シーズン6お疲れ様でした。9世代では初めまして、かもねぎなべです。SVでは初の最終1桁を獲ることができました
ようやくテラスタルに適応した(まだ1シーズンだから実際のところ真偽不明)構築ができ、第1のハードルを越えられたので構築記事を書きます。だいぶ大雑把な理屈で組んだので、あまり鵜呑みにせず読んでやってください
ポケモンってゲームは3匹ではどうしても選出枠が足りません。無意識でしたが7世代からずっとそれをテーマにポケモンやってたみたいで、今回は9世代やっていくうえで1つの解答を見つけられたと思います。7、8世代の偉大な先人達の考察のおかげ(9世代はそそられる記事が個人的にはまだなくてあんまり読めてません……老人ですみません)
くるくる回るパオジアンはかわいい。世界平和のためにもアイススピナー採用がオススメ
※毒菱や甘えるハバタクカミに薄いのですが、記事眺めてるといっぱいいるのでドオー入りも置いておきます。キノガッサ入りが余計辛くなりますが、こちらのほうが全体的に構築の隙は少ないとは思います

【コンセプト】
・攻め駒で受けのテラスを切り、そのまま強力な崩しを展開する
・クッションや受けを嵌め、行動保証や繰り出し回数に乏しい攻め駒の機能を奪う
・パオジアンとイーユイの両睨み
並びの見た目はだいぶ攻撃的。でも本質的には非サイクル志向の詰め構築で、主体的な守備(守るための攻め)を行う構築です
【構築経緯】
※長文注意
8世代では、攻防一体の耐久ポケモンを軸に受けと攻めの切り替えが行える構築(ダイマで擬似的に4匹選出してる状態にする構築)を得意としていました
これを形を変えて再構築するにあたって9世代ではその構築の強さの根幹を成す受け駒の性能が願望・ご都合にしかならず、サイクルを回すことも難しいため悩ましい日々を過ごしていました。受けに冷たい環境とはいえ、今まで培ってきたものを丸々捨ててしまっては勝てません。なので、あくまでも詰めの視点からの攻め構築を作ることにしました。環境読みとか器用なことはできないので
ダイマは受け有利システム、テラスは攻め有利システム。構築の核となる受けと攻めの切り替えを行うポケモン(擬似的な4匹目を生み出すポケモン)は攻め駒のほうが適しています。よって、試合の要所でテラスタルの耐性変化で受けを行える攻め駒を軸にすることにしました。これだと回りくどい表現で、単に9世代が始まる前に散々言われていたテラスの耐性変化+積みヤバくね?ってのを素直に利用しただけと言えばそうかもしれません。しかし、元々が受け志向の人間が攻めの考え方を扱うのは難しく、この受けを介した回りくどい解釈方法は腑に落ちました。実際、この言語化ができたことで自分のやりたいポケモンを掴み一気に勝ち始めました
その核となる攻め駒として、全抜きも狙いやすい剣舞パオジアンと身代わり瞑想痛み分けハバタクカミを採用。テラスの耐性変化による瞬間的な受けはサイクルを回すことに繋がるわけではなく、受けたら一気に太い勝ち筋に引き込むパワーが必要と考えました。核は2匹並べて使いたいので、①テラス依存にならないこと、②従来の受け志向構築の攻め駒の大切な役割であるストッパー・盤面の仕切り直し性能も担保されている、を満たすポケモンとなるとこの2匹以外に適任が思い付きませんでした
次に盤面作り・維持を行えるポケモンとして、十分な対面性能を持ち、ステロによる崩しの補助まで行えるディンルーを採用。また、この環境ではサイクルや撃ち合いの性能に乏しい攻め駒をクッションの働きで補って運用する並びも多いです。そのクッションを嵌めれば有利に試合を運べると考え、パオジアン受け筆頭のヘイラッシャやキョジオーンを意識して身代わり型で崩しも行えるようにしました。この3匹だけでは相手のパオジアン、イダイナキバ、カイリューあたりが面倒なので、初手偵察に投げやすくハバタクカミとの相性補完にも優れたゴツメ水ロトムも採用
