2011年10月06日

ラグビーワールドカップ準々決勝ざっとプレビュー

 ラグビーワールドカップはいよいよ週末、クォーターファイナルです。

 緊張の週末です。

アイルランド(5位)−ウェールズ(6位)

 予選でオーストラリアに勝ったアイルランドがウェールズと対戦。アイルランドは今大会、絶好調です。

「It's now or never!!」

 アイルランドのキャプテンブライアン・オドリスコルは豪州戦前に意気込みをこう語った。「勝つなら今しかない!」ということでもあり、「今勝てなければ、一生ワールドカップで勝てない」ということだろう。

 実際、アイルランドは脂が乗りまくっている。ダーシー&オドリスコルのセンター陣はセンター陣としては世界最多の出場試合数を誇る。加えてSOにはベテランのローラン・オガーラが入り、このオガーラのキックで着実に加点。強いFWがプレッシャーをかけてキックで加点する。すきあらば一気に展開し、トライをとってくる。このスタイルが見事にチーム内に浸透しています。「過去最強」と言ってもいいかもしれません。

 一方、ウェールズは若いSOを起用し、一発にかける。現状、アイルランド有利に見えますが、ウェールズも手の内を知り尽くしているので、油断は出来ません。やはり、FW戦のところでアイルランドがどこまで優位に立てるかが一つの見所でしょうか。

イングランド(4位)−フランス(8位)
 
 イングランドは苦しみながらプール戦を1位で通過。ワールドカップになると強さを発揮するイングランド。今大会はどうも世代交代の過渡期にあるようですが、それでも勝負強さは相変わらず。不気味な存在です。

 不気味といえばフランスはもっと不気味。何せ4年前、カーディフでオールブラックスを沈めたあの試合を世界中のラグビーファンは忘れてはいない。ゆえに「フランスのことは誰もわからない」と言われる。

 この試合は非常に退屈かつ、興味深い試合になるでしょう。フランスは気まぐれな出来が伝統(?)。今大会は全くいいところが無くトンガに敗れただけに逆にわかりません。常識で言えばイングランドが有利だと思いますが。

 とにかく、キックで敵陣に入ってお互い慎重にペナルティを犯さぬように相手の隙を探りあう試合となるでしょう。ここばかりは全く分かりません。

南アフリカ(2位)−オーストラリア(3位)
 
 優勝候補の一角と目されながらアイルランドに完敗した豪州。クエイド・クーパーという若くて才気あふれるSOをスターにする大会だったはずが、そのクーパーが不調。果たしてこのままクーパーを起用し続けるのか、非常に注目が集まります。また、けが人が多いのも豪州の難点。自慢のバックス陣に故障者が続出し、誰かが戻ると、誰かが怪我をするという状態です。

 一方、前回王者の南アフリカ。ウェールズに1点差、サモアに7点差という僅差で勝ってプール1位を勝ち取りました。今回のボクスは史上類を見ないベテラン集団。前回優勝メンバーが11人も準々決勝の舞台に立つという。15人のキャップ数は過去最大だという。
 
 この若手とベテランの対決。私は南アフリカが不気味な存在としてクローズアップされそうな気がする。ただ、前回、豪州は世代交代に失敗してベスト8で敗れた。大胆な世代交代が勝つか、ベテランの経験値が勝つか。試合は終盤接戦となれば、南アフリカの足が止まるので、序盤から確実にリードを築いておきたいところ。

NZ(1位)−アルゼンチン(8位)

 優勝候補筆頭のNZに緊急事態発生! 世界一にゲームメーカー、ダン・カーターが故障でチームを離脱したのだ。このオールブラックスのタクトを誰に任せるのか、国を挙げての大議論のようだ。第2SOに選出したコリン・スレイドを起用すべきだという声もあれば、本来はSHであるベテランのピリ・ウィップーを起用したらいいんじゃないかとか、果ては本来FBのイズラエル・ダグをSOで使ってはどうかという議論もある。

 確かに、ダグはランニングスキルのあふれた選手で、ダグを起用して99キャップを誇るミルズ・ムリアイナをFBで使うってのははまれば面白いのかもしれない。
 
 混迷の原因はコリン・スレイドの出来がいまひとつな点にある。さらに、アルゼンチンはスレイドの出来を試せるほど柔な相手ではない。

 アルゼンチンはイングランドに惜敗したものの、スコットランドに競り勝った。粘り強いディフェンスと、多彩なキックでゲームを組み立ててくる面白い存在だ。前回大会ほどの強さは無いが、オールブラックスの歯車が狂えば、アルゼンチンにもチャンスはあるだろう。

 NZとしては序盤からランニングスキルで圧倒して、ゲームを優位に運びたいところ。試合が終わっていればSO問題に区切りがついていれば良いのだが・・・

ted9aoki23 at 22:30│Comments(0)TrackBack(0) RWC2011 

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