2008年10月23日
ポストシーズンよもやま話
何だかんだでポストシーズンは面白いです。誰が何と言おうと、私はクライマックスシリーズ支持です。
●ライオンズ日本シリーズへ
パリーグはライオンズがシーズンの勢いそのままに豪快に打ち勝って日本シリーズ進出を決めました。ライオンズファンの皆様、おめでとうございます。
打力もさることながら、MVP涌井はさすがの投球を見せましたね。大量点に守られながらでしたが、きっちりと2勝を挙げてエースの面目躍如といったところでしょうか。北京予選、本番といい経験をして、短期決戦で力を出せるタイプとして、はっきりと野球ファンに位置づけられました。
私が「あ、こりゃ負けたな」って思ったのは、第4戦の初回、片岡に出塁を許して盗塁をされた場面ですね(生で観てなかったけど)。ノーアウトから盗塁を絡める攻撃ができるのは、片岡に対する絶大な信頼の現われ。さすがはパリーグ盗塁王です。ノーアウト二塁で栗山が送って、ナカジマが先制打という流れが西武にとって一番いい攻撃です。片岡は出塁イコール二塁に行かれると認識しなくちゃ行けない選手で、この選手を止める止めないで、クリーンアップ以降の迫力は全然変わってきますね。
持ち前の機動力に長打力を加えた渡辺久信型西武野球ってのは、魅力いっぱいであっぱれです。日本シリーズでもパリーグ代表として存分に力を発揮してくれるでしょう。心配は、またまた10日空いてしまう試合間隔でしょうか。
●ファイターズ、残念・・・
ダルビッシュの起用について議論があるところだと思いますが、私は妥当な判断だったと思いますけどね。涌井を避けて確実にダルビッシュで2勝を稼ぐというのは。また、初戦の大宮よりはある程度経験のある西武ドームの方が力が出たでしょう。
ダルビッシュが完封して次の試合は武田勝で目先を変えつつ、西武打線を崩すという作戦は半分成功しましたが、結果的にはもう一回ダルが登板する展開になりませんでした。グリンとスウィーニーは西武打線を抑えるには制球が甘過ぎました。残念ではありますが、まぁ実力って所でしょう。
来季に向けて欲を言えば打力の向上よりも、先発の柱をもう一本ほしいですね。ダルビッシュの7割くらいの安定感のある投手がもう一枚いれば、CSも違った展開が望めたかと思います。グリンは再生するんかねぇ。今季はさっぱりだった吉川光夫や八木智哉といった面々がローテを守るようになってもらいたいですね。
梨田監督も一年目で様子を見ながらという雰囲気もありましたが、来季以降も寛容な姿勢でファイターズをまとめていってもらいたいです。いつも明るく元気なファイターズの雰囲気は維持できたように感じるので、その点は良かったかな。あと、機動力を使うことにもうちょっと愚直になってもらいたいのですが。
●やっぱり先発投手が肝心。だから中日はまだまだ・・・
ここまでセリーグは5試合、パリーグは7試合で計12試合、ポストシーズンゲームが繰り広げられていますが、先制したチームが負けたのは今日の試合(巨人11−2中日)が初めて。まぁ、先制したといっても初回に森野のソロで先制して、その裏、小笠原の2ランで逆転されたわけですから、いわゆる「逆転ゲーム」というのは、1試合もない。
やっぱり先発投手の出来ってのは試合の7〜8割くらいを決めてしまいます。しかも、早目早目の投手交代でピンチの芽を断ち切る短期決戦の場合は尚更重要というわけです。
とうわけで、第1ステージを戦っている中日としては大事な序盤戦にエースを投入できない。エース川上は恐らく第3戦ということになるでしょう。さらには第1ステージで好投した吉見、今季対巨人防御率1・87のチェンが控える形となる。中日にしてみれば「4番手・5番手」で戦う2戦を1勝1敗で行けば御の字で、勝負のヤマはエース川上を立てる明日の第3戦ということとなるだろう。
