2008年04月25日
宮本慎也の妄想力
今日のスワローズは日本一・ドラゴンズに粘り勝ちしました。パチパチパチ
決勝打を打ったのは宮本慎也さんなんですが、その前に、林昌勇!!
中日のクリーンアップを全く寄せ付けない三者三振。往年の快速球が蘇り、完全にスワローズの抑えに定着しています。サイドから154キロなんて投げられたら、打てるわけありません。
ここ数年、ヒジの故障で苦しんでいたそうですが、完全復活に高田監督は「ヒジなんでそろそろ治るころと思っていた」という発言をどこかで読みました。そうなんですね。肩とヒジは微妙に違うんでしょうか。勉強になります。
決勝打を打ったのは宮本慎也さんなんですが、その前に、林昌勇!!
中日のクリーンアップを全く寄せ付けない三者三振。往年の快速球が蘇り、完全にスワローズの抑えに定着しています。サイドから154キロなんて投げられたら、打てるわけありません。
ここ数年、ヒジの故障で苦しんでいたそうですが、完全復活に高田監督は「ヒジなんでそろそろ治るころと思っていた」という発言をどこかで読みました。そうなんですね。肩とヒジは微妙に違うんでしょうか。勉強になります。
●やっぱり慎也のショートは日本一
春先、併殺数から「宮本遊撃限界説」を唱えた私でありますが、実際に試合を見て安定感のある守備を見ていると「やっぱり遊撃は宮本でなきゃイカン」と思うのだ。宮本を見ていて凄いと思うのは悪送球をしない。非常に安定したスローイング技術を持っている。見ていると絶対に無理なプレーや雑なプレーはしない。どんな体勢でもノーバウンド、ワンバウンド、ツーバウンドの送球を使い分けて一塁手が獲りやすいボールを放る。当たり前のようでいてここまで完璧にやれる選手を見たことが無い。
もう一つ宮本の素晴らしさは、後ろに下がりながらの守備である。強い当たりに対して斜め後ろに走りながらボールを抑えるプレーが非常に多い。これは神宮の人工芝が変わったことにもよるのだろうが、内野安打になるにせよとにかくボールを止める。
●状況判断の素晴らしさ
どのポジションでもそうだと思うのだが、野球の守備の基本は「状況判断」だと思う。あらゆる状況から「どう守るか」という準備をしておけば、ずば抜けた身体能力は必要ない。
一言で状況と言っても要素は無数にある。点差、アウトカウント、ボールカウント、打者走者の打球方向、走力、投手との力関係、走者の有無、他の野手の守備位置、天候、送球を受ける選手の技術・・・。刻一刻と変化する状況の中で当然守り方は変化する。その判断を一瞬で下して、準備をする。実際に打球が飛んできたときに対処法を決断して、実行する。これが野球における「守備」だ。
実際のケースで考えてみると、私が見に行った阪神戦で宮本は関本のセンター前に抜けそうなあたりを横っ飛びで好捕して、ヒザをつきながらの送球でアウトにした。まず、守備位置なのだが、センターから右方向への打撃が目立つ関本に対して、センター方向を意識した守備位置を取っていた。これは飛んでくる前の判断。実際に打球が飛んできたときに宮本は例によって斜め後ろに走りながら好捕した。
この実際に飛んできたときの「感覚」の鋭さである。止めても内野安打になってしまえば元も子もない。どのくらい後ろに下がっても関本の脚との関係を計算して、ギリギリのプレーをしている。さらに、ヒザを突いて放る送球もワンバウンドでストライク。アウトに出来るギリギリの線でプレーをしているのだ。
矢野が放った三遊間を抜けそうな当りをツーバウンドで刺したプレーもあった。これもまた実際に飛んできたときに「どの程度下がっても刺せるか」「ワンバウンドで放るか、ツーバウンドで放るか」という状況判断を、打球が飛んできた瞬間から計算して、ギリギリの線で刺している。矢野の脚と自分の技術を天秤にかけて、アウトに出来る最善の選択肢を選んでいる。
●妄想力の賜物?
