桜が咲く時期になると思い出す。 写真家のアラーキーと生け花作家の中川幸夫の展覧会が銀座一丁目の画廊で開催した事があった。
アラーキーは様々な「花」の写真を壁面全体に飾った。生け花の「花」を潰す意図が有ったのだろう。一方の中川幸夫は土に苔を被せ、桜の太い木を一本横たえる様にした。そしてKさんの庭から畳1枚分くらいの泥が付いた敷物を置いた。桜の木は葉と花が全て取られていた。ところが展覧会が始まって暫く経っていたので、「一輪の花」が咲いていた。彼は全ての「葉と花」が無い状態を見せたかったが桜が裏切った状態だった。
写真家は「花」を活けられない。生け花作家は「ある瞬間の時間」を持続できない。
私の記憶に中心にあるのは「一輪の中川幸夫の花」だ。
Yさんの話では初日のパーティで、みんな中川さんの所に集まり、ポツンとアラーキーが居たとの事。
Yさんが「たまには負けることも良いんじゃないか」とアラーキーに言ってやったとの事。
アラーキーと中川幸夫は規制の世界を根本からひっくり返そう戦っていた。Yさんがそんな二人をぶつけた企画だった。
勝ったのは「一輪の花」で二人とも負けたと私は思っている。何故なら今もその一輪の花の記憶だけが強く残っている。 高橋盛夫
アラーキーは様々な「花」の写真を壁面全体に飾った。生け花の「花」を潰す意図が有ったのだろう。一方の中川幸夫は土に苔を被せ、桜の太い木を一本横たえる様にした。そしてKさんの庭から畳1枚分くらいの泥が付いた敷物を置いた。桜の木は葉と花が全て取られていた。ところが展覧会が始まって暫く経っていたので、「一輪の花」が咲いていた。彼は全ての「葉と花」が無い状態を見せたかったが桜が裏切った状態だった。
写真家は「花」を活けられない。生け花作家は「ある瞬間の時間」を持続できない。
私の記憶に中心にあるのは「一輪の中川幸夫の花」だ。
Yさんの話では初日のパーティで、みんな中川さんの所に集まり、ポツンとアラーキーが居たとの事。
Yさんが「たまには負けることも良いんじゃないか」とアラーキーに言ってやったとの事。
アラーキーと中川幸夫は規制の世界を根本からひっくり返そう戦っていた。Yさんがそんな二人をぶつけた企画だった。
勝ったのは「一輪の花」で二人とも負けたと私は思っている。何故なら今もその一輪の花の記憶だけが強く残っている。 高橋盛夫