2012年02月22日
ダルの穴
いよいよダルビッシュも海の向こうでキャンプインしました。
ファイターズはダルビッシュの穴が埋るかなとつらつら考えていたら、ファイターズの編成が非常に面白いことに改めて気づきました。
ファイターズはダルビッシュの穴が埋るかなとつらつら考えていたら、ファイターズの編成が非常に面白いことに改めて気づきました。
●支配下は64人
ファイターズの編成はユニークだ。人件費を節約するために支配下登録選手を極力絞っている。全部で64人。育成選手は制度創設以来一人も獲得していない。現在、12球団で育成選手を置いていないのはファイターズだけだ。
ファイターズの考え方は「選手は実戦でしか育たない」というもの。一軍、二軍あわせても60人強くらいの選手以上も置いていても、実戦経験をつませることは出来ないからだ。もちろん、故障者が続出すると二軍で選手が足りなくなることはままある。が、そんなことに構っていては、チーム編成の哲学は貫徹できない。ファイターズはここが徹底している。
他球団で故障者を育成に切り替えるケースがあるが、これは制度が悪用されているのではないだろうか。その他、70人枠の問題とかいろいろあるんだが、ここでは置く。
とにかく、ファイターズの「少数精鋭主義」が私は大好きだ。
●投手陣は先発とブルペンを完全に分ける
投手陣は先発とブルペンを調整法から何から完全に分けているように思える。先発でうまくいかないからリリーフに回すとか、リリーフで成功したから、先発に挑戦させるというケースもほとんどない。最近だと武田勝くらいだが、彼はリリーフ専門というより、ロングリリーバーの役回りだった。
一軍で言えば先発タイプを5人、リリーバーを5人、敗戦処理・ロングリリーフを1〜2人置くのが基本編成で、最後の1〜2人が先発に定着するかリリーフに定着するかを調整させる。
去年で言えば
先発がダル、武田勝、ケッペル、ウルフ、斎藤佑
リリーフが武田久、増井、宮西、榊原、石井、谷元
便利屋的扱いが多田野ということになる。
先発とブルペンは性格から何から異なるように思える。先発投手は基本的にマイペースで、球種がある程度あって、一点、二点取られても淡々と試合を作れるタイプ。武田勝が典型だろう。
リリーフは球種が少なくても三振の取れる変化球があって、短い時間に集中力を発揮できるタイプということになる。というわけでファイターズのリリーバーは特にタイプが似ているのが集まってくることになる。アマチュア時代からこの基準で選手を探して、リリーフとして獲得して、使うことを徹底している。他球団から獲得した石井、根本も同じようなタイプだ。別にブルペンは「多彩」である必要が無い。同じようなタイプが何人も居るほうが心強いということだろう。
2年前にブルペンとして獲得したウルフだったが、ブルペンでは泣かず飛ばずだった。が、先発としての適性を吉井さんが見抜いて先発としてトレーニングしなおした。結果、終盤先発で結果を出し、去年は先発で26試150イニングスを投げて12勝を挙げた。スローカーブを気楽に投げられる先発が合ったということだろう。吉井コーチのファインプレーだ。
●ダルビッシュの穴とは?
ダルビッシュの穴とはつまり232イニングという回数を誰が投げるかということに尽きる。昨年、200イニング以上投げた投手はダルビッシュ、田中マー、マエケン、ネルソン、バリントン、能見、沢村の7人しか居ない。200イニング投げるという波及効果を考えると、ブルペンが休めるなど計り知れない。
さて、これを誰が埋めるかというと、先発3人、ブルペン2人くらいで埋めるしかない。先発で言うと、武田、ケッペル、ウルフは去年の数字が一杯一杯だろうから、まずは4人目の斎藤に期待をかけるしかない。斎藤は19試合で107回。せめて25試合先発の150イニングスを投げてほしい。これであと180回くらい。あと先発で期待は八木、矢貫、糸数、多田野あたりが名前が挙がる。
私の期待は新人の森内だ。キャンプで二軍から一軍に昇格した。ボールに力があって、年齢的にも26歳。追い込まれてプロに入れた喜びとガッツがある。JR東日本東北で摂津といういいお手本がいたことも大きいだろう。時間をかけてプロとの距離を詰めていった先輩が、プロで一気に開花したことが自信にもなっているんじゃないだろうか。去年、都市対抗で完全試合の離れ業を演じてプロに入ったことにも強運さを感じる。
ブルペンではこれはもう何と言っても乾と榎下の二年目コンビだろう。去年のブルペン陣はフル回転した。勝ち試合で使えるブルペンにこの二人が入ってくれば、例えば増井や宮西が疲れきったときに思い切って10日間登録抹消して、リフレッシュさせることが出来る。
いずれにしてもダルビッシュの穴は一人では埋らない。調子のいい選手を見極めて、一軍と二軍の往来を激しくすることでしか埋らないと思う。私はその点、吉井さんに全幅の信頼を置いている。吉井さんの起用の好きなところは先発で好投しても投球機会がないとあっさり二軍に落とす。変に一軍に置いて使わないくらいならばということだ。同じことはブルペンにも言えて、一軍にあげても投球機会がないとあっさり下に落とす。