逆にジャイアンツは並びで言えばグライシンガーの次は内海かと思いきや、上原を第2戦に持ってきた。ってことは、川上にはエース格の内海をぶつけていこうという腹だろう。となれば、落合監督は日曜日の阪神戦で4回60球しか放っていないチェンを第3戦に投入して、川上を中6日の万全な体調でつぎ込んで勝ちを獲りに行く可能性も十分ある。こうなれば両監督の駆け引きは非常に興味深い。
●何ともならないのか、ポストシーズン日程
ただ、釈然としないのが日程だ。セの第2ステージは6連戦の過酷日程で、日本シリーズまでは最短で中4日しかない。場合によってはセリーグのチームは日本シリーズの初戦にエースをつぎ込めない可能性もある。
メジャーとは随分様相が違う。メジャーの場合、レギュラーシーズンの終わりを決めていて、そこまでに終わるように途中で予備日とダブルヘッダーをフル活用する。ポストシーズンに突入しても、ローテーションはほぼ守られる。リーグ優勝戦を4−1とかで勝ち上がれば休養日は長くなるが、4−3で勝ち上がった場合、中一日とかでワールドシリーズに突入する。
日程的な面でリーグ間にアンフェアな事象は起こらないし、そもそも間隔が空いていないので、選手も観る方も「試合勘」が鈍っていない。
それに比べて日本の場合、いちいち間延びしてしまって、それがある種の「しらけ」を助長していないだろうか。
ならば、日本もメジャーのように出来ないのかと思ってしまうが、これは「不可能」と断言せざるを得ない。
もう、何度も書いているけど、メジャーの場合移動はチャーター機を活用する。ゲームが終わるとそのまま空港までバスで行って面倒なセキュリティチェックなしで、チャーター機に乗り込んで、夜通し飛んで次の遠征地に朝到着する。「チャーター機なんて何と贅沢な」と思うだろうが、米国は空港利用料も日本より安いだろうし、面倒なチケットの手配等の手間が省けて、選手もゆっくり休めるのであれば、むしろ民間機を活用するよりも「安上がり」なのではないだろうか。
一方、日本。民間機を使うから、例えば札幌でデーゲームを戦い、翌日は西武ドームで14時プレイボールとなれば、マッサージも程々に空港に行って、待ち時間があって、羽田に着いてまたまたバスに乗って立川かそこらのホテルに着くのはもう夜中11時かそこらだろう。それから寝て、翌朝にはやっぱり7時くらいには起床して球場に行かないと14時に間に合わない。吉井コーチ曰く「いつ寝るねん」というスケジュールだし、これで週に1回の移動日をなくしてしまうのはいくらなんでも不可能に近い。
かと言って「クライマックスシリーズ」を定着させるために打つべき手はあると思います。まず、セパの日程を合わせること。今年は大体一週間程度パリーグの日程が先行していた。そもそも、パリーグは公式戦を戦っているのに、セリーグはオープン戦を戦っているってのはいかにも変。セパの人気差は過去に比べてなくなっているとおもうから、セパ同時開幕を何とか実現させてほしい。
それからダブルヘッダーの活用。現在はダブルヘッダーを組むことに極めて消極的であり、今年も1度も無かった。調べてみるとダブルヘッダーは21世紀になってNPBでは一度も行われていないそうだ。出来ればダブルヘッダーは積極活用してもらいたい。が、問題は消化試合は大部分、神宮で行われることが多く、神宮は昼間は大学野球をやっているために、ダブルヘッダーを組むのが極めて難しいのが現状だ。
何とかならんもんだろうか。
それから、「弱気の日程」を見直してほしい。あまりに間隔が空きすぎて間延びするくらいなら、多少無理な日程を最初に組んでしまえばいいのだ。「もしもレギュラーシーズンがおわらなったら」ってこと過剰に意識している日程だと思うんですよねぇ。ダラダラと10月いっぱいかけてCSをやるより日程面を見直してほしいと思うことが多いです。
