公認会計士の税理士資格自動取得制度の見直しをめぐる問題
会計・監査ジャーナルNo.647 (2009年6月号)に対して

1.日本税理士会連合会制度部の税理士法改正要望タタキ台(答申)がいう、税理士資格の自動付与制度の廃止論は、資格制度の厳格な規制のために、規制改革会議が、国民(納税者)の安全性の確保という視点から専門家の資質の検証を求めていることに相応している。
また、規制改革会議が受験資格の撤廃を決めたので、昭和26年税理士法制定時から改正されていない試験制度を見直し、あわせて税理士資格自動付与制度も見直すというものである。

2.弁護士法には税理士業務ができる規定があるが、公認会計士法には存しない。
また、税務代理士法制定時に計理士が税務業務を行っていたという理由から計理士に税務代理資格が付与されたというのが歴史的背景である。さらに当時は試験制度もなかった。
昭和26年税理士法(議員立法・国会議員には多くの弁護士が存していた)では、税理士の数も少なく過去の経緯から公認会計士(及び弁護士法には当然税理士業務ができる規定)にも税理士資格が付与された。

3.許可公認会計士の廃止を税理士会の政治力によるものとしているが、税理士法制定当時とその時点の状況(環境)が変わっていることから廃止されたものである。

4.税理士業務の専門性や税務支援など社会が税理士業務(制度)に求めているものに変化があるのにもかかわらず、未だ制度導入時の根拠を挙げて反駁している。既得権益の主張といえる。
税務支援業務に適切に対応できない公認会計士である税理士も比較的多いと聞いている。

5.資格取得の公平性については、韓国税務士会がかつてギャラップ社を使って世論調査をしたが、税務士資格の付与制度(韓国公認会計士法には、日本と違って税務代理業が入っている)には90%近くが反対している。そして国会に税務士法改正案が上程され、税制委員会は通過したが、最後は弁護士が多くを占める法務委員会で反対され、現在の税務士名称独占制度(公認会計士は税務士の名称を使用できないが、税務代理業務はできる)になっている。

6.英国でも税務業務の専門家として登録制度が導入されており、また米国でも税務業務の資格者を限定しようという動きがあることなどには触れていない。

7.税制はその国の特有性が反映され各国間で様々であるが、会計は国際的な共通性をもつという違いがある。

8.公認会計士の税理士資格の自動的付与制度を認めることに、当然にその能力があるからという理由を挙げるならば、税法科目の試験に対応できるはずである。

9.現在、税理士試験合格が平均9年、公認会計士試験合格が3年といわれており、税理士になるために公認会計士試験合格を目指した方が早い(専門学校などの見方)という現状は改善されるべきである。