November 2008

November 26, 2008

interpretation


本日David Chipperfieldの講演会があったので聞きにいってきました。
なんだか建築家の講演を聞くのは久しぶりで、
しかも結構好きな人だったので期待大。

最初本人を見て写真とのギャップに若干ショックを受けたり、
ぼそぼそと速いブリティッシュ英語に少々戸惑ったりしたけれども、
全体としてはすごく興味深いものでした。

まず約1時間半の講演でほとんど一つのプロジェクトについて
話したということ。
そしてそのプロジェクトが新築ではなくリノベーションの
プロジェクトであること。
これらのことが彼の建築に対するスタンスを物語っているような
気がします。
初めにスカルパのカステルヴェッキオや古い磁気を例に出しながら、
歴史的なものに対して、ただ元通りにしたりコピーを作ったりするのでもなく、
またそれに対して新しいものを並置させることでそのコントラストを
強めるのでもなく、オリジナルを尊重しながらも
その時代に応じた解釈をかたちにするようにしているということを
語っていました。
そしてその結果として新しい解釈を付け加えることで古いものが違った性格を持ち、
全体として一つのものに統合されるのを目指していると言っていました。
これはまあ話としてはわかりやすいかもしれませんが、
実際言葉ではなかなか伝わりにくくて、他の2つに比べると
格段に表現するのが難しいと思います。
しかし彼はこの考え方を徹底していて、きちんと物質的に実現しています。
今回プロジェクトのかなり細かい部分まで説明してくれて、
既存に対してきちんと調べた上でどのようなアプローチで
設計していくのかを何度も説明していました。
個人的に特に印象的だったのは、プラスターがはがれかけた壁に対して、
それを新しく同じ色に塗りなおすのでもなく、
新しい色に塗り替えるのでもなく、
それをそのまま残しながら少しだけ違う色で周りを塗ることによって
古い部分と新しい部分を両方見ることができ、
それが同時に共存している状態を作り出そうとしていたことです。
これは仮に思いついたとしてもなかなかそれをいいかたちで
実現させるのは難しいと思うのですが、
彼はそれをとても注意深い手つきで可能にしていました。

現在世界を舞台に活躍するいわゆるスターアーキテクトの多くは、
いかに自分のキャラクターを作り出し、それをアピールすることで
どんどん成り上がっていこうとしていますが、
彼はその中でも他とは少し違ったタイプで、
寡黙ながら注意深い手つきで設計をして、
あたかも前からそこに建っていたかのような建築を作ります。
このような保守的で当たり前にも見えるような考え方は、
実は大変難しく同時に可能性が多く秘められていると考えていて、
今回改めてそれを強く考えさせられました。
同時にこのようなアプローチで設計できる建築家が
日本にどれぐらいいるのだろうとも考えずにはいられませんでした。

最近ではチューリッヒの美術館の増築コンペにも勝ち、
ますます活躍の場を広げてますが、そのクオリティを保ちながら
頑張っていってほしいものです。



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November 23, 2008

BACK AGAIN!!!

またこの時期がやってまいりました!

日本帰国!

12月22日から1月11日まで日本に帰ります。
曲がりなりにも働いてるわりにはゆったりとしてますが、
いいんです!
やっぱこれくらいは欲しい。
日本の言葉と、音と、モノが必要なんです!

ということで仕事や修士設計や研修なんかで
みなさまお忙しいとは思いますが、
ぜひぜひ遊んでやってください!


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November 22, 2008

Sunday People


星のしるし
星のしるし

今回の作品はいつもとは違うという前評判を先に聞いていたので、
結構身構えていたけれど、実際はそんなことはない、
今までの延長線上にある、とってもいい作品だった。
確かにこれまでとは違うことを書いているけれど、
それは自分の立ち位置からどこまで行けるかという感じで、
やり方を変えたとかそうゆう事では全くない。

本人も度々言うように、彼女の作品が彼女の趣味(?)である写真に
大きく影響されていることは間違いない。
確かにちょっと短絡的かもしれないけれど、
作品の感触をつかむにはとてもわかりやすいと思う。
保坂和志が処女作の「きょうのできごと」の解説で
ジム・ジャームッシュを引き合いに出して
彼女の作品を説明しようとしていたけれど、
そうゆう風に他の分野とのつながりというか、
他に対する興味が彼女の作品にもすごく表れていて、
というかそれが作品の核とさえいえるのかもしれない。
いかに世界を見て、それを忠実に書くか。
写真のような小説というのが彼女の小説を形容するのに
ふさわしいのかもしれない。
例えばベッヒャー夫妻のように、被写体を忠実に写し取ろうとすることが
逆にその微細な差異を浮き上がらせるような。
もっとも彼女の作品はそのような厳格なものではなくて、
彼女の愛機TC-1のようにカジュアルなものだけれど。

この小説に限らず彼女の小説に共通しているのは、
文章を読んでいるときに視線の運動が喚起される、
つまりは空間をすごく意識されるということだ。
描かれているもの自体はすごくありふれたもので、
ストーリーに回収されることもなく
その文章自体が魅力を持っている。
だから読んだあとはいつもものを見る解像度が
少しだけ高くなっているような気がする。

