし、語った方が手芸で縫った作品。
フェルトのモフモフを活かすなど、各作品に工夫が凝らされている。

現代美術の中では売れっ子の作家といって良いと思うのだが、
話を聞いて全ての下絵を描くのも、相当に時間を割いたことだろう。

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(4) 飯田・直エリア19

各作品の傍らにあるコケシが気になり、受付の方に聞いてみれば、
亡くなった家主がコケシコレクターで、会場の廊下にずらりとコケシが並んでいたそうだ。
積もった埃を1つ1つ拭いて、それぞれの作品にあったコケシを置いているとのこと。
この写真の作品は7人兄弟なので、7つの小さいコケシが左側に置かれている。

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(4) 飯田・直エリア20

24吉野央子《JUEN 光陰》。
入ったところ普通の場末のバーなのだが、奥へ進むと和室の個室が連なっており、
連れ込みバーだったことが分かる、という怪しい空間。

バーの空中を木彫りの魚が回遊する。
青と赤い照明が色鮮やか。

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(4) 飯田・直エリア21

青い照明は綺麗だが、連れ込みバーだと思うと淫靡な雰囲気。

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(4) 飯田・直エリア22

ウナギが、ほの暗い和室の床をにょろーんと。
和室の1つ1つが作品となっているので、じっくり見ると時間がかかる。
さらっと見るには惜しい良作揃い。

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(4) 飯田・直エリア23

タンスを開ければ魚群ー!

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(4) 飯田・直エリア24

おおお、カニさんこんにちは。
もっと足を崩してお寛ぎください、といいたいところだが、足を広げられるスペースは無い。

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(4) 飯田・直エリア25

お酒を供していたであろう、残されたグラスを使ったグラスタワー。
シンプルなグラスも、こうやって集めれば美しい。

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(4) 飯田・直エリア26

旧飯田駅の27河口龍夫《小さな忘れもの美術館》。
ホームへのアプローチには、鉄道の忘れ物を代表するであろう、傘が点々と立っている。
青い貨車の内部は黒板になっており、自由にメッセージを残せる。

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(4) 飯田・直エリア27

駅舎の内部は真っ黄色にペイント。
Tシャツもネクタイもバッグも靴も、全てベッタリと同色に塗られている。

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(4) 飯田・直エリア28

列車の時刻表。
ここまで本数が少ないと、車がないと生活できませんな。

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(4) 飯田・直エリア29

この場所にかつてあった、人の営みを想起させる様々なモノ達。
地方の芸術祭に行くたび、ノルスタジーと同時に、やるせない切なさを覚えてしまう。

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(4) 飯田・直エリア30

飯田エリアから直エリアへ移動し、19角文平《Silhouett Factory》へ。
倉庫へ入ると正面にほぼ正方形の開口部があり、額縁のように海と空が切り取られている。

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(4) 飯田・直エリア31

黒い切り絵で描かれた奥能登を代表するアイテムが、モビールとなって風にゆらめていている。
もっとじっくり鑑賞したかったが、14:35に道の駅すずなりで乗り合いタクシーに乗らねばならず、
後ろ髪をひかれながら直エリアの次の作品へ。

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(4) 飯田・直エリア32

20田中信行《触生—原初—》。
漆の質感を生かした2つの作品が、蔵に置かれているミニマルな展示。
1つは木本来の色形を活かして、ツヤピカに仕上げた作品。

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(4) 飯田・直エリア34

もう一つは鈍く金色に光る作品。
どちらもシンプルながら蔵の重厚な場の雰囲気と同化して、個人的には好み。
この時点で14:10頃。直エリアで残す作品はあと1つ。

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(4) 飯田・直エリア35

21ギムホンソック《善でも悪でもないキオスク》。
ヨコハマトリエンナーレ2014のメインビジュアルとなった作家なのだが、
道の駅とファミマが至近にあるというのに、本以外の商品が重複する有人売店とは何故に。
ホーム跡に置かれた白いベンチも作品とのこと。

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(4) 飯田・直エリア36

ホーム跡の貼り紙のトンビが極悪顔。
トンビはソフトクリームも食うのか?
ちなみに道の駅すずなりの塩バニラソフトは美味だった。

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(4) 飯田・直エリア37

道の駅すずなりで電動アシスト自転車を返却して、コインロッカーから荷物を出した時点で14:30。
能登空港までの乗り合いタクシーの待ち合わせ時間は14:35でギリギリ。
車を使わない、地方の芸術祭巡りは正に分刻みのスケジュール。
じっくり鑑賞したいという願望との葛藤が常につきまとう。

今回2泊3日の旅程であったが、会期前に現地入りしたので会期中に現地に滞在できたのは1日半強。
若山エリアが時間の都合で行けなかったことと、
金沢大学の菅沼直樹准教授らの研究グループによる、
自動運転車のデモ走行の体験が出来なかったことが心残り。

