December 2008

December 24, 2008

point of view

電化製品列伝
電化製品列伝
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長嶋有の小説では、常にモノがとても注意深く描かれていて、
その手触りがとても小説を豊かにしている。
この本は、電化製品を題材にして、小説及び映画について書くというもの。
電化製品というチョイスがおもしろくて、
それによって時代が露骨にわかってしまったりして
簡単に古びてしまう恐れがあるので、
その描き方が人によって違いが出やすい。
そしてこの本を読むまで全然気がつかなかったのだけれど、
小説の中にモノを配置するということは、
その中にノイズを作るということになって、
いわゆるきれいな文章を妨げる要素となる。
それはきっと建築においてモノを出来るだけ置かずに
竣工写真を撮るのとすごく似ている。
つまり通常であれば抽象化をはかりきれいにまとめるためには、
モノは表れてこないほうがいい。
けれどこの人はモノが小説の中に配置されることによって
生まれる空気感についてすごく自覚的で、
それによって小説がすごく豊かになることを知っている。
それは決してノスタルジックな視線ではない。
特に文学において古いモノを配置した場合、
容易にそういった暑苦しい雰囲気に回収されてしまいがちだけれど、
そういった事態に陥ることを周到に排除しつつ、
ただモノ自体をじっと見つめようとしている。
この本は結局のところ、世界をどのように見るかということに
ついて書いているのだと思う。




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December 21, 2008

atmosphere


postcard01


postcard02


昨日が仕事納めで、夜に事務所で軽くみんなで打ち合げをしました。
ボスから一人一人にクリスマスプレゼントが手渡されて(!)、
くじ引きで俺はシャンパンを当てちゃいました!
みんなに白い目で見られたけど。。

プレゼントの中には図書券と電車の回数券と、
以前事務所が行なった展覧会の時に作ったポストカードが
入ってました。
そのポストカードが自分としては結構気に入っていて、
上の方(2006年)は模型の写真をリアリスティックに撮ることで、
一見しただけでは見過ごしてしまうようなディテールにまで
目を向けさせるようにしていて、
下の方(2008年)では人が実際に使っているところを
部分的にぼかしながら撮ることで、
建物が持つ空気感を伝えようとしています。
(ちなみに写真家はRuedi Waltiという人で、
他にはH&deM何かの写真も撮ってます。)

建築写真というのは実物ではないもののプレゼンテーションであって、
常にその中に相反する要素を含んでいて、
通常だったらいかにその建物を良く見せるかというふうに考えるけれど、
(そしてその結果として実際に行ってみてがっかりするという事態が
しばしば起こる)
異なる媒体を使ったときに、その不可能性を最初から考慮して、
実際の建物とは違ったアプローチの仕方を持たせるというのは
すごく説得力のあることだと思います。
(H&deMがJeff WallやThomas Ruffを起用していたりしますね。)

さあ、それはそれとして早くも今年が終わってしまいます。
日本に帰るのはすごく楽しみではあるけれど、
一時帰国というのが最後になってしまう可能性を考えると、
少し複雑な心境でもあります。
まあ、まだどうなるかはわかりませんが。
バーゼルでの生活ももう3ヶ月を過ぎてしまって、
早く夏が来て欲しいと思う一方であっという間に終わってしまいそうで
焦りを感じてもいます。
まあ、何はともあれまずは買い物だー

taz001 at 06:23|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

December 19, 2008

Bの定義

ついにBさんがSFC辞めちゃうそうですね。
まあ2週間で世界一周する飛行機嫌いな自分には
殺人的なスケジュールで仕事してるから
いつ辞めてもおかしくない状況ではあったけれど、
いざ辞めるとなっちゃうとやっぱり少し寂しいものがあるなー

まあシェルター解体した時点でどこで研究会やるのかっていうか
B研が森アトリエとか全く雰囲気出ないし
要するに シェルターとともにあったってことっすね。

昔進路相談してもらったときに、
「君の好きな建築家は誰?」
ときかれて
「ピーター・ズントーです」
と答えたら間髪入れずに
「じゃあ君はスイスに行きなさい」
と言われてそのドがつくほどのストレートさには
思わず唖然としてしまったけれど、
実際自分は今スイスに来て勉強しているわけで、
そうゆう意味ではやっぱり自分に大きく影響を与えた人
なんだろうなあと思う。
まあ自分が関わりのある人で世間では一番のビッグネームだしね。