パリーグはライオンズがシーズンの勢いそのままに豪快に打ち勝って日本シリーズ進出を決めました。ライオンズファンの皆様、おめでとうございます。
打力もさることながら、MVP涌井はさすがの投球を見せましたね。大量点に守られながらでしたが、きっちりと2勝を挙げてエースの面目躍如といったところでしょうか。北京予選、本番といい経験をして、短期決戦で力を出せるタイプとして、はっきりと野球ファンに位置づけられました。
私が「あ、こりゃ負けたな」って思ったのは、第4戦の初回、片岡に出塁を許して盗塁をされた場面ですね(生で観てなかったけど)。ノーアウトから盗塁を絡める攻撃ができるのは、片岡に対する絶大な信頼の現われ。さすがはパリーグ盗塁王です。ノーアウト二塁で栗山が送って、ナカジマが先制打という流れが西武にとって一番いい攻撃です。片岡は出塁イコール二塁に行かれると認識しなくちゃ行けない選手で、この選手を止める止めないで、クリーンアップ以降の迫力は全然変わってきますね。
持ち前の機動力に長打力を加えた渡辺久信型西武野球ってのは、魅力いっぱいであっぱれです。日本シリーズでもパリーグ代表として存分に力を発揮してくれるでしょう。心配は、またまた10日空いてしまう試合間隔でしょうか。
●ファイターズ、残念・・・
ダルビッシュの起用について議論があるところだと思いますが、私は妥当な判断だったと思いますけどね。涌井を避けて確実にダルビッシュで2勝を稼ぐというのは。また、初戦の大宮よりはある程度経験のある西武ドームの方が力が出たでしょう。
ダルビッシュが完封して次の試合は武田勝で目先を変えつつ、西武打線を崩すという作戦は半分成功しましたが、結果的にはもう一回ダルが登板する展開になりませんでした。グリンとスウィーニーは西武打線を抑えるには制球が甘過ぎました。残念ではありますが、まぁ実力って所でしょう。
来季に向けて欲を言えば打力の向上よりも、先発の柱をもう一本ほしいですね。ダルビッシュの7割くらいの安定感のある投手がもう一枚いれば、CSも違った展開が望めたかと思います。グリンは再生するんかねぇ。今季はさっぱりだった吉川光夫や八木智哉といった面々がローテを守るようになってもらいたいですね。
梨田監督も一年目で様子を見ながらという雰囲気もありましたが、来季以降も寛容な姿勢でファイターズをまとめていってもらいたいです。いつも明るく元気なファイターズの雰囲気は維持できたように感じるので、その点は良かったかな。あと、機動力を使うことにもうちょっと愚直になってもらいたいのですが。
●やっぱり先発投手が肝心。だから中日はまだまだ・・・
ここまでセリーグは5試合、パリーグは7試合で計12試合、ポストシーズンゲームが繰り広げられていますが、先制したチームが負けたのは今日の試合(巨人11−2中日)が初めて。まぁ、先制したといっても初回に森野のソロで先制して、その裏、小笠原の2ランで逆転されたわけですから、いわゆる「逆転ゲーム」というのは、1試合もない。
やっぱり先発投手の出来ってのは試合の7〜8割くらいを決めてしまいます。しかも、早目早目の投手交代でピンチの芽を断ち切る短期決戦の場合は尚更重要というわけです。
とうわけで、第1ステージを戦っている中日としては大事な序盤戦にエースを投入できない。エース川上は恐らく第3戦ということになるでしょう。さらには第1ステージで好投した吉見、今季対巨人防御率1・87のチェンが控える形となる。中日にしてみれば「4番手・5番手」で戦う2戦を1勝1敗で行けば御の字で、勝負のヤマはエース川上を立てる明日の第3戦ということとなるだろう。
