September 2007

September 30, 2007

感覚の論理

sense of the city












『SENSE OF THE CITY』という本を読んだ。
端的にいって、季節とか、音とか、匂いとか、
今まで視覚に頼りすぎていた都市に対する捉え方をを
もっと他の感覚を通して見直そうというもの。

このような考え方は最近よく取り上げられるように
なってきていて、特に目新しくはないけれど、
そのようなものがある説得力を持って
語られている点がおもしろい。
特にこういった感覚に基づいた考え方は
ともすると単なる美学的なものに陥ってしまうため、
それを補強する論理というのはどうしても必要になってくる。

問題は、こういった考え方をどのようにして
作る側の論理に持っていくかということ。
最終的にものでそれを示せなければ
建築家として責任が取れないだろう。
最後の章で取り上げられていた
Juhani PallasmaaがAaltoの作品について称した
"haptic architecture"や"sensory realism"という言葉が
そのヒントになっている気がする。

taz001 at 23:19|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

September 29, 2007

imagine

atelierMM






スタジオ最初の課題は、「自分が本を読みたい空間」。
基本的にそれ以上のクライテリアはなくって、
あとは自分で全部考えなくちゃいけない。
「どんな本を、どんな机で、どんな姿勢で読みたいか」
をイメージしなければいけない。

基本的にイメージから出発する方法は何となく苦手で、
それは自分が不得意というのもあるけれど
それ以上にそうやってできた空間に
嫌らしさとか暑苦しさを感じてしまうからだ。

師曰く、
「建築家は光、素材、プロポーションを考えなくてはいけない。
それは自分の記憶や経験に根ざしていなければならないし、
人間の知覚にどのように影響するか想像しなくてはならない。」

正直まだ違和感が拭いきれない部分はあるけれど、
彼の空間原理主義的なところや幅広い歴史観には
かなり学ぶところがあると思うので、
しっかり吸収していきたい。




taz001 at 02:56|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

September 27, 2007

Valerio

olgiati











前から読みたいと思って昨日やっと手に入れた。
12時過ぎの帰宅だったのに
ついつい読んでしまってあまり眠れず。
すべてが納得いくわけではないけれど、
やっぱりこの人の考えていることはおもしろい。
学生との会話をまとめたものだから読みやすいし。

もう一度きちんと読み返していろいろ考えないと。





taz001 at 02:57|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

September 26, 2007

giappone

海外にいると日本人であるということがどうしてもついて回って、
こっちが意識していなくても常にそうゆう目で見られる。
「これは日本人的だ」
「これは日本の伝統的な考え方だ」
とか言われることは想像以上に多い。

基本的に好意的な意見がほとんどなのでそれはそれで
いいのだけれど、自分の考えを超えて見る側の深読みに
なってしまっていることも多々ある。
日本人というだけで評価が何となく高くなってしまうということは
こっちにいる人は感じることがあると思うけれど、
それを意識していないと勘違いしてしまう恐れがある気がする。
当たり前だけれど日本に帰ればみんな日本人なわけで。

それと前に茂木健一郎が言っていたのだけれど
イギリス人が夏目漱石について書いたことがあって、
そこで彼はニーチェだか誰だかを持ち出して
海外の哲学の影響について語ったらしい。
それは日本人にしてみればとんでもないことで、
つまり海外からみた日本というのは
日本人から見た日本とは同じにはなりえないということ。

今自分に必要なのは、その二つを踏まえた上でどう振る舞うのかということだ。

taz001 at 05:18|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

September 25, 2007

今日は経済の授業でデンマークの建築家、BIGがやって来た。
(www.big.dk/)
彼らはもともとOMA出身で、作風もその影響を感じさせる。
デンマークは普通北欧でくくられるけれどオランダが近いだけあって
かなり影響が強いらしい。

それで、プレゼンはというとグラフィックはきれいだし、
喋りもスムーズでわかりやすいしテンポもいいしで
何となくわかった気にさせられるのだけれど、
終わった後イマイチ何も残らない。

なんとなくラーメンズのコントにあった、
「話していることのひとつひとつは理解できるけれど
 全体としてよくわからない」
というセリフを思い出した。

つまり論理としては何となくわからないではないけれど、
だからといってそうゆうものにはならないでしょ、という感じ。
これは結構学生としても陥りがちな問題で、
結果的にロジックがエゴイズムの補強になってしまっているというか。

これは結構自覚的でいないと危ない気がする。
現にそう思えるような人が評価されているわけだし。
スイスで学びたいのは、おそらくそういったインパクトからは
こぼれ落ちてしまうささやかな強さだと思う。



taz001 at 06:27|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

September 23, 2007

living legend

siza






今週学校に展覧会に合わせてAlvaro Sizaがやって来た。
展覧会自体は日本でもやっていたものが巡回したのだけれど、
本人は日本には来なかったようなのでちょっと得した気分。