建築家としてはまだこれからどんどん活躍して
名前を聞くことは山ほどあるだろうし、
将来的に近くにいることはない気がするけれど、
はじめの一歩を踏み出させてくれたという意味で
今でも感謝してます。
今年も忘年会で誰よりもはしゃいで、
常に輪の中にいないと気がすまないんだろうけど、
研究会の飲み会は合コンじゃないので、
「男女交互に座ろう」
と学生に向かって提案するのだけは勘弁してください、先生!

taz001 at 06:54|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

December 17, 2008

thinking

小説、世界の奏でる音楽
小説、世界の奏でる音楽
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いよいよ最終巻となってしまったこのシリーズ。
この人の著作は毎回出るたびに楽しみにしていて、
期待以上のものを必ず提供してくれる。
とくにこの「小説をめぐって」シリーズは、
本当にいろいろなことを教わった気がする。
この本も彼らしい文章で小説についてひたすら考えていて、
それはいわゆる批評文とか全然違って
別に結論を導くための文章ではなくて
その過程において何かを捉えようとする感じで、
文中で自分の言ったことを否定することもしょっちゅう。
とても揺らぐ人なのです。

彼の考え方には自分はとても大きく影響を受けていて、
直接関わりを持った人を除けばおそらく一番に名前を挙げる。
彼の言葉を借りるならば、
「論理的な記述をしながら考えるのが哲学者で、
人間や風景を具体的に書きながら考えるのが小説家」で、
きっとその姿勢は自分にとってもすごく大切なこと。
正直この本に書かれているうちの良く言って半分も理解できていない気がするけれど、
それでも読んでしまう何かがあって、
それが何かは今のところ何とも言えないけど、
きっととても大切なことだと思うのです。

このシリーズが終わってしまったのは正直すごく寂しいけれど、
ついに小説を書き始めたらしいので、
それが出るのを楽しみに待ちます。
なかなか出ないだろうけど。

taz001 at 08:26|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

December 16, 2008

はじまるまえのしずかなひととき


一億三千万人のための小説教室 (岩波新書 新赤版 (786))
一億三千万人のための小説教室 (岩波新書 新赤版 (786))
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この本は「教室」というタイトルがついていながら
決して何か答えをわかりやすく与えてくれるようなものではない。
ましてやテクニックなんかについては全く書いてない。
(そもそも小説のテクニックとかには興味はないが。。。)

そうではなくてむしろ例えば小説を書くということは
いかに自分の感覚を研ぎ澄まして、オリジナリティだとか
個性だとかそういった目先のことにとらわれずに
世界と向き合うかということの重要性を教えてくれる。
コンセプトだとかわかりやすく伝わることにとらわれすぎてしまって
自分が普段感じていることだとかわかりやすく言えば日常というものに対する感度を
失わないための態度というか心構えというか。
記念すべき初期衝動に戻れ、って感じか。
もちろんこれはものを作るということに共通することであって、
ものを作るということは自分の中にあるものを表現するというよりも
自分というフィルターを通していかに世界が見えるかということを
かたちにすることである。
ましてや自分探しなどというものとは程遠い。

磯崎憲一郎が文藝賞をとったときに、

もうひとつは、小説という完成されたジャンルにおいては、
無理に新しさを求めてはならないのではないか?ということ。
−たとえばロックというのは、異常な速さで誕生から成熟・完成に至った音楽で、
一九五○年代半ばに誕生して六十八年から七十二年ごろには
ジャンルとして完成している。ならば小説というジャンルが
完成したのはいつごろなのか?と考えると、それはやはり
一九二○年代なのではないか。完成されたジャンルにおいては、
前衛的な要素はむしろ邪魔をする。小説にもともと内在する力に寄り添って、
その力に作者は身を任せなければならない。逆接的な言い方になるが、
無理に小説に新しさを求めないことこそが小説を再生し続ける、
ということなのかもしれない。

と言っていて、これはすごく大切なことで、芸術を個人の
自己表現の手段であると考えているひとにはなかなかわからないだろうけれど、
そのジャンルの持つ強度というか、例えば小説を小説たらしめているものを
突き詰めていったとき、それは一個人の主観を離れて
もっと別の次元へと向かうはずだ。

一人の人間というものはいろんなものが合わさって
「私」というものになっているわけで、それはひとつひとつの要素を
分解してまた組み合わせてもまた同じものができるというわけではなくて、
それを考えていくと「新しさ」とかそうゆうものとはもっと違った
創作の態度というのが存在するはずだと思う。
今それが何かを説明することはできないけれど、
きっとそれはものを作っていくプロセスにおいて見えてくるものなのだろう。






taz001 at 08:19|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

December 13, 2008

GO!NIPPON



Vig Summer Comes Again 1978 feat.FREEZ, Taboo1,DJ Shoe
/ Olive Oil

日本に帰る前になると、いろいろ欲しいものがあって
そわそわしてしまいます。
とりあえず最初に準備するのは欲しいものリストなのですが、
調べてみると日本語ラップのリリース量がハンパないっす!

