2008年11月17日
ガンバレアジアシリーズ
アジアシリーズは埼玉西武ライオンズが優勝。何とか面目を保つことが出来ましたが、実力差は本当に年々接近してきているように感じます。
今回も西武は予選で韓国代表・SKワイバーンズに惜敗。そのSKが台湾代表の統一ライオンズにまさかの大敗。決勝は9回裏まで0対0で、最後は佐藤がサヨナラタイムリーという決着となりました。
がらがらのスタンドとは対照的に白熱の展開でした。
今回も西武は予選で韓国代表・SKワイバーンズに惜敗。そのSKが台湾代表の統一ライオンズにまさかの大敗。決勝は9回裏まで0対0で、最後は佐藤がサヨナラタイムリーという決着となりました。
がらがらのスタンドとは対照的に白熱の展開でした。
●石井義人のホームイン
サヨナラを決めたのは石井義人の好走塁でしたが、左中間の当たりを中堅手が破られずに抑えたものの、一塁走者の石井が一気に本塁を突くという決着。まるで、80年代の日本シリーズで辻が見せた好走塁の再現のような決着でした。
実は、西武と統一の予選を観戦していたのですが、遊撃手の「素人臭い」スローイングに疑問を持っていました。「台湾のレベルもこんなものかなぁ」という印象だったのですが、実は登録は投手と一塁手という選手だったそうです。急造の遊撃手だったために、カットプレーが不慣れだったのでしょう。
それにしても、西武の好走塁は「日本野球のきめ細かさ」をアジアに見せつけるものでした。二死一塁でサヨナラの場面では、外野手は間を破られないように守ります。その虚をついた走塁でした。打球が飛んだ瞬間に本塁突入の可能性を意識して、全力で走っていたからホームインできました。とんだ瞬間、「あ、抜けないな。三塁どまりだな」と決め付けていたら、ダメだったでしょう。
私もテレビで見ながら、「佐藤は二塁に行くかな?」なんて緩んだ気持ちで観ていました。統一の遊撃手も一瞬、打者走者の佐藤を見たのが命取りとなってしまいました。
●投手力が高い韓国、フルスイングの迫力の台湾
アジアシリーズは韓国、台湾の実力を測る絶好の機会。韓国は投手力では日本と完全に互角になり、一発勝負では決して油断を出来ない存在となっています。
ただ、その韓国を打ち砕いた台湾も見事でした。台湾野球は思い切りの良いスイング。韓国もそうですが、総じて日本のライバルは力強いスイングで試合を支配しようと試みます。緩いボールでかわそうとするSK投手陣を思い切りの良いスイングで打ち砕いた統一打線は見事でした。
韓国、台湾に対して日本がアドバンテージを持っているのはやはりスピードだなと感じました。片岡の盗塁技術などは全く異次元の世界でしょう。北京五輪の反省から打力を磨けという向きもあるでしょうが、接戦をモノにするのはやっぱり走塁による力が大きいと感じました。
もう一つは投手力ですね。涌井や岸といったピンポイントの制球力を持っている投手はまだまだ日本の力が上だと思いました。球威でねじ伏せるタイプは国際大会では通用しにくいですが、多彩な変化球と制球力で勝負するタイプだと日本の投手力はまだまだ捨てたものではないと思いました。
来年のWBCでは松坂、ダルビッシュが主力となるでしょうが、ダルは松坂を見習って、力一辺倒ではない投球術を披露してほしいものです。北京の反省から来年は一段と成長したダルビッシュが見られると期待しています。春先今ひとつですけど・・・。
●続けてほしい
4チームによる総当りのリーグ戦、上位2チームによる決勝ですから、わずか4試合の短期決戦。一発勝負の危険性がはらむアジアシリーズは、アジアナンバーワンを決めるにはやや不条理な日程のように感じますが、試合を行う価値は絶対にあると思います。
特に、韓国、台湾が100%本気でぶつかってきていて、この姿勢は大事にしたいし、日本もこういう姿勢で成長できる部分が大いにあると思います。日本シリーズの疲労も抜けていない時期に無理に行っている大会ですから、選手の間では不満もあるでしょう。しかし、そのなかで4連覇を達成し、面目を保ち続けている選手には敬意を表したい。
今年からメインスポンサーが撤退して、存続が危ぶまれているようですが、何とか続けてほしいものです。ただ、あのスタンドを見ると、ちょっと厳しいのかなあという印象も持ちます。
私自身、今まであまり注目してこなくっていかんなと反省もしています。第1回WBC決勝、メジャーリーガーはイチローと大塚の二人しか出場しない試合を満員で埋めた米国の観衆を忘れることは出来ません。「もうチケット買っちゃってたから」という人が多かったのかもしれませんけれども、あれを見せられると「米国は本当に野球好きなんだなあ」と痛感しました。