他にもいろいろこの小説の魅力を言い出したらきりがないけれど、
何よりも一番好きなのは、読み終わった後に感じるちょっとした幸福感で、
それはどこか普段と別のところに連れて行ってくれると
いうようなものではないけれど、
見慣れたものが少しだけいつもより豊かに感じることができる、
そんな手触りを持っている。



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November 10, 2008

reference

Otto Senn / Parkhaus

ref01


Miller&Maranta / Wohnhaus Schwarzpark

ref02


スイスに来てから驚いたことのひとつに、
プレゼンで必ず参照する作品を見せるというものがある。
それはともすると昔のもののコピーに陥ってしまいそうな気もするけど、
見方を変えればそれだけ建築を広く捉えているともいえる。
(以前いた学校の先生がいわゆる巨匠の有名な作品を分析して
それに基づいて設計をするというのも考え方としては近いけれど
自分で何を選ぶかという作業がない点やそもそも参照するものから
始まっているという点であまり効果的であるとはいえない。)
オリジナルなものや新しいものを作ろうとすることは、
別に悪いことではないと思うけれど、一方でそのメンタリティがもたらす
息苦しさみたいなものはあまり好きではない。
参照することを表に出さないがゆえに逆にみんながその時々の
トレンドに左右されすぎてしまい、参照する範囲が狭くなって
結果としてみなが同じ方向を向いてしまうのもどうかしてると思う。

建築を自己表現のツールとして捉えるなら、いかに自分の世界観を
かたちにするかを考えていくということになるんだろうけど
結局のところそういった私的な世界を真ん中に据えるということは
自分を常に世界の中心に置くという考え方にもつながって、
なんだか居心地の悪さを覚えてしまう。
別に「もはやそれ自体オリジナルなものなんてなくて、
それをいかに編集して組み合わせるかがオリジナリティになる」
みたいな話をしたいわけではなくて、
建築を自分の表現のためとしてではなく、もっと大きなもの、
極端にいうならば建築のために作品を作るというような
視点の変換が必要であるように思う。
そのような考え方から、変に閉じられたサークルのような狭い価値観から
抜け出す糸口が見出せる気がしている。




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November 09, 2008

inst.

ここ最近なんだかまとめてインストを聴きいていて、
といってももちろんほとんど日本のやつなんだけど、
MIHARAの待望のファーストアルバムとか
DJ Perro a.k.a. DJ Doggとか、
あと大好きなINNER SCIENCEとKEMUIがやったやつとか。
(KEMUIって昔はソウスクとかと一緒にやってたんすね。
全然知らなかった!)
中でもMIHARAのやつは結構よくて、
タイトル通りドラマティックな音楽をなんだけど、
それがいやらしくなくぎりぎりのところで抑えられている感じ。
MARY JOYからリリースされる予定のARI1010のアルバムも期待大っす!

インストヒップホップというとなかなか定義というか
その範囲が難しくて、ラップが乗っていないというだけで
一挙にその射程が広がる。
それは諸刃の剣で、ともすると
「限りなくそれに近いけれど結局のところ全然違う」ものに
なってしまう危険性を孕んでいる。
ジャンルというのは何かを拘束し、カテゴライズするために
便宜上あるものという風に解釈されることもあって
それはもちろん一理あるけど、一方でその不自由さが
何かを生み出す原動力になることもある。
こうゆう話になるといつも思い出すのが、
昔BLASTで「士魂」の特集があったときに磯部涼が書いていた、
「問題はその魂を持ったままどこまで遠くへいけるかということだ」
という文章で、それはどこかから中心へ近づいていくのと
パッと見は似ていても実際は全く違う。
アブストラクトだとかいろいろ形容詞がつくことで
どんどん境界は曖昧になっていくけれど、
それでもどこかにそうであるものとそうでないものとの差は
歴然とあって、それを見分けることは容易ではないかもしれないが
すごく大切なことだ。

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November 08, 2008

the beginning

ついに今週から始めてしまいました、ドイツ語!
もはや4ヶ国語目です、わけわからん。。。
しかも授業に行ったら説明がフランス語!
なんか2ヶ国語同時に勉強してる感じで
かなり混乱。。。

そもそも別に外国語学ぶのあんまり好きじゃなかったし、
どっちかといったら英語をもっと伸ばしたいのだけれど、
どうもそうゆうふうにはうまくいかないみたいで
すごく中途半端な感じ。

まあ正直しゃべれなきゃまずいわけでもないから
そんなにプレッシャーもないし言ってみれば
趣味みたいなもんだけど、事務所の人は普段みんな
ドイツ語なので、少しでも努力する姿勢は
見せないとと思って始めました。
しかもこの前のミーティングのときにみんなが
ドイツ語で話していて、所員の人が
「タツがわかんないから英語で話したほうが
いいんじゃないですか?」
と言ったらボスが
「そんなんじゃあいつまで経ってもこいつが
ドイツ語覚えないだろ」
とか言いだして若干冷や汗ものでした。。

まあすげー簡単なことでもしゃべったらちやほやして
もらえるしそれはそれでおいしいかなあってことで。
どうなることやらという感じですがストレスになんない
程度に頑張りまーす!

