2010年04月04日

興南初優勝

 沖縄の興南がセンバツで初優勝。

 沖縄勢は2年前の沖縄尚学の優勝に続いて3度目。

 もうすっかり「春将軍」であります。おめでとうございます。



 興南の我喜屋監督は就任3年目。この4月で4年目になるんでしょうか。これだけの短期間で「古豪」興南を復活させ、甲子園優勝監督になったのですから、この方は大変な名将といえるでしょう。

 北海道の大昭和製紙北海道で都市対抗優勝を経験し、監督もやった方で、あの駒大苫小牧の香田誉士史監督も、監督になったばかりの頃、教えを乞うたそうです。

 興南は沖縄尚学、沖縄水産と並ぶ「ビッグ3」を形成していましたが、低迷著しく、特に甲子園優勝を果たした尚学との差は歴然としていましたが、本当にわずか3年で再建したばかりでなく、全国で勝てるチームを作りました。

 リンクに貼った毎日のムラコソ君の記事にあるように、梅雨時に長靴を履かせて外でノックをやったという話は、駒苫が冬の間、凍ったグラウンドでノックをやるのと思想的に通じていますが、どうもこの記事によると、雪上ノックを指南したのも我喜屋監督のようです。

 環境の悪さを言い訳にさせないってのは、逞しい選手を育てる力となるのでしょう。この監督さんならば、沖縄県勢で初めての夏優勝もいつか成し遂げるかもしれません。

 このチームにとって宝は、やっぱりエースの島袋君でしょう。延長12回198球を投げ抜いて、それでも140キロ以上のストレートを連発できるのだから、これはもう立派なプロの器です。甲子園優勝というハクも着きましたし、上位で消える逸材かもしれません。

 173センチが大きいか小さいかは議論の分かれるところで、桑田だって174センチ、杉内だって175センチです。左でアレだけ強く腕が振れること。強い腕の振りで変化球を投げられるというのは、この投手の財産です。来年プロのマウンドで投じる姿が見たいです。


 一方、決勝で負けた日大三ですが、完全アウェーの中、見事に戦いました。三高と言えば夏に強い、豪打というイメージですが、春に勝ち進んだことは自信となるでしょう。全く、ここは毎年レベルの高いチームを作ります。

 ただ、延長に入って小倉全由監督は動きすぎた気もします。力のある投手が複数いるってのも考えもんだなぁ、と。これはあらゆるレベルでいえることですが、試合の渦中(ランナーがいたり、ピンチだったり)でのシート変更、ピッチャー交代ってのは結構難しいものです。精神的にも少なからず動揺します。このパターンで成功したチームというのは、95年夏の帝京、所謂「ホンケシラキホンケシラキ・・・」くらいしか記憶がありません。

 プロでもイニング頭よりもイニング途中、それもランナーがいる場面でのリリーフの方がはるかに難しいのですが、力のある選手が多くいるとどうしても動いてしまうんでしょうかね。帝京の前田監督もそういう傾向がありますが。

 

ted9aoki23 at 13:38│Comments(2)TrackBack(0) 高校野球 | ドラフト候補評

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この記事へのコメント

1. Posted by まぐろ   2010年04月05日 20:54
いやぁ〜興南素晴らしかったですね。島袋君の粘り強いピッチングと繋がりのある打線は優勝するべくしてしたチームでした。

個人的には自宅の近所の東海大相模にも頑張って欲しかったけど…
戦い方が荒かったのと秋からの伸びしろがなかったのが残念でした。
2. Posted by 純正野球ファン   2010年04月13日 21:19
 島袋はプロに行くべきですね。素晴らしい内容でした。

 東海大相模はなんか「いつでも勝てる」とタカ括っているうちに負けるという、ある意味関東らしい戦い方でした。一ニ三は調子悪かったですね。注目されて伸びないってのは、ちょっと評価を下げたかもしれません。

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