奥能登国際芸術祭公式サイト:自動運転デモ走行のお知らせ

原発を選ばなかった地域の、特有の風景として定着した風力発電の30基の風車群。
なかなか来られる場所ではないけれど、また3年後に再訪できると良いなと思い、
風車を眼下に眺めながら羽田へ向かう。

作品は豪華、美しい海を眺めながら海岸線を辿るロケーションは素晴らしく、
個人的には2017年度に行った芸術祭の中では、
準備に最も手間がかかった甲斐があり満足度は最高だった。


奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(1) 大谷・日置エリア+行く人用のリンク集

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(2) 三崎・蛸島・正院エリア

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(3) 宝立・上戸エリアと宿泊施設
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奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(3) 宝立・上戸エリアと宿泊施設

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(3)  宝立・上戸エリアと宿泊施設1

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(1) 大谷・日置エリア+行く人用のリンク集

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(2) 三崎・蛸島・正院エリア

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(4) 飯田・直エリア


1日目は道の駅すずなりに電動アシスト自転車を返却した後、
珠洲市総合病院前から見附島口まで路線バスで移動し、「珠洲温泉 のとじ荘」で宿泊。
部屋のテラスから見附島が眺められる、観光にはうってつけの立地。
人気の宿のようで、なかなか予約が取れず、2週間くらいキャンセルが出ないか粘ってやっと予約ゲット。

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(3)  宝立・上戸エリアと宿泊施設2

チェックイン前に海辺の散歩がてら、33リュウ・ジャンファ《Drifting Landscape》へ。
漂着したゴミのように見えるが、長靴などの日用品はすべて陶器でできている。

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(3)  宝立・上戸エリアと宿泊施設3

波に打ち寄せられたように、浜辺に沿って陶器の破片がずらっと並べられているのは壮観。
陶器は中国産のものと珠洲焼が混在し、過去から現在までの大陸と日本の交流を表現しているかのようだ。

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(3)  宝立・上戸エリアと宿泊施設4

チェックイン後、夜間鑑賞可能な30ラックス・メディア・コレクティブ《うつしみ》と、
32アデル・アブデスメッド《ま-も-な-く》を観に、徒歩で片道45分の月夜の散歩。


30番と32番は夜も観れると言うよりも、


夜に観た方が良い!(力説)



街灯が少ないため夜道は暗く、集落の途切れる場所では足元も見えないくらいだったので、
千葉の素掘りトンネル探索で使うヘッドライトが役立った。まさか芸術祭で使うとはw
小高くなった場所では、ライトアップした見附島を遠くに望めた。

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(3)  宝立・上戸エリアと宿泊施設5

旧鵜飼駅の32アデル・アブデスメッド《ま-も-な-く》。
夜の帳が降りたばかりのマジックアワーで撮影が出来た。
車両を貫く白いビームと夕焼けに見惚れる。
これ、昼間よりも日が落ちた後の方が断然良い。

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(3)  宝立・上戸エリアと宿泊施設6

車両の銘板には「東京汽車會社 昭和34年」。
この車両の来歴は、キハ605修復プロジェクトによれば、
常磐炭鉱キハ21→岡山臨港鉄道キハ1003→紀州鉄道キハ605だそうで、
現状は自走は出来ず、個人所有のようだ。

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(3)  宝立・上戸エリアと宿泊施設7

30ラックス・メディア・コレクティブ《うつしみ》を観て、
晩メシの調達にファミリーマート珠洲宝立町店に寄った後、クズが蔓延る線路跡を伝って再び旧鵜飼駅へ。
21時近くというのに、家族連れが見学していた。結構人気。

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(3)  宝立・上戸エリアと宿泊施設8

間欠泉的に、思い出したように12年の眠りから覚めて、カンカンカンカンと踏切が鳴る。
もう列車は動かないというのに、切ない。

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(3)  宝立・上戸エリアと宿泊施設9

遠目では、ガラスを外して照明を突き刺しているように見えるが、
照明と窓ガラスの間は、真新しいシーリング材が丁寧に充填されている。

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(3)  宝立・上戸エリアと宿泊施設10

なんとサッシや床は木製のレトロな内装。網棚も本当に網。
骨董品な車両ですな。

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(3)  宝立・上戸エリアと宿泊施設11

30ラックス・メディア・コレクティブ《うつしみ》。
32アデル・アブデスメッド《ま-も-な-く》からは、暗い夜道を30分徒歩でてくてく。
それだけ手間をかけても観に行った甲斐があった。
月夜の夜空を背景に、幽体離脱するホーム上の建屋。
青白い光が神秘的。

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(3)  宝立・上戸エリアと宿泊施設12

CADで描いたアイソメ図のようなものが、闇夜で光り輝いているのは衝撃的な光景。
何の変哲もない殺風景な建屋を、インパクトのある作品にしたアイディアに感服。

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(3)  宝立・上戸エリアと宿泊施設13

ちなみに昼間の30ラックス・メディア・コレクティブ《うつしみ》。
手前のたわわに実った稲田は美しいが、建屋の上に屋外広告のフレームが載っているだけのように見えて、
この作品の真価は、珠洲の闇夜でこそ発揮されると思う。

