2010年04月28日
備えあれば
現在、8勝23敗という記録的なペースでどん底をひた走るハムですが、27日に見事なプレーが出ました。
ライトゴロです。
私は鈍足選手だったんで少年野球でよくやられました・・・。プロではなかなかお目にかかれないプレー。それも、1点差の8回2死二塁という場面で出ました。こういう場面でライトゴロは、ちょっと覚えておいたほうがいいかもしれません。
ライトゴロです。
私は鈍足選手だったんで少年野球でよくやられました・・・。プロではなかなかお目にかかれないプレー。それも、1点差の8回2死二塁という場面で出ました。こういう場面でライトゴロは、ちょっと覚えておいたほうがいいかもしれません。
毎日新聞の夕刊に詳しく状況が書かれていますので、そのまま貼り付けます。
リプレー:プロ野球・日本ハム−オリックス 日本ハム・稲葉篤紀 初の「右ゴロ」 ◆稲葉篤紀(日本ハム)
▽プロ野球・日本ハム−オリックス=27日・札幌ドーム
プロ16年目のベテランにして、初めての体験だった。右前に達した当たりを素早く処理して打者を一塁で刺す、「ライトゴロ」だ。
日本ハムが1−0のリードで迎えた八回表、オリックスが2死二塁の同点機を作った。打席に入った代打・塩崎は、プロ14年で通算34本塁打と長距離砲ではない巧打者タイプ。日本ハムベンチはリードを守ろうと、二遊間をせばめ、右翼と左翼には前進守備を指示した。
塩崎は2球目を流し打ち、打球は一、二塁間を破った。二塁走者・後藤は打球の強さと稲葉の強肩から三塁でストップ。しかし、捕球した稲葉は本塁への送球など考えず、迷わず一塁に投げた。
「こう来たら、こう投げようと決めていた」
一方、塩崎は安打を確信したのか、稲葉が本塁へ投げることも想定してファウルゾーンにふくらみながら走り、一塁への到着が遅れた。結果、楽々アウト。安打を1本損した塩崎は肩を落とし、狙い通りのプレーを決めた稲葉は、何度もガッツポーズを作りながら、ダッグアウトへ駆け戻った。
「二塁走者は見ていなかった。(一塁手の高橋)信二といつも話しているし、よく捕ってくれた」と稲葉。試合はそのまま1−0で終了。
打率2割8厘と打撃は不振の稲葉だが、このプレーが復調のきっかけとなるか。【飯山太郎】
。。。。。。。
いい記事ですね。こういう滅多にないプレーが実は周到な準備の下に行われていることがよくわかります。
野球は「間」のスポーツとよく言います。一球一球、考えながらプレーすることの出来ます。これは同時に見る側にもその猶予が与えられているという、誠に幸せなスポーツです。
この場面の稲葉の素晴らしいのは、「こう来たら、こう投げようと決めていた」というところ。稲葉は多分、自分のところに飛んでくる打球のパターンをいくつか想定しておかなければなりません。自分なりに考えてみると、
●普通のゴロが来たら本塁に送球する。その場合、カットマンがカットできるように、低い送球を心がける。
●二死なのでフライならばとにかく捕る。
●強い当たりが来たらライトゴロを狙う。
とまぁ、こんな所でしょうか。もちろんアウトカウントで状況は変わってきますし、この場面でももっといろいろなことを考えているかもしれません。
いずれにしても、二死なので二塁走者は打球が飛んだらとにかくスタートするので、当たりによってはライトゴロの方が確率が高いというくらいに考えていたかもしれません。
これは多分別の記事で読んだのですが、稲葉は二死満塁でもライトゴロを常に狙っているそうです。この場合、一塁で封殺すれば得点は認められませんからね。ビッグプレーです。
いずれにしても「決めていた」ということが重要なのです。「覚悟に勝る決断なし」とは野村克也語録の代表作ですが、稲葉は野村門下生。野村ヤクルトで「守り方」の基本を叩き込まれたのだと思います。守備はあらゆる打球を想定して、一つ一つ決めておいて、決めたとおりに迷わずプレーすることが重要です。飛んできてからアレコレ考えているようでは、思い通りのプレーはできません。