ここからは諸説すぎる補完枠。このままではキノガッサに選出が歪むので、イーユイに弱いことが気になるもののスイーパー役割や簡易的な受け崩しも可能なスカーフサーフゴーを採用(全キノガッサがイーユイといたのでこれは失着)。最後は対面性能が高く、毒菱や特殊アタッカーを考慮しにくいところから処理できる鋼テラスのチョッキDSイダイナキバを採用
この6匹で重いのがイーユイ、ウルガモス、ハバタクカミ、ミミッキュなどで、これらを逆に起点にできれば強い構築になると考え、パオジアンを炎テラスとしました。テツノツツミも面倒なのでハイドロポンプを耐えるよう持ち物は命の珠ではなく黒い眼鏡とし構築ベースを完成。これで最終日に潜っていてイダイナキバを出した試合全部負けたので、途中からは毒菱マッチングしないしもう知らんって思いながらウインディに変更しました。正直、割り切ってる構築や型がままあります
【構築の構造】
構築の核(受け+攻め):



核の補助(盤面作り):



補完(役割の代替):



選出は不都合なポケモンがいなければ、初手にミトムorウインディ、裏にパオジアン+ハバタクカミを置いて、裏の攻め駒のどちらかを通しにいくことが多かったです
↓主な重いポケモン





etc毒菱や甘えるハバタクカミが環境に少なく感じたのでそこもだいぶ薄いです
【個体解説】
◆パオジアン(禍の剣・テラス炎)
意地張 159(28)-189(252+)-102(12)-#-87(12)-181(204)
@黒い眼鏡
地獄突き / アイススピナー / 不意討ち / 剣の舞
[配分意図]
A:特化
・HB特化水ロトムが剣舞地獄突きで確定1発
・意地HBハッサム(鉢巻悪テラス噛み砕く最高乱数以外耐え)がステロ+剣舞不意討ちで確定1発
・キノガッサのマッハパンチ耐えイーユイがステロ+剣舞不意討ちで乱数81.25%
・無振りテツノツツミがステロ+不意討ちで乱数1発50%、地獄突きが77.8%~(身代わり貼れないとこまで削れるから対面で不意討ち択圧倒的有利)
S:最速テツノドクガ抜き+2
HB:特化カイリューのテラス鉢巻神速最高乱数以外耐え
構築の核。サイクル参加のしにくさを差し置いても、高い素早さ+不意討ちでのストッパー性能が唯一無二の魅力となる攻め駒。剣の舞があることで切り返しから全抜きまで持っていける機会も多いチート。元々パオジアンはゴーストテラス信者でした。しかし炎テラスで構築単位で崩されやすいポケモンを返していく動きの強さ・安定感に気付き、テラスタル環境での自分に向いた戦い方を理解できました
技はスイーパーが技を外すわけにはいかないのでアイススピナー、相手を縛って倒す立ち回りに上振れは必要ないので地獄突き。上振れを狙わない制約と誓約を課すことで構築とプレイングを強めました。正直、地獄突きは噛み砕くのほうがヘイラッシャやキョジオーンを呼び込む時に運で突破する可能性ができていいと思います、ラウドボーンとかいないし。ただ、氷柱落としは100%勝てる試合を90%以下にしてしまうので個人的にはなし
初手に投げたり、相手にテラスを切らせたりする運用をする人が多いですが、この構築ではそういった立ち回りはしません。裏に置いて舞って破壊したり、初手ボルチェンから着地してミミッキュに向かって地獄突きを撃ったり、シンプルに崩し兼フィニッシャーです
◆ハバタクカミ(古代活性・テラス水)
臆病 161(244)-#-107(252)-156(4)-156(4)-171(4+)
@ブーストエナジー
ムーンフォース / 瞑想 / 身代わり / 痛み分け
[配分意図]
H:無振りモロバレルのヘドロ爆弾75%で身代わり耐え
・テツノツツミのハイドロポンプ89.1%で2発耐え
・無振りリククラゲの大地の力最高乱数以外身代わり耐え
・4振り水ロトムのボルトチェンジ身代わり確定耐え
・水テラス時に特化ミミッキュの珠じゃれ+影88.3%耐え
・特化パオジアンの鉢巻不意討ち87.5%耐え