逆にジャイアンツは並びで言えばグライシンガーの次は内海かと思いきや、上原を第2戦に持ってきた。ってことは、川上にはエース格の内海をぶつけていこうという腹だろう。となれば、落合監督は日曜日の阪神戦で4回60球しか放っていないチェンを第3戦に投入して、川上を中6日の万全な体調でつぎ込んで勝ちを獲りに行く可能性も十分ある。こうなれば両監督の駆け引きは非常に興味深い。
●何ともならないのか、ポストシーズン日程
ただ、釈然としないのが日程だ。セの第2ステージは6連戦の過酷日程で、日本シリーズまでは最短で中4日しかない。場合によってはセリーグのチームは日本シリーズの初戦にエースをつぎ込めない可能性もある。
メジャーとは随分様相が違う。メジャーの場合、レギュラーシーズンの終わりを決めていて、そこまでに終わるように途中で予備日とダブルヘッダーをフル活用する。ポストシーズンに突入しても、ローテーションはほぼ守られる。リーグ優勝戦を4−1とかで勝ち上がれば休養日は長くなるが、4−3で勝ち上がった場合、中一日とかでワールドシリーズに突入する。
日程的な面でリーグ間にアンフェアな事象は起こらないし、そもそも間隔が空いていないので、選手も観る方も「試合勘」が鈍っていない。
それに比べて日本の場合、いちいち間延びしてしまって、それがある種の「しらけ」を助長していないだろうか。
ならば、日本もメジャーのように出来ないのかと思ってしまうが、これは「不可能」と断言せざるを得ない。
もう、何度も書いているけど、メジャーの場合移動はチャーター機を活用する。ゲームが終わるとそのまま空港までバスで行って面倒なセキュリティチェックなしで、チャーター機に乗り込んで、夜通し飛んで次の遠征地に朝到着する。「チャーター機なんて何と贅沢な」と思うだろうが、米国は空港利用料も日本より安いだろうし、面倒なチケットの手配等の手間が省けて、選手もゆっくり休めるのであれば、むしろ民間機を活用するよりも「安上がり」なのではないだろうか。
一方、日本。民間機を使うから、例えば札幌でデーゲームを戦い、翌日は西武ドームで14時プレイボールとなれば、マッサージも程々に空港に行って、待ち時間があって、羽田に着いてまたまたバスに乗って立川かそこらのホテルに着くのはもう夜中11時かそこらだろう。それから寝て、翌朝にはやっぱり7時くらいには起床して球場に行かないと14時に間に合わない。吉井コーチ曰く「いつ寝るねん」というスケジュールだし、これで週に1回の移動日をなくしてしまうのはいくらなんでも不可能に近い。
かと言って「クライマックスシリーズ」を定着させるために打つべき手はあると思います。まず、セパの日程を合わせること。今年は大体一週間程度パリーグの日程が先行していた。そもそも、パリーグは公式戦を戦っているのに、セリーグはオープン戦を戦っているってのはいかにも変。セパの人気差は過去に比べてなくなっているとおもうから、セパ同時開幕を何とか実現させてほしい。
それからダブルヘッダーの活用。現在はダブルヘッダーを組むことに極めて消極的であり、今年も1度も無かった。調べてみるとダブルヘッダーは21世紀になってNPBでは一度も行われていないそうだ。出来ればダブルヘッダーは積極活用してもらいたい。が、問題は消化試合は大部分、神宮で行われることが多く、神宮は昼間は大学野球をやっているために、ダブルヘッダーを組むのが極めて難しいのが現状だ。
何とかならんもんだろうか。
それから、「弱気の日程」を見直してほしい。あまりに間隔が空きすぎて間延びするくらいなら、多少無理な日程を最初に組んでしまえばいいのだ。「もしもレギュラーシーズンがおわらなったら」ってこと過剰に意識している日程だと思うんですよねぇ。ダラダラと10月いっぱいかけてCSをやるより日程面を見直してほしいと思うことが多いです。