このプレーの素晴らしいのは、稲葉の状況判断もさることながら、それを実践する技術です。稲葉は実はあまり肩が強くありません。遠投は80メートルか90メートルくらいという話を聞いたことがあります。
その代わり、稲葉には捕ってから送球までのスピードが恐らく日本一速く、正確です。この技術があるからこそ、稲葉は思い切ったプレーが出来るのです。
これは、必見の技術でして、稲葉は普段からカットマンへの送球をいい加減にはやりません。普段から、こういうことのために準備というか、練習は怠らない選手なのです。
そういう意味では、このライトゴロは必然で、誰でも出来るプレーじゃないんですね。
もうひとつ見逃せないのは、一塁手の高橋信二の動きです。
本来、一塁手はカットマンですから、本塁とライト稲葉と一直線になるように位置しなければなりません。せっかく稲葉がライトゴロを狙っても、一塁手がその意図を共有していないと出来ないプレーということになります。
その意味でこのファインプレーは稲葉と高橋信二の両方のファインプレーです。コメントの中で高橋信二へのねぎらいというか、気遣いを忘れないのもまた、稲葉らしいと思います。
リプレー:プロ野球・日本ハム−オリックス 日本ハム・稲葉篤紀 初の「右ゴロ」 ◆稲葉篤紀(日本ハム)
▽プロ野球・日本ハム−オリックス=27日・札幌ドーム
プロ16年目のベテランにして、初めての体験だった。右前に達した当たりを素早く処理して打者を一塁で刺す、「ライトゴロ」だ。
日本ハムが1−0のリードで迎えた八回表、オリックスが2死二塁の同点機を作った。打席に入った代打・塩崎は、プロ14年で通算34本塁打と長距離砲ではない巧打者タイプ。日本ハムベンチはリードを守ろうと、二遊間をせばめ、右翼と左翼には前進守備を指示した。
塩崎は2球目を流し打ち、打球は一、二塁間を破った。二塁走者・後藤は打球の強さと稲葉の強肩から三塁でストップ。しかし、捕球した稲葉は本塁への送球など考えず、迷わず一塁に投げた。
「こう来たら、こう投げようと決めていた」
一方、塩崎は安打を確信したのか、稲葉が本塁へ投げることも想定してファウルゾーンにふくらみながら走り、一塁への到着が遅れた。結果、楽々アウト。安打を1本損した塩崎は肩を落とし、狙い通りのプレーを決めた稲葉は、何度もガッツポーズを作りながら、ダッグアウトへ駆け戻った。
「二塁走者は見ていなかった。(一塁手の高橋)信二といつも話しているし、よく捕ってくれた」と稲葉。試合はそのまま1−0で終了。
打率2割8厘と打撃は不振の稲葉だが、このプレーが復調のきっかけとなるか。【飯山太郎】
。。。。。。。
いい記事ですね。こういう滅多にないプレーが実は周到な準備の下に行われていることがよくわかります。
野球は「間」のスポーツとよく言います。一球一球、考えながらプレーすることの出来ます。これは同時に見る側にもその猶予が与えられているという、誠に幸せなスポーツです。
この場面の稲葉の素晴らしいのは、「こう来たら、こう投げようと決めていた」というところ。稲葉は多分、自分のところに飛んでくる打球のパターンをいくつか想定しておかなければなりません。自分なりに考えてみると、
●普通のゴロが来たら本塁に送球する。その場合、カットマンがカットできるように、低い送球を心がける。
●二死なのでフライならばとにかく捕る。
●強い当たりが来たらライトゴロを狙う。
とまぁ、こんな所でしょうか。もちろんアウトカウントで状況は変わってきますし、この場面でももっといろいろなことを考えているかもしれません。