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November 04, 2008

messe


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毎週Baselでは何かしら起こってます。
まずこの前はエレクトロニカ系アートイベントの一環で
Q-BERTとBIRDY NAM MAMがやってきて、
フロアをガンガン沸かしてました!
その後もDJ PREMIERが来たし、RAHZELとか
MIX MASTER MIKE、QUESTLOVEもやってくるわで
なんだかとてもヒップホップ率高いです。

そしてこの前散歩してたら駅から5分なのに
反対側に5分歩いたらもう草原が広がっていて
けっこうびびりました!
バーゼルの程よい田舎加減もいいところだと思います。

それから先週からなんだか街でお祭をやっていて、
教会の前に観覧車が出現!
この不謹慎さがなんともスイスらしいと思います。
ちなみにもう二回乗りました。

先週末たこ焼きに引き続きキムチ鍋を実現!
また一つ夢がかないました!
ほんとバーゼルに来てよかったー 笑
次は何鍋にするか思案中。

そんなこんなで相変わらず楽しくやってます。
いやあ、生活を楽しめるってほんとにいいっすねー!


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November 03, 2008

calmness

Otto Senn / Parkhaus

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バーゼルに来てから知った建築家、Otto Senn。
彼はスイスを代表するモダニズムの建築家で、
バーゼルに住宅をはじめ多くの作品を残している。
事務所のボスが大好きで、前に住んでいた集住も
今住んでいるのも彼によるもの。

この集合住宅は、パッと見とても地味で、知らなければ
素通りしてしまうようなそっけない表情を持っているけれど、
よくよく注視してみると木をよけた配置や壁の微妙な曲面をはじめ、
随所に周りの環境に対する注意深い配慮が見られる。
このような視点はSmithsonsの『As Found』にも通ずるもので、
既存の木をうまく設計に取り入れる姿勢も
Wayland Young Pavillionに通ずるものがある。
(さらにいうならH&deMのPlywood Houseに受け継がれている。)

友人から聞いた話だけれど、スイス建築のこのような小さな
コンテクスチュアリズムを語るとき、H&deMの影響か多くの場合
Aldo Rossiを引き合いに出されることが多いけれど、
実際はもっと前にバウハウスの影響でモダニズムが根付いていった
頃から脈々と受け継がれているものではないかと。

いずれにせよこのようなスイスの思慮深い謙虚さや穏やかさは、
メディアに載ったところで多くの注目を集めずに埋もれていって
しまうものがほとんどだけれど、
(現に日本でスイス建築の人気が出ているといっても
スイスの中ではかなり特殊なキャラクターの強い人たちに
注目が集まるだけで、その本質を捉えるような視点を
得るのは非常に難しいだろうと思う。)
実際に見てみるとそれらが持つ空気感はかなり魅力的でもある。

バーゼルという都市はそのコンパクトさにもかかわらず
質の高い建築がいっぱいあって、自転車で気軽にいいものを
見に行けるのがほんとうにいい。
寒くはなってきたけれどまだまだ見たいものがいっぱいある。


taz001 at 05:50|PermalinkComments(2)TrackBack(0)

November 01, 2008

コンペ

先週から2週間コンペチームに入れられて、いつもより忙しい
日々を送りました。
といっても日付が変わることはなかったしそんなに大変では
なかったけれど。。

こっちにきてからグループでの作業を極力避けてきたということも
あって、久しぶりの大人数でのインテンシヴな作業はすごく
勉強になりました。
みんな経験のある人たちだったし。
その中で感じたのは、今まで学校の課題では自分が納得いくまで
時間をかければよかったけれど仕事となるとそうもいかず、
限られた時間で最善の成果が求められるということ。
まあ当たり前のことなんですが、
優柔不断な自分にとってはそれがなかなか難しくて、
場合によっては見た瞬間にそれがいいか悪いかを判断するのができなくて、
その判断を他人頼みにしてしまうところがあったり、
特に今週はあまりボスがいなかったので彼の考えを
踏まえた上での結論を導き出さなければいけなかったので、
いろいろと考えさせられることがありました。
以前お世話になった事務所でボスに「怒られるうちはまだ楽だぞ」
というようなことを言われたけどそれはほんとにそうで、
仮に自分でやっていくようになった時にはその判断をすべて
自分がくださなければいけないわけで、
正直すごく大変だろうなあと思いました。

それと今回自分はなぜはパースを任されたのだけれど、
今まで自分でやっていた時にはついつい模型に頼りすぎていたので、
こうやって自分がやろうと思っていてもなかなかできなかったことを
やらせてもらえるのはいい経験でした。
正直そこまで納得のいくものはできなかったけど、
いろいろ試行錯誤しながらこれから頑張っていきたいです。

今週末はバーゼルでのんびりしたいと思います。
そしてがんがん日本食食べたいっす!


taz001 at 01:17|PermalinkComments(0)TrackBack(0)