2012年02月12日

ソフトボーイ・大嶋匠の実力

 春のキャンプ始まっていますが、一番の注目はやっぱり早稲田大学ソフトボール部出身の日本ハムファイターズ・大嶋匠でしょう。

 「どこまで通用するか?」興味が尽きない選手です。

●Think Different!!

 
 まさしく大嶋の獲得は発想の転換です。人材難の捕手。打てる捕手となると希少価値が高まる中、ソフトボールに人材を求めたファイターズの発想は見事です。通用するしないではなく、チャンスを与えることが素晴らしい。

 もちろん、プロを目指した大嶋とその関係者も偉い。本人をその気にさせ、挑戦させた発想も見事です。これは、恐らくソフトボールのプライドなんでしょうね。

 男子のソフトボールの世界ってすごいですよ。スピードは体感で160キロくらいあるはずです。ボールも野球ボールよりも遥かに重い。そんな世界で「毎試合本塁打を打っていた」「空振りをした記憶がほとんど無い」・・・ソフトボールの世界で大嶋は破格のプレーヤーだったことが想像できます。

 それでも野球とは勝手が違うはず。だが、大嶋にはプロ野球でも十分通用する技術を持っています。

●小さなテークバックで飛ばせる

 
 ソフトと野球の最大の違いはボールのスピード。野球のように大きく足を上げてタイミングを取る打ち方では間に合わないため、ソフトのバッティングはテークバックを極力小さく、コンパクトに打ちます。野球界でも「ソフト打ち」を実践している選手がいます。まず、中日の中田亮二。かれはグリップが自分の体から捕手よりに出ないで打ちます。弓矢の原理でグリップを後ろに引けば引くほど、バットを当てるときに反発力を得られて遠くに飛ばせるのですが、一方でミートが難しくなるという欠点があります。

 バッティングの出来はこのテークバック→トップ(一番引ききった状態)の形をいかに作るかにかかっており、いい打者というのは素晴らしいトップの形を持っている。

 大嶋もこの技術がソフトボールで先天的に備わっており、加えて破格のパワーでこの小さなトップでも遠くに飛ばせる。この一点を見れば、大嶋は野球界でも数少ないパワーヒッターの要素を持っていると言える。

 似たような打ち方をする選手はT岡田と中田翔。いずれも破格のパワーヒッターである。特に中田のタイミングの取り方は大嶋にとって非常に参考になるはずである。

●課題は明白

 
 ただ、野球に慣れるにはまだまだかかるだろう。まずは横の変化球。ソフトボールには無いカープ、スライダーへの対応は結構時間がかかるのではないか。野球経験豊富な選手でも戸惑うわけだから、大嶋の戸惑いは大きいだろう。フォーク、チェンジアップ系統はソフトでもある球種なだけに、こういったタテ変化にはどの程度対応できるのかも見てみたいところだ。

 ただ、直球への対応だけをみれば、紅白戦で明らかになったように一軍クラスと言っていい。ただ、それだけでは生き残れない世界。3年くらいの長い目で見ていきたいと思う。そもそも、ソフトから野球に移るのだけでも大変な挑戦なのだ。出会いがしらの一発はあっても、安定した結果を残すのは並大抵ではないと覚悟したい。

 もう一つの問題は守備位置だ。現時点では捕手としての練習をつんでいるようだが、将来も捕手として育てるのだろうか。それでは覚えることが多すぎるのではないか。大嶋も魅力は何と言っても打撃だ。早く打撃に専念できるよう、内外野の適性も試してもいいのではないだろうか。
 

ted9aoki23 at 07:29│Comments(0)TrackBack(0) ハム愛好日記 | NPB2012

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