東証1部値上がり率ランキングのトップに躍り出るとともに、売買高でも同じく第1位となっている。前日に鳥インフルエンザ対策繊維「フルテクト」の開発を発表、材料株人気に火をつけている。同様の繊維を開発したダイワボウ(3107)が、昨年12月に400円を超える急騰を演じたことも連想されている。同繊維は、独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構・動物衛生研究所と共同開発したもので、安全性の高い有機系抗ウイルス剤を繊維に架橋結合させることにより、洗濯50回後でも付着した鳥インフルエンザのウイルス感染価を10分間で99.9%以上低下させる抗ウイルス効果を発揮する。同繊維は、来年春夏商品から鶏舎作業用ユニフォーム、食品産業用白衣、マスク、フィルター、学童用制服、医療用白衣などに幅広く展開する。同社は、これまでも環境配慮型繊維「テンセル」やバイオマス繊維「さとうきび繊維」、「ココナツ繊維」などを開発し人気化した実績がある。今3月期業績は、9月1日に下方修正を発表するなど苦戦しているが、逆に強弱感が対立し材料株人気が盛り上がる展開も想定される。【兜町特捜班】