・4振りディンルーの地震96.9%2発耐え
・水テラス時に無振りヘイラッシャのウェーブタックル25%(笑)で身代わりが残る(紙耐久乙)
S:最速ガブリアス抜き+1
ワンウエポンが美しい特殊の攻め駒。パオジアンやスカーフイーユイの上から動かないとストッパーにならないのでブースト持ち。水テラスでイーユイの炎技、キョジオーンの塩浸け+ヘビーボンバー、アーマーガアのアイアンヘッド、サーフゴーのゴールドラッシュなどを起点にできます。ワンウエポンで型が成立するのはある程度サーフゴーに耐性を持てる水テラスのおかげで、ムンフォ半減の受けやニンフィアを強引に突破しにいける痛み分けは最強の技でした。炎の舞も半減でうまくやればテツノドクガ(型次第)すらゴリ押せたりもするのでサブウエポンの必要性を感じませんでした
イーユイ環境にちゃんと刺さっていて強かったです。最高レート到達戦では相手のモロバレルが種爆弾撃ってきて、偉すぎるだろ……って困りながらなんとか勝てました。物理に安心できないのがこのポケモンの弱点ですが、それも炎や鋼テラスならモロバレル側は身代わりを割れない+割れないと負け直で、結局のところテラスタルは受け側が圧倒的に損をするシステムだと思ってます
◆ディンルー(禍の器・テラス水)
意地張 257(212)-146(20+)-147(20)-#-131(244)-67(12)
@食べ残し
地震 / カタストロフィ / 身代わり / ステルスロック
[配分意図]
H:16n+1
A:159-105(前期最終4位構築)のイーユイが地震で最低乱数以外落ち
B:水テラス時に無振りヘイラッシャのウェーブタックルを身代わりが95%で2発耐え
D:イーユイ意識でできるだけ高く
S:お気持ち程度のミラー意識
対面、崩し、サイクル、全てをこなせる数値馬鹿。イーユイ入りにパオジアンをメインに通したい時にステロを撒いたり、ヘイラッシャを苛めるのがメインの仕事。ジバコイルが一緒にいる際には少々立ち回りが面倒ですが、アナライズの補正も乗らず基本的には有利です。キョジオーンは身代わり型だと沼る、裏のカイリューと択になる、という問題があるので、崩し自体はハバタクカミかパオジアンで行います
存在感があるので、相手がどう突破したいのかを考えながらゲームプランを練るのが好きな自分にマッチしてました。このポケモンがいるだけでイーユイがフェアリーテラバを撃つためにミトムにテラスを切ってくれたりします
◆ウォッシュロトム(浮遊・テラス鋼)
図太い 157(252)-#-168(204+)-126(4)-133(44)-107(4)
@ゴツゴツメット
ハイドロポンプ / 放電 / ボルトチェンジ / 鬼火
[配分意図]
B:特化パオジアンの噛み砕く93.75%2発耐え、鉢巻悪テラス噛み砕く81.25%耐え
D:C198イーユイの眼鏡悪の波動最高乱数以外耐え、特化は68.75%耐え
※イーユイ側がどういう調整をしているかは不明ですが、D12振りで使っていた時に1発で死んだのがトラウマになり生存率をあげました
数値のわりに役割過剰気味な偵察役・潤滑油。パオジアン、カイリュー、地面に強めでいながらも特殊に弱くない貴重なポケモンで、いなければ構築が成立しないので地味ながらもめちゃくちゃ大切。体力が少しでも残っていればゴツメで神速地震カイリューのマルチスケイルを剥がしたり、地震カタストロフィしかないディンルーに倒されなかったりします。型バレしてない時は守るを誘発しやすいのも潤滑剤としてのメリット
この構築の弱点はこのポケモンの体力を温存しにくいことで、ここで削っちゃうと裏のパオジアンやべーよなって思いながらもディンルーやハバタクカミ・ミラーで居座らなきゃいけないことが多々ありました。もしこの構築を参考にしたい人がいるなら、その解決はキーになると思います
パオジアンには上振れしない制約がありましたがコイツは中指ではなく制約適応外なので放電。初手零度パオジアンを放電で麻痺らせた時はしっかりガッツポーズしてました
