2012年03月10日
日本選手権準決勝は明日!
いよいよ日本ラグビーもあと3試合となりました。
明日は国立競技場でサントリーVS東芝、花園でパナソニックVSNECが行われます。まぁ、パナの決勝進出は堅いでしょうが、サントリーと東芝の「府中ダービー」は楽しみな対戦です。
明日は3月11日。その意味でも楽しみです。
明日は国立競技場でサントリーVS東芝、花園でパナソニックVSNECが行われます。まぁ、パナの決勝進出は堅いでしょうが、サントリーと東芝の「府中ダービー」は楽しみな対戦です。
明日は3月11日。その意味でも楽しみです。
●被災地の思いを背負って戦う大野と畠山
東芝のLO大野均。福島県郡山市出身。大野の歩みは非常にユニークで、高校まで野球部で、大学からラグビーをはじめ、それも日大理工学部という東北の小さなクラブ。それでも、薫田に見初められて東芝に入って、日本代表でも欠かせないプレーヤーになった。1試合で5キロ痩せるという運動量、激しいプレーが持ち味で、黙々と仕事をする姿は、復興へ言葉少なく耐え忍ぶ東北の人々の気質に重なる。
大野の実家は農家だそうだ。農家の手伝いで養った屈強な身体が大野の支えで、放射能の影響で苦しんでいる故郷を思って明日は人一倍激しいプレーをするだろう。きっと特別な思いがあるはずだ。
一方、サントリーのタイトヘッド・畠山健介は宮城県気仙沼市出身。実家は津波で流された。がれきのなかから奇跡的に日本代表のジャージが見つかったという。
畠山は日本代表でも不動のタイトヘッドプロップで、スクラムの強さとフィールドプレーの上手さを兼ね備えている。まさに、日本一のプロップだ。畠山も被災地を背負っている。これも特別な思いで明日戦うだろう。
この二人のプレーを見られるだけでも、もう楽しみで仕方ない。私なりの3月11日の過ごし方は、彼らのプレーを応援することで、被災地への思いを彼らに託したい。
二人には被災した人々、亡くなった人々、今も苦しい生活を余儀なくされている人々の魂を鎮める、まさに鎮魂のラグビーをやってほしい。
●試合の流れは?
東芝はラウンドロビンでサントリーに勝った。今季、サントリーに唯一の黒星をつけたのが東芝だった。
東芝が勝てた要因はトップリーグのチームで唯一サントリーを「攻め倒す」ことが出来たからだ。明日も当然、自陣から積極的にボールを繋いで攻めてくるだろう。6番ベイツ、7番リーチ、8番豊田の三列が攻撃力の中心。特にベイツがたくさんボールを持って、ゲインを切る展開になると、東芝の攻めはリズムが出てくる。
攻撃力ならばサントリーも強烈だ。SHデュプレアを中心に縦横無尽に攻め続けるサントリーの攻撃を東芝がどこまで食い止めることが出来るかが、まず焦点だろう。東芝はまず密集周辺での守備でサントリーのリズムを狂わせたい。ただ、これがなかなか難しい。というわけで、どっちがボールをキープするかが大切になってくる。
●キックオフという処女地
ラグビーのセットプレーというとスクラム、ラインアウト、キックオフなのだが、スクラム、ラインアウトに比べてキックオフはあまり注目されにくい。ただ、サントリーと戦うときはキックオフが極めて重要と考えている。
ラグビーのキックオフは点を取られた側が敵陣に向かって蹴る。ということは、キックオフで相手にボールを渡してしまう可能性が極めて大きい。サントリーのように(これは東芝もそうだが)キックでボールを相手に渡すことをめったにしないチームと対戦する場合、キックオフでむざむざ相手のボールを渡してしまうことは出来るだけ避けたい。
通常、22メートルライン付近まで蹴りこんで相手を敵陣深くに押し込める形が一般的だが、自らボールをキープするためには逆サイドに蹴ったり、浅く蹴って競り合ったり(大野の見せ場)することになる。
ボールキープの意識が極めて強い両チームにとって、リスクを取っても浅く蹴るか、深く蹴るか、どこにどのように蹴るか、この準備がとても大切だ。この試合に向けてどのような準備をしてきたか図る絶好の試金石がキックオフというわけだ。というわけで、試合開始早々から注目したいところ。
