前回に引き続き、インターネット上で多く見られる

(カカオマスを使用していない)ホワイトチョコレートに、カフェインの心配はない。

といった文章の「嘘」を暴いて参ります。

前回は外皮を取ったカカオ豆を潰して作ったカカオマス(液状では「カカオリカー」)から主原料のココアバターを採っている以上、ホワイトチョコレートはノンカフェインになり得ないことを見て参りました。

カカオ豆の50%強がココアバターとのことなので、カフェインの含有量は、カカオ豆やカカオマスを思えば少ないでしょう。しかし「全くない」と断言することもできないことは容易にご理解いただけるかと思います。

それでは、ホワイトチョコレートに含まれるカフェインはどれ位なのか? 2つの資料を元に見て行きましょう。

まず、神奈川県衛生研究所の岸弘子先生が2009年に発表した研究データより。

タイトルにもある通り、チョコレート製品やチューイングガム中のカフェイン及びテオブロミン含有量を測定したデータで、ホワイトチョコレートは「試料」として登場しています。その際

ホワイトチョコレート 41.7μg/g

のものを使用したとのこと。次に見る資料が「100gあたり」で明記されているので、それに合わせると、

ホワイトチョコレート 4.17mg/100g

つまり「100gあたり4.17mg」のカフェインを含んだホワイトチョコレートを使用したことが分かります。

次に、国立医薬品食品衛生研究所の登田美桜(とだ みおう)安全情報部主任研究官が、2010年に女子栄養大学の出版部サイトに寄稿したコラムより。

『五訂増補日本食品栄養成分表』と、ニュージーランドの環境科学研究所が食品安全局に提出したリスクファイルをもとに、様々な食品のカフェイン含有量を一覧表示しています。その中に、リスクファイルからの引用として

チョコレート/ホワイト 5mg/100g

と、記載しています。つまり、ここでは「100gあたり5mg」ということになります。

メーカーや製法などによって含有量の差は出て来ますが、2つの資料は概ね近い値であることが分かります。同時に「ゼロではない」訳ですので、「ノンカフェイン」と位置づけることは不可能だということも分かります。

尚、2つの資料は「ホワイトチョコレート」に限らず大変役立つものです。中には専門用語など難しい箇所もございますが、お時間がございます方は、一読されることをおすすめいたします。

さて、ホワイトチョコレートのカフェイン含有量を見て「かなり少ない」と思った方もあるかと思います。しかし、ホワイトチョコレートによる体調不良は、このブログでも登場しています。

また、ホワイトチョコレートの原料でもあるココアバターを使ったハンドクリームで腕にしびれが走った事例も紹介しています。

さらに、私が管理人を務めるSNSのコミュニティには、ストロベリーチョコレートで症状が出たという報告もあります。

原材料から推測すると、ホワイトチョコレートに苺の果汁や果肉などを加えているようなので、同様に取り扱って良いでしょう。

(ストロベリーだけでなく、バナナなども同様です。但し、抹茶チョコレートは抹茶自体にカフェインを含むため、ホワイトチョコレート単体よりもカフェイン含有量が多くなります)

ホワイトチョコレートはカフェインが少ないから…と、侮ってはなりません。

カフェインアレルギーの方に対してホワイトチョコレートをすすめたり、プレゼントしたりする行為は大変危険です。もちろん患者の方が自ら食べようとするのも控えましょう。


ところで、皆様は「キャロブ」というものをご存知でしょうか? 実は「(カカオを使った)チョコレートの代用品」として使われる植物で、自然食を取り入れている方などに重宝されているようです。

この植物を調べる中で、カフェインアレルギーの方にとって大きな希望になる一方で、注意しなければならない事柄も見えてきました。次回は「キャロブ」をテーマにお送りいたします。