◆サーフゴー(黄金の体・テラスフェアリー)
臆病 177(116)-#-120(36)-173(172)-113(4)-139(180+)
@こだわりスカーフ
ゴールドラッシュ / シャドーボール / マジカルシャイン / トリック
[配分意図]
H:臆病ハバタクカミのシャドーボール最高乱数以外耐え
B:特化キノガッサの炎テラバースト最高乱数以外耐え、フェアリーテラス時に特化パオジアンの鉢巻氷柱落とし最高乱数以外耐え
S:最速テツノツツミ抜き+1
C:余り
イーユイ大量発生環境に適応しにくかった補完枠であり諸説枠。持っているスペックの高さを考えればサーフゴーでなくてはいけない枠ではあるようには感じますし、個人的にスカーフ型以外では選出できないポケモンなので、テラスタイプを何にするかが悩みです。今の環境だとスカーフは意外と警戒されにくくメガネや襷のハバタクカミを狩れたり、ディンルーに向かって意気揚々とフェアリーテラスしてくる眼鏡イーユイを後投げから返せたり、選出すれば何かしら強いことが多いポケモンでした
フェアリーテラスの意図はパオジアン入りへの選出を躊躇しなくてすむこと、悪技を持ったチオンジェンへの役割遂行意識でしたが、ウインディを投入した時点でパオジアンよりイーユイ意識に切り替えるべきだったと終わってから気付きました
◆ウインディ(威嚇・テラスノーマル)
意地張 175(76)-177(244+)-101(4)-#-101(4)-138(180)
@突撃チョッキ
フレアドライブ / インファイト / 神速 / ニトロチャージ
[配分意図]
S:1加速で最速ツツミ抜き
あとてきとー
夜中に急に思い付いて投入。キノガッサ+イーユイなど対面構築に仕事しやすく、ディンルーと合わせてパオジアンやイーユイをいなしたり、ハバタクカミやマスカーニャに強めだったり、神速+不意討ちのリーチが強い(?)などの理由からとりあえず採用。雰囲気採用だったわりに使い勝手自体は良かったのですが、調整を計算する時間がなかったのでもっとちゃんと使ってやる方法があったと思います。カイリューや受けに仕事できないのが明確なネックで、ニトロチャージはじゃれつくとかにしたほうが良かったかな、と
※下のレンタル使いたい人用
◆ドオー(貯水・テラス炎)
慎重 221(124)-108(100)-111(244)-#-137(36+)-41(4)
地震 / 毒突き / 欠伸 / ステルスロック
[配分意図]
A:HB特化チオンジェンの身代わりを毒突きで確定で壊す
HD:臆病ハバタクカミの眼鏡シャドーボールを確定で2発耐え
シーズン途中まで使っていた型。短期サイクルでは毒の強みを引き出しにくいので、後出しパオジアンを立ち回り次第で咎めることができ、積みエース達との相性もいい欠伸ステロ型。毒菱を回収したい=チオンジェン入りに出す機会があるので、最低限の起点回避用に毒突きを採用
【感想】
9世代かなり苦しみましたが、ようやくスタートラインに立てたかなと思います。自分はダイマに人より圧倒的に適応していたから勝てていただけで、もう二度と勝てないんじゃないかと不安に思ってましたが、そんなことはなかったみたいで一安心
僕は先人の考察が好きです。7世代では受け攻めスイッチ、毒みがまもサンダーの嵌めリレー展開を参考にそれを再解釈して構築を組んで結果を残せるようになりましたし、8世代ならサックーさんのファンでかなり影響を受けてます。彼らの感性は今もなお僕に根付き、形を変えながら今回の構築に繋がっています。世代が変わってもポケモンの本質はなかなか変わりません、そこがすてきなゲームだなと思います
ここまで読んでいただき、ありがとうございました
【結果】





コメント
コメント一覧 (2)
自分のパーティ構築の考え方の参考になりました。
ありがとうございます
そう言っていただけると書いた甲斐あるので嬉しいです