2007年05月20日
「タイアップの歌謡史」

10(新書2) 速水健朗 著/洋泉社 刊
芝居の劇中歌がレコード発売されたという戦前の「カチューシャの唄」からはじまり、現在のCMソングやドラマ主題歌までをざっと見渡した、一種のマスコミ史。1973年生まれという若さを著者紹介欄で知ったけど、資料の扱い方や視点の定まり方に問題はなかったです。強いていえば、アーティストの作品を商品として流通させる際の原盤権と音楽著作権の違い方がわかりづらいけど、それはたぶんむしろ読み手であるこちら側が慣れていないためであって、そもそもがけっこうややこしい業界なんでしょう、たぶん。それにしてもJALの夏キャンペーンやキリンビールの冬物語とか年ごとのシリーズ一覧がすごくなつかしかった。今の時代は、イメージが提供されるよりも、モデルタレントとより身近に関係性の感じられる宣伝(PR、Public Relations)の方がウケるのだそうで。80年代懐古をここでもぶり返してしまいましたよ。