2007年05月20日

今の努力の延長にビジネスの成功があるのか?

両国さくらさんが関連記事で解決策を考えてくれました。ありがとうございます。
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先週は分刻みというか、折り重なって前のめりに倒れるようなスケジュールだったこともあり、風邪を引いてしまったようです。

私は大雑把に言うと、自分の手で作品や商品を仕上げる人のことをクリエイター、製造を委託する人をデザイナーとあいまいに使い分けています。

自分の手で商品を作って販売する場合、製造できる数には限界があり、年間の収入も数百万円レベルで頭打ちになります。
年商300万円未満(年収100万円未満)の生活できないクリエイターも少なくないようです。
これを打破するためにはクリエイターから作家となり、単価を上げていくしかないのですが、かなりの年月を要します。
貧しくても、苦しくても、いつかはバラ色の未来が待っているなら、その努力も報われるのでしょうが、どうなのでしょう・・・。
それで、このクリエイター(というより職人)の仕事では、どんなに長時間働いても、働いた時間に見合う収入を得るのは難しいかもしれません。

稼ごうと思えば長時間働くしかないし、ゆとりのある生活を送ろうと仕事量を減らせば収入が減るし、どちらにしろ仕事やお金の心配がつきまとう生活から抜け出せない、ような気がします。

※成功事例があればぜひ教えて欲しいと本気で思っています。

それで、生活できるようになろうと思うと、どこかの時点で、制作を外部委託する必要があるのではないかと考えます。
クリエイターからデザイナーに、ということかもしれません。

クリエイターが年商300万円年収100万円だとすると、製造を外部委託するデザイナーだと1人で年商1000万円年収300万円ぐらいにすることができます。
これで、どうにか都内に部屋を借りて、それなりの生活ができるのですが、ゆとりがあるわけではありません。
一人でがんばっても、おそらく1200万円とか1500万円あたりで壁があって、仕事が忙しくなりすぎて、ミスやトラブルが多くなったり、身体を壊してしまったりということがあるようです。

人を雇い、会社組織として、ビジネスとして仕事に取り組むようにならないと、稼ぎが安定しないし、お金や時間にゆとりが生まれてこないのです。

あちこちの製造業を見ても、社員が10人未満だと、やはり社長が猛烈にがんばらないと会社が維持できないようですが、
社長の代わりに会社をコントロールする番頭さんが育ち、社長の代わりに社員に指示を出してもらえるようになるころには、お金や時間に少しはゆとりがでるようです。

このあたりで売上げは5000万円から1億に近い金額になっていると思います。

さて、クリエイターの仕事の延長でどんなに苦労しても、すぐには生活は楽になりません。十分な利益が取れないので、自分自身の価値を低く感じ、下がっていくモチベーションを維持できなくなるかもしれません。

デザイナーとして製造を外部に出して、ある程度のロットで仕事をするようになっても、死ぬほど働かないと、売上げは維持できません。

↑このあたりまでは、自分の時間や労力を切り売りして稼いでいるので、働けなくなれば収入が無くなってしまいます。

私の考えでは、きちんと利益が生まれ続けるような『仕組み』を作ることが、ビジネスの最終目的だと思っています。
そしてそれは、クリエイターやデザイナーの仕事の延長にあるものではありません。

手作り商品を売って10万円稼ぐ方法の延長には、1千万円や1億円を売り上げる戦略や仕組みは生まれてこないのです。
ものづくりの技術の延長には、ビジネスの仕組みは生まれませんから、根本的に発想と仕事への取り組み方法を変えなくてはならないと思っています。

だから、クリエイター段階で小さな自尊心を満たすような成功体験があると、それにひきづられて「今の努力の延長に成功がある」と思い込むようになるのですが、それはビジネスの世界ではあてはまらないことが多いことを自覚しなくてはなりません。


「自分の手で作ったものを、気に入ってくれる人だけに買ってもらいたい」というのは、少女の夢(主婦の夢)としては素晴らしいと思うのですが、

自立して生活し家族を養う立場にいる人が、そんなことだけ言っていたら、私は信用できません。

逆に「既にお金に余裕があるから好きなことだけしたい」というのなら大賛成です。
この記事へのコメント
鈴木さん、それって本当に難しいのだと思います。

私自身、日本の「アパレルの仕入れ」というものにちょっと疑問を持っていますが、こだわり続けていくことを否定するものではありません。ただ、こだわったものがどのくらい世の中に「受け入れられるものなのか。」という点については、なんとも言えない。

所謂大きな企業が、どこで妥協をして、どの部分にこだわりを持ったのか、という点については、日産自動車とトヨタを比べてみれば歴然です。ただそれは、今の時点のみ、です。

「製造業」というもの事態に対する日本人の「こだわり」を何とかしたときに、ワーキングプーア的にがんばっている人が報われるのではないでしょうか?

これはあくまでもインスピレーション。なんら、解決法にはなっていませんが。
Posted by Ogawa at 2007年05月21日 00:36
しかしながら、
これは「ビジネスとしての成功」を目指した場合の考え方です。

私としては「作品を作り出す喜び」や「作り手としての満足」など、ビジネスでの成功以外を目指すなら、それでもOKだと思っています。
そういう選択でも本人が「納得」しているならそれが幸せだと思います。

自分で選択したわけではなく、製造業の仕組みの中に取り込まれてしまったことで、ワーキングプア的にがんばっている人には、私も報われることを期待します。
でも、趣味の延長みたいに仕事をすることを選択して、ワーキングプアになっている人には言うべき言葉が見つかりません。
Posted by 鈴木 at 2007年05月21日 08:16
鈴木村長、ご無沙汰しております。

このエントリを読んで、深く考えさせられました。

クリエーターさんやデザイナーさんが生計を立てる方法について、私も書いてみましたので、読んでください。
Posted by 両国さくら at 2007年05月22日 00:48
クリエイターでもデザイナーでも年収1千万を越えることも可能ですから、それはやり方次第だと思います。
デザビレに1年だけ居て家を買って卒業した人もいます。
売上げ10倍の人もいます。

「厳しいことは分かっているけれど、それを乗り越える」意欲があるかどうか、
さらに、その人の才能や経験の中で、何が「価値」になるか見極め、活かしていくことが成功のために必要なのだと思います。


Posted by 鈴木 at 2007年05月22日 08:31