とりあえずOLIVE OILのラップアルバムがめっちゃ楽しみ!
盟友FREEZとTAVをフィーチャーした曲は、いい感じで
肩の力が抜けてて今からヘビロテっす!
そしてクレジットを見ると最後の曲にYURAの名前が!
おそらく「seven seas voyage」以来彼の音源を聴いていないので
相当期待してしまいます!
スペシャとマイスペースの企画でK-BOMBがインタビュー
しているのですが、
相変わらずこの人やっばい!
完全にインタビューされてるOLIVE OILを食ってます。

http://jp.myspace.com/myxjp

てか若干たじろいでるし 笑
でもこの人もラップは間違いない。
NIPPSにフィーチャリングされた曲はPVも含めて
やばいです!
個人的にはThink Tankの「eat one」が一番きれてるとは思いますが。



God Bird feat.K-BOMB, DEV LERGE, XBS, GORE-TEX/ NIPPS

他にも韻踏のメンツのソロが色々出たり(特にAMIDAの
ソロはまじで楽しみ!)オーストラリアの獄中から
届けられたBIG JOEの新しいのとか、関西最後の大物といわれる
茂千代のファーストとか、SWANKY SWIPEのBESのやつも
ストリートインテリジェンス満載な感じでかっこよさげだし、
haiiroとmichitaのコラボも間違いないと思われます。

そして、キリコ!
RUMIをフィーチャーした曲はかなりはまってます!
でもここにアップすると友達減りそうなのでしませんが 笑

色々欲しいものはつきません!!


taz001 at 21:31|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

December 12, 2008

I need the sun

今週に入ってからいよいよ寒くなって、
ついに雪も降り出したけどあんまり積もんなくて
中途半端な感じっす。
そしてルームメイトがこの時期になぜかインドに
ヨガをやりに旅立ってしまったので、
しばらく一人暮らしをしているのですが、
やっぱり一人になると自分の性格上気が緩んでしまって、
いかに朝一秒でも長く布団の中にいるかを
考えるようになってきました。

しかし気がつけばあと1週間半で帰国。
インターン生活も3ヶ月を過ぎました。
ホント早い!
気が抜くと何もしないうちに終わってしまいそうなので
気をつけねば。
今のところスイスの山の中に木造の別荘を建てる計画を
ずっとやっていて、少しずつかたちになり始めて
なかなか充実しています。
この前はオフィスでインタビューがあって
これまでの状況なんかを聞かれて基本的にほめられたけど
給料は上がらず。 残念。。。
別に不満ではないけど貰えるもんは貰います!

日本が少しでも暖かいといいなー!

taz001 at 04:18|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

December 04, 2008

framing


luzern


週末に友達とLuzernへ。
今KKLでやっている杉本博司展へ。
以前にも東京で一度展覧会を見たことがあるというのもあって、
作品自体よりも展示されている空間との関係性に目がいく。
それぞれの展示室で一つのシリーズを見せていたのだけれど、
展示室に入ったときに感じるのは写真そのものよりも
そのフレームだった。
それぞれのシリーズにあわせてフレームの素材が変えられていて、
空間全体を見渡したときにそっちの方が強く印象に残った。
おそらくそのことによってより物質的な存在感に
意識的であろうとしたのだろう。
彼の作品のように、ひとつひとつを注視するよりも
何となく全体をぼんやりと見たほうが感じるものがあった。
展示室は悪くはないけどもう少し緊張感が欲しいかも。
ヌーベルらしい工業製品を使ったごちゃごちゃ感はあまり好きになれん。

その後Luzern出身の事務所の人と合流してプチツアーをしてもらったのだけれど、
意外といろいろあっておもしろかった。
今なんとなくスイスモダニズムが気になっているので、
いろいろ見れてよかった。
まだまだ勉強が足りません。

taz001 at 07:26|PermalinkComments(2)TrackBack(0)