ところで、ラグビーのキックオフはボールを地面にバウンドさせてから上がってきたところを蹴るドロップで蹴るから、普通に蹴るよりボールコントロールが難しく、高く蹴り上げることは相当難しい。これは、ルールとしてはよく出来ているなと関心するところです。
東芝のLO大野均。福島県郡山市出身。大野の歩みは非常にユニークで、高校まで野球部で、大学からラグビーをはじめ、それも日大理工学部という東北の小さなクラブ。それでも、薫田に見初められて東芝に入って、日本代表でも欠かせないプレーヤーになった。1試合で5キロ痩せるという運動量、激しいプレーが持ち味で、黙々と仕事をする姿は、復興へ言葉少なく耐え忍ぶ東北の人々の気質に重なる。
大野の実家は農家だそうだ。農家の手伝いで養った屈強な身体が大野の支えで、放射能の影響で苦しんでいる故郷を思って明日は人一倍激しいプレーをするだろう。きっと特別な思いがあるはずだ。
一方、サントリーのタイトヘッド・畠山健介は宮城県気仙沼市出身。実家は津波で流された。がれきのなかから奇跡的に日本代表のジャージが見つかったという。
畠山は日本代表でも不動のタイトヘッドプロップで、スクラムの強さとフィールドプレーの上手さを兼ね備えている。まさに、日本一のプロップだ。畠山も被災地を背負っている。これも特別な思いで明日戦うだろう。
この二人のプレーを見られるだけでも、もう楽しみで仕方ない。私なりの3月11日の過ごし方は、彼らのプレーを応援することで、被災地への思いを彼らに託したい。
二人には被災した人々、亡くなった人々、今も苦しい生活を余儀なくされている人々の魂を鎮める、まさに鎮魂のラグビーをやってほしい。
●試合の流れは?
東芝はラウンドロビンでサントリーに勝った。今季、サントリーに唯一の黒星をつけたのが東芝だった。
東芝が勝てた要因はトップリーグのチームで唯一サントリーを「攻め倒す」ことが出来たからだ。明日も当然、自陣から積極的にボールを繋いで攻めてくるだろう。6番ベイツ、7番リーチ、8番豊田の三列が攻撃力の中心。特にベイツがたくさんボールを持って、ゲインを切る展開になると、東芝の攻めはリズムが出てくる。
攻撃力ならばサントリーも強烈だ。SHデュプレアを中心に縦横無尽に攻め続けるサントリーの攻撃を東芝がどこまで食い止めることが出来るかが、まず焦点だろう。東芝はまず密集周辺での守備でサントリーのリズムを狂わせたい。ただ、これがなかなか難しい。というわけで、どっちがボールをキープするかが大切になってくる。
●キックオフという処女地
ラグビーのセットプレーというとスクラム、ラインアウト、キックオフなのだが、スクラム、ラインアウトに比べてキックオフはあまり注目されにくい。ただ、サントリーと戦うときはキックオフが極めて重要と考えている。
ラグビーのキックオフは点を取られた側が敵陣に向かって蹴る。ということは、キックオフで相手にボールを渡してしまう可能性が極めて大きい。サントリーのように(これは東芝もそうだが)キックでボールを相手に渡すことをめったにしないチームと対戦する場合、キックオフでむざむざ相手のボールを渡してしまうことは出来るだけ避けたい。
通常、22メートルライン付近まで蹴りこんで相手を敵陣深くに押し込める形が一般的だが、自らボールをキープするためには逆サイドに蹴ったり、浅く蹴って競り合ったり(大野の見せ場)することになる。
ボールキープの意識が極めて強い両チームにとって、リスクを取っても浅く蹴るか、深く蹴るか、どこにどのように蹴るか、この準備がとても大切だ。この試合に向けてどのような準備をしてきたか図る絶好の試金石がキックオフというわけだ。というわけで、試合開始早々から注目したいところ。
ところで、ラグビーのキックオフはボールを地面にバウンドさせてから上がってきたところを蹴るドロップで蹴るから、普通に蹴るよりボールコントロールが難しく、高く蹴り上げることは相当難しい。これは、ルールとしてはよく出来ているなと関心するところです。