アジアシリーズのスタンドを見ていると、ちょっと寂しいです。来年も続けば再来年はドーム球場が完成する韓国でやる手もありますし、早いとこ来年のスポンサーを見つけてもらいたいです。
サヨナラを決めたのは石井義人の好走塁でしたが、左中間の当たりを中堅手が破られずに抑えたものの、一塁走者の石井が一気に本塁を突くという決着。まるで、80年代の日本シリーズで辻が見せた好走塁の再現のような決着でした。
実は、西武と統一の予選を観戦していたのですが、遊撃手の「素人臭い」スローイングに疑問を持っていました。「台湾のレベルもこんなものかなぁ」という印象だったのですが、実は登録は投手と一塁手という選手だったそうです。急造の遊撃手だったために、カットプレーが不慣れだったのでしょう。
それにしても、西武の好走塁は「日本野球のきめ細かさ」をアジアに見せつけるものでした。二死一塁でサヨナラの場面では、外野手は間を破られないように守ります。その虚をついた走塁でした。打球が飛んだ瞬間に本塁突入の可能性を意識して、全力で走っていたからホームインできました。とんだ瞬間、「あ、抜けないな。三塁どまりだな」と決め付けていたら、ダメだったでしょう。
私もテレビで見ながら、「佐藤は二塁に行くかな?」なんて緩んだ気持ちで観ていました。統一の遊撃手も一瞬、打者走者の佐藤を見たのが命取りとなってしまいました。
●投手力が高い韓国、フルスイングの迫力の台湾
アジアシリーズは韓国、台湾の実力を測る絶好の機会。韓国は投手力では日本と完全に互角になり、一発勝負では決して油断を出来ない存在となっています。
ただ、その韓国を打ち砕いた台湾も見事でした。台湾野球は思い切りの良いスイング。韓国もそうですが、総じて日本のライバルは力強いスイングで試合を支配しようと試みます。緩いボールでかわそうとするSK投手陣を思い切りの良いスイングで打ち砕いた統一打線は見事でした。
韓国、台湾に対して日本がアドバンテージを持っているのはやはりスピードだなと感じました。片岡の盗塁技術などは全く異次元の世界でしょう。北京五輪の反省から打力を磨けという向きもあるでしょうが、接戦をモノにするのはやっぱり走塁による力が大きいと感じました。
もう一つは投手力ですね。涌井や岸といったピンポイントの制球力を持っている投手はまだまだ日本の力が上だと思いました。球威でねじ伏せるタイプは国際大会では通用しにくいですが、多彩な変化球と制球力で勝負するタイプだと日本の投手力はまだまだ捨てたものではないと思いました。
来年のWBCでは松坂、ダルビッシュが主力となるでしょうが、ダルは松坂を見習って、力一辺倒ではない投球術を披露してほしいものです。北京の反省から来年は一段と成長したダルビッシュが見られると期待しています。春先今ひとつですけど・・・。
●続けてほしい
4チームによる総当りのリーグ戦、上位2チームによる決勝ですから、わずか4試合の短期決戦。一発勝負の危険性がはらむアジアシリーズは、アジアナンバーワンを決めるにはやや不条理な日程のように感じますが、試合を行う価値は絶対にあると思います。
特に、韓国、台湾が100%本気でぶつかってきていて、この姿勢は大事にしたいし、日本もこういう姿勢で成長できる部分が大いにあると思います。日本シリーズの疲労も抜けていない時期に無理に行っている大会ですから、選手の間では不満もあるでしょう。しかし、そのなかで4連覇を達成し、面目を保ち続けている選手には敬意を表したい。
今年からメインスポンサーが撤退して、存続が危ぶまれているようですが、何とか続けてほしいものです。ただ、あのスタンドを見ると、ちょっと厳しいのかなあという印象も持ちます。
私自身、今まであまり注目してこなくっていかんなと反省もしています。第1回WBC決勝、メジャーリーガーはイチローと大塚の二人しか出場しない試合を満員で埋めた米国の観衆を忘れることは出来ません。「もうチケット買っちゃってたから」という人が多かったのかもしれませんけれども、あれを見せられると「米国は本当に野球好きなんだなあ」と痛感しました。
アジアシリーズのスタンドを見ていると、ちょっと寂しいです。来年も続けば再来年はドーム球場が完成する韓国でやる手もありますし、早いとこ来年のスポンサーを見つけてもらいたいです。