お昼には学生と話す時間まで設けられていて、
けっこう得した気分。
まあ、日本人らしくおとなしく聞いているだけでしたが。
彼が強調していたのは歴史的な視点について。
Aaltoの影響についても語っていました。
絵を描くことというのは建築の設計以前に
生活の一部なんだみたいなことを言っていたのが印象的。

夜は講演会。
最近ブラジルにできた美術館について喋っていました。
最初のスケッチからだんだんプロジェクトが
かたちになっていくプロセスはなかなかおもしろかった。
いかんせん聞き取りにくかったのが残念ですが。。

展覧会自体も最近のプロジェクトで見たことのないものも
結構あって楽しめた。
学校でやっていると何回も繰り返し見られるのでよいです。

taz001 at 00:27|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

September 22, 2007

スタート

booklet






いよいよスタジオ課題が始まった。
無事第一希望が通って、今セメスターはAtelier Miller&Maranta所属です。
課題はヴェネツィアで現代音楽のための図書館。

彼らは割と典型的なスイス人建築家と言ってよくて、
最初に自分は歴史と既存のものを大切に考えると言っていた。
そのあと映画や写真などを見せられて彼らの考え方を聞いたのだけれど、
常に言っていたのは今あるものをつぶさに観察して、
それを少しだけずらして新しいものを作るということ。
それはきっといわゆる抽象的なコンテクストというよりも
もっと即物的に隣の建物であるとか目の前の道路であるとかを
注視して、それを使って設計するということだと思う。
そしてその時に強調していたのがその視点自体が
個人的なインターヴェンションになるということ。

基本的に彼らはとても真面目というかまっすぐで、
原理的でさえあると思うけれど、
他の分野に対して広い視野を持ちながら
建築的にきちんとした答えを出そうとする姿勢は
とても参考になるものだと思う。

最初の課題は敷地の特徴を示す写真1枚、
外観のイメージ写真1枚、
そして内観のイメージ写真1枚で
写真というフォーマットを重視すること自体が
彼らの考え方を表しているように思う。
基本的にイメージから出発するのはあまり得意ではないけれど、
いろいろ試行錯誤しながら頑張ろう。

taz001 at 00:45|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

September 20, 2007

ろうそく


ものすごくシンプルで
ギミックがなく
寒いんだけど冷たくない
静かなんだけど寂しくない
ものすごく心が落ち着く

同じ強さの中でも
おおらかさであったり
寛容さであったり
優しさであったり
風化しない強さであったり


BOSS THE MCがDJ KRUSHの「CANDLE CHANT」の
トラックについて語った言葉。
それは成熟されたものの中にあって、
決して揺らぐことはない。

そんなものが作れたら本当に素晴らしいだろうなあと
思います。






taz001 at 20:34|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

September 19, 2007

さんかく

liner museum






スイスボックスと呼ばれるように、スイス建築の良さは
そのシンプルな操作で実現される空間の質にあると思う。
Gigon & GuyerのLiner museumはその三角屋根と
外壁のメタルの印象が強かったけれど、
行ってみて感じたのはその魅力は内部空間だった。

壁を中心からずらして配置して、それと直交方向の
壁のスパンを変えることでそれぞれの部屋が
異なるプロポーションを持つ。
それに加えて壁の厚み、開口の位置、絵や家具の配置、
床のテクスチャーなどすごく細かい操作がとても
周到になされている。
とても原理的でミニマルだけれどミニマリズムが陥りがちな
美学が全面に出たようないやらしさはそこにはない。

なんでもないようだけれどちょっといい、
それぐらいの肩の力の抜けた感じが素敵です。



taz001 at 00:24|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

September 18, 2007

stadium

FC Zurich stadium











スタジアム建築はかなり難しいビルディングタイプだと思っていて、
構造表現主義に陥るかファサードの操作に終始してしまう気がするけれど、
今回見たチューリッヒの新しいスタジアムはちょっと違った。

木ルーバーを張った天井のついた屋根をコールテン鋼のストラクチャーが
支えていて、ストリートのレベルと観客席の最上部のレベルが
そろっている。
そのため通りを歩いていてもスタジアムの雰囲気を感じることができて、
なおかつ音が変に拡散してしまう心配もない。

街との関係を重視していて、なおかつ素材感が出ているのが
なんともスイスらしいです。

taz001 at 01:55|PermalinkComments(0)TrackBack(0)