前回に引き続き、原価率のメカニズムについてです。

3.ロスの種類とそのメカニズム解説
ロスは大きく分けて3種類あります(図参照)。
売上原価3売上原価




それぞれ発生する原因や対策が異なります。

まず一つ目は「販売ロス」。売れ残りです。チャンスロスとも言うように、店頭に出すタイミングやお客さまへのアプローチ不足などから閉店時に残ってしまう場合もありますね。逆に言うと、焼き立てを出すタイミングや声掛け、新商品を常連のお客さまへ提案するなど、販売スタッフへのモチベーションとして「販売ロス〇%に抑える!」のような目標設定もいいと思います。ちなみに閉店時の最後までパンがある状態を保つための「必要ロス」という考え方もありますので、ガイドライン(例えば販売ロスは1%のように)を持っておくのも重要ですね。

二つ目は「製造ロス」焼き焦しなどの失敗や新商品開発のための材料使用などです。これは製造スタッフの成長過程における目標設定が重要です。そのプログラムがしっかりしていれば、このロス率は下がってくると思います。もちろん新商品開発用の予算として製造ロス率も例えば1%設定しておくと開発への動機づけにもなります。

三つ目は「品質管理ロス」です。在庫棚卸のところでも書きましたが、在庫が多いと冷蔵庫の奥で消費期限切れを起こしたり、積みすぎた棚から落ちて材料をダメにしてしまうことがあります。これには必要ロスのようなガイドラインはありません。目標は「0%」です。過剰在庫は悪だと考えてください。

4.仕入値交渉、値上実施の計画
本来、商品原価はレシピを考える際に決定すると思います。例えば塩パンなら〇%、サンドイッチなら〇%など。しかし経営を進めていくと状況は変わってきます。もともとの設定より分量を変えてみたり、原材料の仕入値が上がったり、消費税が改正されたり(食材の仕入れは8%のままですが包材は10%になります)。つまり何もアクションをとらなければ原価率は上昇する可能性が高いのです。仕入業者さんへの価格交渉(相見積など)や商品価格の値上げなど勇気をもって取り組んでいきましょう。

5.品ぞろえを科学する
お店全体の原価率は、いろんな原価率のパンの品ぞろえから形成されています。総菜パンやサンドイッチ、バターたっぷりのリッチなパンが多い店は原価率が高く、リーンなパンが多い店は原価率は低くなると思います。お客さまのニーズに合った選ばれるお店であるためには、このバランスが大切なんです。率だけにこだわらず、粗利額がきっちりとれるバランスを探してみましょう。

売上原価が1%変わるだけで年間の利益が大きく変わる可能性もあります。自店の現状数値を確認し、傾向に伴う対策を試みてください。
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