補足:チームの落とし穴(社会的権威)

社会心理学者ロバート・B・チャルディーニの世界的ベストセラー『影響力の武器』で紹介されている、人間の意思決定に誤った影響を与えてしまう要因の1つに「権威」があります。チームにおいては、この「権威」が思わぬ形で悪影響を及ぼしてしまう時があります。それが「“あの人が言っているから”という落とし穴」です。
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以前書きました、Decisionの法則では、独裁という意思決定の効果をスピードという観点から述べましたが、この意思決定方法を間違った形で運用したり、多用しすぎると、この「“あの人が言っているから”という落とし穴」に陥りやすくなります。

また、Communicationの法則で紹介した「心理的安全」がきちんと醸成されていなければ、「どうせ言っても無駄だ」「言ってもまた否定される」などのメンバーの主体性をそぐ感情がメンバーの中で強くなってしまいます。結果として「あの人が言っているから」という受動的な態度が助長されてしまいます。この落とし穴にはまらないためには、チームの中に「議論」というプロセスを埋め込むことが重要です。

 

※事例 〜サイバーエージェント〜
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短期間で急成長を遂げたIT企業のサイバーエージェントでは、この「議論」のプロセスを経営チームにうまく組み込んでいます。「あした会議」という役員合宿では、それぞれの役員が社員たちとチームをつくって、社長に対して新規提案をします。その提案にGOサインを出すのは藤田社長ですが、実際に沢山の提案がこの合宿で可決されます。サイバーエージェントが藤田社長のトップダウンの意思決定スタイルと役員の積極的なコミットメントを両立している事例です。