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(3)  宝立・上戸エリアと宿泊施設14

翌日、「珠洲温泉 のとじ荘」は各部屋に浴室が無いので、朝5:00に大浴場でひとっぷろ。
浴槽から出れば、雲の合間から赤いご来光。
急いで部屋に行けばこの写真の通り。朝日は雲にお隠れあそばされていた。


ショボーン (´・ω・`)


奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(3)  宝立・上戸エリアと宿泊施設15

見附島は真正面から見れば、確かに人の顔に見える。
みつけたろうはアフロっぽいが、実物は若いころの田村正和の髪型に見えるな。

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曇りがちの朝、時折太陽が顔を覗かせ、鈍色の波間が銀色に輝く。
海三昧の景色。

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「珠洲温泉 のとじ荘」の朝食。この他にイカそうめんと吸い物が付く。
量は控え目だが、自分にとっては丁度よい。

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食事処での朝食後、居心地の良いロビーで無料のコーヒーをすすりながら海を眺める。
窓の外はすぐ海。

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「のとじ荘」をチェックアウトして、徒歩で31石川直樹《混浴宇宙宝湯》へ。
元々は芝居小屋で、現在は現役の源泉かけ流しの銭湯。
内部は迷路のようにカオスな間取りとなっている。

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舞台のある大広間では、銭湯のオーナー家族の昔の写真を展示し、
ファミリーヒストリーを軸にインスタレーションを展開。

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その他の沢山ある各部屋にも、北海道土産の木彫りの白クマがいたり、

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窓ガラスが割れた赤い絨毯の廊下には、白い手が生えていたり、

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どこから調達してきたのか、税務署や消防局が主催する習字コンクールの作品が貼られていたり、

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脱力系の順路案内があったり、

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暴力的なまでに強引に、新築の階段が挿入されていたり、

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様式不明な飾り窓や、扇形のらせん階段があったり、

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火鉢の置かれた、用途不明な謎の小部屋があったり。
時代や地域などの属性が不明な、タイトル通り混沌とした空間だった。

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さて、2泊目の宿は珠洲ビーチホテル。
珠洲でシティホテル的な宿といえば、ここ一択になる。

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建物は、仙田満/環境デザイン研究所設計、竣工1996年。
バブルの真っ最中、ポストモダン百花繚乱な時代の、気恥ずかしい珍妙なデザイン。

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珠洲を代表する宿にふさわしいグレードの朝食。
野菜の煮物が美味しいと、個人的には満足度が高くなる。

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ホテルの直ぐそばの鉢ヶ崎海水浴場。
立山連峰のシルエットがうっすらと望める。

3日目は珠洲ビーチホテルをチェックアウトしてから、路線バスで道の駅すずなりへ。
電動アシスト自転車を借りて、上戸、飯田エリアの作品を巡る。

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上戸エリアの30ラックス・メディア・コレクティブ《うつしみ》の昼の姿を観てから、
29眞壁陸二《青い舟小屋》へ。
小さい木の扉を開けて中に入り振り返ると、立山連峰と海が細長いフレームに収まっていた。

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内部は白く細やかな砂が敷き詰められ、波を模した美しい文様が描かれていた。
そこにヤドカリさん達や、鳥さん達がお邪魔した痕跡。

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壁面は青のグラデーションと金銀の色彩で彩られている。
抑制の効いた、陶磁器のような上品な配色。
波、倒さスギや、地域の伝承にまつわる蟹などのモチーフが描かれている。
受付の方によれば、この地域では蟹が化けて出る話があるとのこと。

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砂の海原の真ん中には、黒い桟橋。
つやつやとした梁材が立派。

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黄色と青の色ガラスも壁面の色彩と調和している。

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波と風の音、受付の地域の方々が楽しそうに談笑するのを聞きながら、
次のお客さんが入って来るまで、視覚聴覚で空間をじっくりと堪能して次の作品へ向かう。

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29眞壁陸二《青い舟小屋》の直ぐそばの、珠洲名物の1つである「倒さスギ」に立ち寄る。
遠目では松じゃないのか?と思うが、近寄ると春先に花粉を散らすあの植物と同じ葉っぱ。
突然変異による遺伝子異常?雷に打たれてこうなった?
不老不死の八百比丘尼が昼食時に杉箸を逆さに挿し、そこから枝葉が出たとの逸話が伝わっているとのこと。

上戸エリアの2作品の次は、作品の集中する飯田エリアへ向かう。


奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(1) 大谷・日置エリア+行く人用のリンク集

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(2) 三崎・蛸島・正院エリア

奥能登国際芸術祭2017に行ってきた(4) 飯田・直エリア
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