2006年07月20日

建築家・伊月善彦さんが語る「家族と住まい」

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 天国に一番近い島は….?といきなり問われればあなたはどこを思い浮かべるだろうか。
もともと海が好きなのと、なんとなく雰囲気で「島」と書いてしまったけれど
別に島じゃなくてもいいんです。となると、おそらくそれは、「好きな場所」や「あこがれの土地」なんだろうと思われる。じゃあ僕にとって天国に一番近い○○ってどこだろう。ビーチフロントの住まい?それともハワイ?独り者だった頃は、きっとその程度だったのだと思う。しかし、人は成長していくもので年を取るごとに自分の環境が変わってゆくのです。体調であったり、仕事であったり、趣味も増えればお金も大事。でもそれらのなかで一番大きな変化って家族という新しい生活単位が出来ることなのではないでしょうか。
 私事で申し訳ないですが、普段はかなり脳天気に過ごしているように思われがちなのですが、建築設計という業の深い仕事ゆえかなりディープな出来事もあり、憔悴しきって帰る事もあるわけです。そんな時、家で待っていてくれる暖かい雰囲気にどれほど癒されることか。その瞬間僕にとっての天国ってここなのかなぁ。と思ったりします。いつもはそんな事忘れてるんですけどね。
でも、そういった精神的なことを考えていると住宅にとって「フォルム」とか「空間デザイン」とかって二の次なのかな、と思ってしまいます。住宅を造る仕事を生業としていながら反対のことを自問自答しているのです。そう、大事なことは、家族が幸せに過ごしていくための「場」を造ること。
 今回パネル展に出させて頂いた「Park side house」は、夫婦+子供の三人家族の住まいです。春には桜がきれいに咲く公園の真横の敷地でした。僕達の事務所では彼らのために、公園に対して思い切り開いただけの「箱」を提供しました。極力ノイズを省いた空間です。あとは家族の創造力で単なる「箱」がどのように成長してゆくのか…。「天国に一番近い箱」に成るのを楽しみに見守りたいと思います。

建てようネット[徳島]は7/23(日)〜30(日)に第3回パネル展「徳島の建築家20人 〜家族と住まい〜」を開催

Posted by tateyou at 08:32