送球は技術であり経験で培った「職人技」と言えるだろうが、打球に対する判断能力は経験の部分と、「天性」の部分があるだろう。もちろん、努力で培った部分が強いと思うが。宮本の守備は技術とか身体能力ではなく「感覚」が優れているのだ。
こういう部分は多分、シャドーノックで培ったんじゃないかと思う。シャドーボクシングのように、打者とか走者とかがいる状況を想定して、こういうボールが飛んできたら、こう、こういう当りならこう・・・というのを延々と繰り返すトレーニングだ。実際に体を動かさなくてもイメージトレーニングでもやっておいた方がいいだろう。宮本の場合、その引き出しが多いことに加えて、初めて見た打者でもスイングを見るうちに、打球方向の傾向と感じ取れる能力もある。これはまさに野球の神様が宮本にだけ与えた特異な能力だと思う。
年々、進歩を遂げる打撃でも判断力の素晴らしさが光っている。宮本は来たボールを打てるほど器用な選手じゃない。ある程度決め打ちしてくるタイプで、今日の決勝打も朝倉のシュートに対して右方向におっつけるというイメージを持っていたから打てたヒットだった。
思うに、宮本は「妄想力」が人並みはずれてたくましいのだろう。
いや、別に宮本がアテネ五輪予選を前に石井弘寿に1万円渡して新宿まで成人向けのDVDを買いに行かせたから、そう思うって訳じゃないですけど・・・。
まぁ、しかし、あんなモンはある意味「妄想力」が無いと見てられませんわなあ。
なんか、思いっきり話が逸れてる感がありますが、恐らく宮本って選手はずっと頭の中で野球をし続けているんだと思う。試合が終われば「明日の先発は村中だから1番荒木は・・・」というのを繰り返しているんだろうと思う。
春先、併殺数から「宮本遊撃限界説」を唱えた私でありますが、実際に試合を見て安定感のある守備を見ていると「やっぱり遊撃は宮本でなきゃイカン」と思うのだ。宮本を見ていて凄いと思うのは悪送球をしない。非常に安定したスローイング技術を持っている。見ていると絶対に無理なプレーや雑なプレーはしない。どんな体勢でもノーバウンド、ワンバウンド、ツーバウンドの送球を使い分けて一塁手が獲りやすいボールを放る。当たり前のようでいてここまで完璧にやれる選手を見たことが無い。
もう一つ宮本の素晴らしさは、後ろに下がりながらの守備である。強い当たりに対して斜め後ろに走りながらボールを抑えるプレーが非常に多い。これは神宮の人工芝が変わったことにもよるのだろうが、内野安打になるにせよとにかくボールを止める。
●状況判断の素晴らしさ
どのポジションでもそうだと思うのだが、野球の守備の基本は「状況判断」だと思う。あらゆる状況から「どう守るか」という準備をしておけば、ずば抜けた身体能力は必要ない。
一言で状況と言っても要素は無数にある。点差、アウトカウント、ボールカウント、打者走者の打球方向、走力、投手との力関係、走者の有無、他の野手の守備位置、天候、送球を受ける選手の技術・・・。刻一刻と変化する状況の中で当然守り方は変化する。その判断を一瞬で下して、準備をする。実際に打球が飛んできたときに対処法を決断して、実行する。これが野球における「守備」だ。
実際のケースで考えてみると、私が見に行った阪神戦で宮本は関本のセンター前に抜けそうなあたりを横っ飛びで好捕して、ヒザをつきながらの送球でアウトにした。まず、守備位置なのだが、センターから右方向への打撃が目立つ関本に対して、センター方向を意識した守備位置を取っていた。これは飛んでくる前の判断。実際に打球が飛んできたときに宮本は例によって斜め後ろに走りながら好捕した。
この実際に飛んできたときの「感覚」の鋭さである。止めても内野安打になってしまえば元も子もない。どのくらい後ろに下がっても関本の脚との関係を計算して、ギリギリのプレーをしている。さらに、ヒザを突いて放る送球もワンバウンドでストライク。アウトに出来るギリギリの線でプレーをしているのだ。
矢野が放った三遊間を抜けそうな当りをツーバウンドで刺したプレーもあった。これもまた実際に飛んできたときに「どの程度下がっても刺せるか」「ワンバウンドで放るか、ツーバウンドで放るか」という状況判断を、打球が飛んできた瞬間から計算して、ギリギリの線で刺している。矢野の脚と自分の技術を天秤にかけて、アウトに出来る最善の選択肢を選んでいる。
●妄想力の賜物?