投手のコンディションを一年間保つのは結構難しいということを知り抜いているのだろう。
今年はダルビッシュの分、忙しくなると吉井さんは名護で作戦を練っていることだろう。もう、とにかく楽しみだ。
ファイターズの編成はユニークだ。人件費を節約するために支配下登録選手を極力絞っている。全部で64人。育成選手は制度創設以来一人も獲得していない。現在、12球団で育成選手を置いていないのはファイターズだけだ。
ファイターズの考え方は「選手は実戦でしか育たない」というもの。一軍、二軍あわせても60人強くらいの選手以上も置いていても、実戦経験をつませることは出来ないからだ。もちろん、故障者が続出すると二軍で選手が足りなくなることはままある。が、そんなことに構っていては、チーム編成の哲学は貫徹できない。ファイターズはここが徹底している。
他球団で故障者を育成に切り替えるケースがあるが、これは制度が悪用されているのではないだろうか。その他、70人枠の問題とかいろいろあるんだが、ここでは置く。
とにかく、ファイターズの「少数精鋭主義」が私は大好きだ。
●投手陣は先発とブルペンを完全に分ける
投手陣は先発とブルペンを調整法から何から完全に分けているように思える。先発でうまくいかないからリリーフに回すとか、リリーフで成功したから、先発に挑戦させるというケースもほとんどない。最近だと武田勝くらいだが、彼はリリーフ専門というより、ロングリリーバーの役回りだった。
一軍で言えば先発タイプを5人、リリーバーを5人、敗戦処理・ロングリリーフを1〜2人置くのが基本編成で、最後の1〜2人が先発に定着するかリリーフに定着するかを調整させる。
去年で言えば
先発がダル、武田勝、ケッペル、ウルフ、斎藤佑
リリーフが武田久、増井、宮西、榊原、石井、谷元
便利屋的扱いが多田野ということになる。
先発とブルペンは性格から何から異なるように思える。先発投手は基本的にマイペースで、球種がある程度あって、一点、二点取られても淡々と試合を作れるタイプ。武田勝が典型だろう。
リリーフは球種が少なくても三振の取れる変化球があって、短い時間に集中力を発揮できるタイプということになる。というわけでファイターズのリリーバーは特にタイプが似ているのが集まってくることになる。アマチュア時代からこの基準で選手を探して、リリーフとして獲得して、使うことを徹底している。他球団から獲得した石井、根本も同じようなタイプだ。別にブルペンは「多彩」である必要が無い。同じようなタイプが何人も居るほうが心強いということだろう。
2年前にブルペンとして獲得したウルフだったが、ブルペンでは泣かず飛ばずだった。が、先発としての適性を吉井さんが見抜いて先発としてトレーニングしなおした。結果、終盤先発で結果を出し、去年は先発で26試150イニングスを投げて12勝を挙げた。スローカーブを気楽に投げられる先発が合ったということだろう。吉井コーチのファインプレーだ。
●ダルビッシュの穴とは?
ダルビッシュの穴とはつまり232イニングという回数を誰が投げるかということに尽きる。昨年、200イニング以上投げた投手はダルビッシュ、田中マー、マエケン、ネルソン、バリントン、能見、沢村の7人しか居ない。200イニング投げるという波及効果を考えると、ブルペンが休めるなど計り知れない。
さて、これを誰が埋めるかというと、先発3人、ブルペン2人くらいで埋めるしかない。先発で言うと、武田、ケッペル、ウルフは去年の数字が一杯一杯だろうから、まずは4人目の斎藤に期待をかけるしかない。斎藤は19試合で107回。せめて25試合先発の150イニングスを投げてほしい。これであと180回くらい。あと先発で期待は八木、矢貫、糸数、多田野あたりが名前が挙がる。
私の期待は新人の森内だ。キャンプで二軍から一軍に昇格した。ボールに力があって、年齢的にも26歳。追い込まれてプロに入れた喜びとガッツがある。JR東日本東北で摂津といういいお手本がいたことも大きいだろう。時間をかけてプロとの距離を詰めていった先輩が、プロで一気に開花したことが自信にもなっているんじゃないだろうか。去年、都市対抗で完全試合の離れ業を演じてプロに入ったことにも強運さを感じる。
ブルペンではこれはもう何と言っても乾と榎下の二年目コンビだろう。去年のブルペン陣はフル回転した。勝ち試合で使えるブルペンにこの二人が入ってくれば、例えば増井や宮西が疲れきったときに思い切って10日間登録抹消して、リフレッシュさせることが出来る。
いずれにしてもダルビッシュの穴は一人では埋らない。調子のいい選手を見極めて、一軍と二軍の往来を激しくすることでしか埋らないと思う。私はその点、吉井さんに全幅の信頼を置いている。吉井さんの起用の好きなところは先発で好投しても投球機会がないとあっさり二軍に落とす。変に一軍に置いて使わないくらいならばということだ。同じことはブルペンにも言えて、一軍にあげても投球機会がないとあっさり下に落とす。
投手のコンディションを一年間保つのは結構難しいということを知り抜いているのだろう。
今年はダルビッシュの分、忙しくなると吉井さんは名護で作戦を練っていることだろう。もう、とにかく楽しみだ。