補足:「みんなが言っているから」という落とし穴(同調バイアス)

従来の経済学では、人は合理的かつ功利的な判断のもとに動くとされていました。功利的とは、選択肢の中で最も得をするものを選ぶことを言います。このような自己の経済利益を最大化させることを唯一の行動基準とする人間のことをホモ・エコノミクスと呼びます。ただ現実的にはこのホモ・エコノミクスは存在しません。何故ならば、人間は感情で動く生き物であり、時に非合理的な行動を選択してしまうからです。このような心理学的な見地も含んだ行動経済学では、その選択肢から得られる経済的合理性だけではなく、周囲の人々と同じ選択をして安心したいという同調性(同調バイアス)が人間の判断に影響を与えているというのです。例えば、自習室に勉強しに行ったら、みんなが雑談ばかりしているので自分も雑談してしまい、勉強がはかどらなかった、というようなことは至る所で見かけます。この落とし穴にはまらないためには、チームの「雰囲気」を意識的にマネジメントすることが重要です。
落とし穴






「雰囲気」をマネジメントするためには、「スポットライト」と「インフルエンサー」の観点が重要です。「スポットライト」はチーム内である態度のメンバーに光をあてることで、実態よりも全体的にポジティブな人が多い、ネガティブな人が多いと感じさせてチームの雰囲気をコントロールするアプローチです。「インフルエンサー」はチーム内で特に他のメンバーに影響力の強いメンバーに個別に働きかけ、転換させることでチームの雰囲気をコントロールするアプローチです。

※事例 〜リクルート〜
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社内コミュニケーションを重要視し、表彰式や社内報を通じて、仕事に前向きに取り組む人にスポットライトを当てることに力を注いできました。また経営に媚びることなく、政権を批判するジャーナリストのような「社内ジャーナリズム」を求め、経営や周囲に流されすぎずひとりひとりが自分で考える雰囲気を社内に醸成しようとしていました。「雰囲気」をマネジメントする事例です。