April 29, 2010

Remembering


Wohnhaus Schwarzpark / Miller&Maranta
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昨日、この前まで勤めていた事務所のボスの講演会があったので
行ってきた。
このタイミングで客観的に話を聞ける機会があったのは
すごくよかったなあと思う。
自分がいかに彼らの考え方に影響を受けているのかが
あらためてよくわかった。

彼がしばしば口にする「ambivalence」という言葉に表されるように、
ひとつの建築の中にいろいろな要素が入っていて、
わりきれないものや、いわくいいがたさみたいなものを
どのようにして作り出すかというのが関心であり、
コルビュジェのようなマニフェスト的にはっきりしたものを
作るのではなくて、
(もちろん彼の建築は実際のところそれほど単純なものでは
ないのだけれど、)
そういった時代の流れに沿いつつも、
コンテクストによってそれが少しねじれたかたちで表れることで
建築がより厚みを持ったものになるのではという考え方だ。
そしてこの講演会の中でも言っていたけれど、
伝統的なものとモダンなものの間で何を作るか、
つまりは両方の要素を含みつつも
結果的にはどちらでもあって同時にどちらでもない、
言葉では定義しきれないものをいかにして
作るのかということだ。
こういった考え方はひとつひとつに個別解を出していかなければ
ならないからとてつもない労力を必要とするし、
その間に踏みとどまることは常にひとつひとつのことに対して
繊細に反応していく必要がある。

個人的に事務所の代表作になると思っているSt.Gotthardのホテルは、
既存の建築の上に増築をしているのだけれど、
いくつかのスターアーキテクトが古い部分と新しい部分の
コントラストを際立たせることでインパクトのあるものを
作ろうとしたのに対して、
そうではなくて開口の違いやテクスチャーの違いなど、
すごく微妙な差異だけれどよく見るときちんとした違いが見られるような、
とても繊細な操作を積み重ねて作られている。
(似たようなことはDavid ChipperfieldのNeues Museumでも感じた。)
このようにして保存をするのでもコントラストをつけるのでもなく、
今すでにあるものに対して敏感に反応していく姿勢は
ものすごく影響を受けたし、
「アイデア」や「コンセプト」というものを強調して、
メディアの反応をうかがうばかり建築そのものが持っている
原理的な要素をないがしろにしてしまっている人たちが多い中で、
決して有名になることはないにしろ、
とても有効な考え方であるように思う。

こういった膨大にも思える繊細な作業の積み重ねの末に、
今なおそこにあるべきかたちを作り出していくことが
できるのだと思う。


taz001 at 05:17│Comments(0)TrackBack(0)

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