送球は技術であり経験で培った「職人技」と言えるだろうが、打球に対する判断能力は経験の部分と、「天性」の部分があるだろう。もちろん、努力で培った部分が強いと思うが。宮本の守備は技術とか身体能力ではなく「感覚」が優れているのだ。
こういう部分は多分、シャドーノックで培ったんじゃないかと思う。シャドーボクシングのように、打者とか走者とかがいる状況を想定して、こういうボールが飛んできたら、こう、こういう当りならこう・・・というのを延々と繰り返すトレーニングだ。実際に体を動かさなくてもイメージトレーニングでもやっておいた方がいいだろう。宮本の場合、その引き出しが多いことに加えて、初めて見た打者でもスイングを見るうちに、打球方向の傾向と感じ取れる能力もある。これはまさに野球の神様が宮本にだけ与えた特異な能力だと思う。
年々、進歩を遂げる打撃でも判断力の素晴らしさが光っている。宮本は来たボールを打てるほど器用な選手じゃない。ある程度決め打ちしてくるタイプで、今日の決勝打も朝倉のシュートに対して右方向におっつけるというイメージを持っていたから打てたヒットだった。
思うに、宮本は「妄想力」が人並みはずれてたくましいのだろう。
いや、別に宮本がアテネ五輪予選を前に石井弘寿に1万円渡して新宿まで成人向けのDVDを買いに行かせたから、そう思うって訳じゃないですけど・・・。
まぁ、しかし、あんなモンはある意味「妄想力」が無いと見てられませんわなあ。
なんか、思いっきり話が逸れてる感がありますが、恐らく宮本って選手はずっと頭の中で野球をし続けているんだと思う。試合が終われば「明日の先発は村中だから1番荒木は・・・」というのを繰り返しているんだろうと思う。
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この記事へのコメント
1. Posted by 匿名 2008年04月28日 15:47
昔、ダウンタウン?の番組で、
古田と宮本の勝負が順に女優の名前を言っていき
それを暗記するゲームをやっていたのですが、
二人とも記憶力が良すぎて勝負が延々と続き、
司会の浜ちゃん?が呆れていたのを見たことがあります。
ちなみに、宮本が挙げていた女優は全員AV女優でした(笑)
ゲッツーの数はセカンドの技量にも影響される気がします。
田中の成長しだいで今季の併殺数は増えてくるかもしれません。
古田と宮本の勝負が順に女優の名前を言っていき
それを暗記するゲームをやっていたのですが、
二人とも記憶力が良すぎて勝負が延々と続き、
司会の浜ちゃん?が呆れていたのを見たことがあります。
ちなみに、宮本が挙げていた女優は全員AV女優でした(笑)
ゲッツーの数はセカンドの技量にも影響される気がします。
田中の成長しだいで今季の併殺数は増えてくるかもしれません。
2. Posted by snowbees 2008年04月28日 17:49
宮本(慎也)選手といえば、日本シリーズのスワ対近鉄戦で、近鉄の攻撃中に、二塁走者をブロム投手との牽制球でアウトにして、危機を救っている。試合後のTV質問で、古田捕手が、「内野守備の指示は、すべて「慎也」が出している」と。引退選手では、巨人OBの川井内野手も、頭脳的プレイで魅せた。
3. Posted by 純正野球ファン 2008年04月30日 20:55
匿名様
そうそう、「美保純」ですよね(笑)。あの番組のイメージが強過ぎるんですよ、私には。
snoubees様
今の宮本には「現場監督」の風格があります。古田がマスクを被っている安心感は、今のスワローズは遊撃手から放たれているように感じます。そういう存在感は星野監督も高田監督も認めているんでしょう。北京での活躍が楽しみです。
そうそう、「美保純」ですよね(笑)。あの番組のイメージが強過ぎるんですよ、私には。
snoubees様
今の宮本には「現場監督」の風格があります。古田がマスクを被っている安心感は、今のスワローズは遊撃手から放たれているように感じます。そういう存在感は星野監督も高田監督も認めているんでしょう。北京での活躍が楽しみです。