いずれにしても、二死なので二塁走者は打球が飛んだらとにかくスタートするので、当たりによってはライトゴロの方が確率が高いというくらいに考えていたかもしれません。
これは多分別の記事で読んだのですが、稲葉は二死満塁でもライトゴロを常に狙っているそうです。この場合、一塁で封殺すれば得点は認められませんからね。ビッグプレーです。
いずれにしても「決めていた」ということが重要なのです。「覚悟に勝る決断なし」とは野村克也語録の代表作ですが、稲葉は野村門下生。野村ヤクルトで「守り方」の基本を叩き込まれたのだと思います。守備はあらゆる打球を想定して、一つ一つ決めておいて、決めたとおりに迷わずプレーすることが重要です。飛んできてからアレコレ考えているようでは、思い通りのプレーはできません。
このプレーの素晴らしいのは、稲葉の状況判断もさることながら、それを実践する技術です。稲葉は実はあまり肩が強くありません。遠投は80メートルか90メートルくらいという話を聞いたことがあります。
その代わり、稲葉には捕ってから送球までのスピードが恐らく日本一速く、正確です。この技術があるからこそ、稲葉は思い切ったプレーが出来るのです。
これは、必見の技術でして、稲葉は普段からカットマンへの送球をいい加減にはやりません。普段から、こういうことのために準備というか、練習は怠らない選手なのです。
そういう意味では、このライトゴロは必然で、誰でも出来るプレーじゃないんですね。
もうひとつ見逃せないのは、一塁手の高橋信二の動きです。
本来、一塁手はカットマンですから、本塁とライト稲葉と一直線になるように位置しなければなりません。せっかく稲葉がライトゴロを狙っても、一塁手がその意図を共有していないと出来ないプレーということになります。
その意味でこのファインプレーは稲葉と高橋信二の両方のファインプレーです。コメントの中で高橋信二へのねぎらいというか、気遣いを忘れないのもまた、稲葉らしいと思います。
トラックバックURL
この記事へのコメント
1. Posted by やま 2010年04月29日 11:36
このプレー ハムっぽくて好きでした。去年も開幕3連敗のあと、トリプルプレーから勝ちはじめたのですが、今年は、昨日…。続きませんでしたね。
稲葉もさることながら、このプレーは信二もよくやったと思います。以前、ひちょりも同様のことを狙ったのですが、その時の一塁手 幸雄さんは一塁カバーに入ておらず(通常のカットマンの動き)、できなかったそうです。
週末はダル・勝を見てきます。うーん、また帆足にやられるのかな。
ちなみに、このライトゴロ、知り合いも 少年野球ではよくみるねと言ってました。
稲葉もさることながら、このプレーは信二もよくやったと思います。以前、ひちょりも同様のことを狙ったのですが、その時の一塁手 幸雄さんは一塁カバーに入ておらず(通常のカットマンの動き)、できなかったそうです。
週末はダル・勝を見てきます。うーん、また帆足にやられるのかな。
ちなみに、このライトゴロ、知り合いも 少年野球ではよくみるねと言ってました。
2. Posted by 純正野球ファン 2010年04月30日 07:09
やま様
わしは大人になって右打ちの名手となったので、いまだに草野球で人知れずライトゴロの恐怖と戦っています。
しかしー、アンタ凄いはまりようだね。まさかあなたから野球の話を教えてもらう時代が来るとは思ってもいませんでしたよ。
まぁ、まだギリギリ立ち直れると思います。連打、連勝が出ればなぁ。
わしは大人になって右打ちの名手となったので、いまだに草野球で人知れずライトゴロの恐怖と戦っています。
しかしー、アンタ凄いはまりようだね。まさかあなたから野球の話を教えてもらう時代が来るとは思ってもいませんでしたよ。
まぁ、まだギリギリ立ち直れると思います。連打、連勝が出ればなぁ。