2010年12月27日
大学ラグビー4強出揃う
秩父宮と瑞穂で行われた大学選手権2回戦。およそ順当な結果だったでしょう。
準決勝は好カードが並びました。
明治充実
明治は対抗戦2位の流通経済と対戦。少しはもつれるかと思いましたが、実力差は歴然としたものがありました。
明治は選手権に向けてバックスを積極的に使った攻撃を活用し始めました。FW一辺倒では勝てないという判断でしょうし、それは正しい選択だと思います。チーム全体が「大学日本一」に向かって結束している印象で、チーム状態も非常にいいように感じました。
流通経済との決定的な違いはFWの「低さ」。最初のトライをとった場面が象徴的でした。流経ゴール前での流経ボールのラインアウト。流経はボールをキープしましたが、その後のモールで明治が低く結束して、文字通り流経FWを「粉砕」。ターンオーバーしたボールを逆サイドまで一気に運んで、ウイングがトライ。明治のFWはパワーに加えて、低さとか勤勉さといった要素を兼ね備えていました。
何度もイーブンボールをキープするプレーがありましたし、精神的にもとても充実しているように感じました。対抗戦では早稲田に完敗しましたが、選手権準決勝は対抗戦とは違ったスタイルで早稲田に挑戦することでしょう。この勝敗の行方は全くわかりません。早稲田も出来は良さそうです。カギは明治は接点で早稲田に負けないでいいボールをバックスに供給すること、早稲田はラインアウトで明治を崩したいところです。
帝京蹂躙
帝京と慶応の一戦は驚くほど大差で帝京が勝ちました。早稲田に勝利し、期待を集めた慶應でしたが、前年王者の圧力に完敗しました。
帝京のキックオフで慶応がミスをして、慶應陣22メートルライン付近のラインアウト。帝京はボールをキープすると、FWで一気にゴールラインに迫りました。赤いジャージがひと塊りになって慶應ゴールラインに迫る光景は、息をのむ迫力でした。何とかこらえた慶應でしたが、その後のゴール前スクラムで反則を連発。平林レフリーはペナルティトライを宣しました。
対抗戦ではさほどひどい押され方をしなかった慶應でしたが、序盤にペナルティトライを取られたことで、スクラムでの駆け引きが封印されてしまいました。帝京と「しっかり組む」ことを余儀なくされ、何度もスクラムで崩されました。これは機微に触れるレフリングですが、見てる側としては不毛な組み直しは見たくないんで、平林さんは結構勇気あるレフリングだったと思います。とにかく、帝京はスクラムで圧倒的な優位性を試合を通して発揮し続けました。
もうひとつ、象徴だったのは帝京の接点。慶應にいい球出しを全くさせないばかりか、何度もターンオーバーから好機を生み出しました。この集中力が凄かった。相手ボールが取れそうな接点で一気に人数をかける。取れない接点では人数をかけない。その結果、試合を通じて感じたのは、「帝京と慶応は同じ人数なのか?」ということでした。それくらい帝京は一人ひとりの強さが発揮されました。加えてラインアウトも帝京が有利に運び、まさに慶應を蹂躙しました。
帝京は完全に昨年の強さを取り戻したように感じました。準決勝は昨年決勝で1点差で勝った東海との再戦。東海は優勝候補筆頭ですが、チーム状態はどうも上向いていない模様。この1週間でかなり気合いを入れないと、帝京の赤い壁を破るのは難しい気がします。
いずれにしても1月2日は
12:15 帝京対東海
14:00 早稲田対明治
という好カードが並びました。伝統校同士の再戦(対抗戦)と、新興校同士の再戦(昨年の決勝)。因縁もてんこ盛りで、かつ勝敗の行方は全くわからない2試合が並んだ準決勝ってのは、最近あったかなぁ?
混戦の大学選手権を象徴する2試合が並んで、非常に楽しみにしています。
ted9aoki23 at 18:42│Comments(0)│TrackBack(0)│