2012年08月15日
オリンピック終わる（続き）
１７日間プラスα。いろんなこと、ありましたねぇ。
●バレーボールの銅メダル
いや、これは良かったですねぇ。私、バレーボールに元来否定的で、だっていつも日本で大会やってばかりじゃないですか。で、日本がそれなりに好成績を挙げている。でも、真の実力はどのへんにあるのか計りかねていたのです。ホントはそんなに強くないのではないかと。。。
だから、中国に勝って、３位決定戦で韓国にも勝ってメダルを獲ったのは、ホントに実力があるのだとわかって、嬉しかったですねぇ。中国が準々決勝で日本に負けて泣いているのを見て、日本は本当にえらいことやったんだなと実感しました。男子も続こう！
●アーチェリー、フェンシング、卓球、バドミントン
いずれも見事なメダルでした。アーチェリーは女子団体が初日だし興奮しましたね。こういうのは競技の凄さがわかって、面白いです。肉眼で見えないような１０点に当てるんだから、凄い。男子の団体で感じたんですが、一発勝負の緊張感ってオリンピックだとあるんでしょうねぇ。普段、ダーツとかやってイメトレするのかな、とか。
フェンシングはなんだかよくわからないけどめちゃくちゃ興奮しました。多分、興奮度（心臓に悪い度）は一番だったんじゃないかと。太田雄貴は北京で銀メダルを獲得して、スポンサーも付いていろんなプレッシャーがあったと思います。ちょっと多くを背負いすぎたのではないかと。個人戦はダメで最後の団体戦で、残り２秒で同点に追いつくなど、第一人者としてのプライドみたいなものを感じました。土壇場での勝負強さに彼の四年間の重みみたいなものを感じましたね。
あと、気仙沼出身の選手が活躍したのも嬉しい。千田君でしたかね。これを契機に気仙沼が「フェンシングのまち」として定着すれば、被災地にまた一つ希望が出来るのではないかと。
卓球とバドミントンでも競技初のメダル。卓球の福原愛ってのは、卓球界の宝ですね。彼女の存在が無ければ石川佳純という選手も出てこなかったでしょう。バラエティみたいな取り上げ方をされていた娘が、いつの間にか大人になって、メダリストにまでなった。テレビでおふざけみたいな形で取り上げられるのも悪くないですね。
バドミントンも見事でした。ま、これは例の「無気力試合」の余波とも言えるわけで。でも、これも五輪です。
●体操内村
彼の実力は抜きん出ていましたね。個人総合は独壇場でした。中国が団体と種目別に特化していく中で、個人総合にこだわる彼の姿勢は「体操家」とも呼べる職人ですね。全てが美しい演技でした。ただ、彼にとっては不本意な結果でもあったと思います。鉄棒で決勝残れなかったり、団体での演技が。
リオでは金メダルを複数取ってほしい。こういう天才は長く見ていたい。
●美しき敗者� 阻姪膵�介
"Be great in your victory and stand tall in defeat"
英語が正しいかわからんが、あるトップアスリートが子供の頃親父に言われた言葉だという。「勝利にあっては偉大であれ、そして敗北にあっては誇り高くあれ」ということだろうか。人は負けたときに価値がわかる。
北島康介は２種目３連覇という偉業を懸けてロンドンにやってきた。高校生で出場したシドニーから１２年。北島こそ競泳ニッポン伸長の象徴であり、全てのスイマーが憧れるスターだ。だが、彼にとって今回の五輪は個人種目でメダルが取れなかった。
１００メートルは全くメダル争いに絡めず５位で惨敗。２００メートルにメダルをかけていた。北島は序盤から飛ばした。最初の１００メートルを世界記録を上回るペースで泳ぎ、１５０のターンでも首位を伺う位置にいたが、最後の５０メートルで隣の立石諒にかわされて４位に終わった。
プールから上がってインタビューを受ける姿勢が立派だった。「持てる力を精一杯使ってレースをしようと。ずっとこういうレースをしてきたから」とレースを振り返った。
ああ、彼は「負ける」時まで泳ぎ続けてきたんだなと感じた。いつも持てる力を最大限使い、負けず嫌いなレースをして、勝って来た。この日はそんなレースが出来なくなって、負けた。そのときまで泳ぎ続けてきたという王者の姿はとにかく立派だと思った。後日、リレーで１００メートルのタイムを１秒近く上回るタイムで泳いだ北島は、やはり第一人者としての誇りを失っていなかった。
自分の持っている力を最大限に発揮する。簡単なようで難しいことが出来れば、オリンピアンとしては一流だ。それが出来れば、結果は神のみぞ知る。これがオリンピックというものなのかもしれない。
●美しき敗者�◆船侫．咼▲鵝Ε�ンチェラーラ
ファビアン・カンチェラーラは北京五輪男子ロードタイムトライアルの金メダリスト。現役最強のタイムトライアルスペシャリストだ。ロンドンには２連覇を懸けて乗り込んできた。もちろん、ロードレースとの二冠も狙っている。
カンチェラーラはロードレースで優勝の可能性に懸けてメイン集団から先頭集団にブリッジして終盤、勝負に出た。スイスのチームメートも控えていて十分狙える位置にいたが、直角コーナーで落車。身体にダメージを負い、金メダルは儚く消えた。
負傷したカンチェラーラは翌日、TTへの出走は「五分五分」とコメントしたが、４日後のTTでカンチェラーラはスタート台に姿を現した。最終走者。一人前は英国のツール総合王者・ウィギンスが走っている。
カンチェラーラは明らかに本調子ではなかった。一方、ウィギンスは驚異的なスピードで金メダルへ爆走している。地元英国の期待を背負ったウィギンスが走れば、歓声が大波のようにウィギンスに続いてく。開催国の熱狂のあと、遅れてカンチェラーラは走る。すでにゴール付近に着いたときには先にスタートしたウィギンスは平均時速５２キロ超えの驚異的なタイムでゴールしていた。すでに金メダルの確信が大観衆を包む中、カンチェラーラは最後まで走りきった。結果はメダルにも届かない不本意なものだった。
明らかにロードレースでの負傷が影響した走りだったが、カンチェラーラは言い訳しなかった。ただ「全力を尽くしたから満足だ。オリンピックではそれが大事だ」とコメントした。
これぞ王者だと思った。自分の不遇を嘆くことなく、すでに敗北が決まったコースで最後まで全力で走る。この姿勢こそ、オリンピック精神だと感じた。
ロードレーサーは普段、スポンサーの企業名の入ったジャージを着て走る。しかし、五輪では国名のみが掲載されたジャージを着用する。ただ、自分のために、ロードレースを愛する自分のためだけに走る。こんなスポーツイベントは４年に一度のオリンピックの舞台しかない。カンチェラーラの誇り高い走りは、今大会で私が見た敗者の中で、最も尊いものだった。
●Inspire the generation
今回の五輪のテーマ。日本選手団は「何年ぶり」というフレーズが多くあった。史上最多のメダルに「何年前」を見てきた世代は刺激を受けて、これからオリンピックを目指す世代も夢をもらったと思う。やっぱり、オリンピックの舞台は素晴らしい。四年に一度の儚さと強さ。ここに力を出せる人も居れば、思うように力を出せない人も居る。でも、みんなベストを尽くそうと努力する舞台はオリンピックしかない。
後世の歴史家はこの時代を五輪に熱狂した時代と表現するだろう。世代を刺激し、鼓舞した１７日間が終わって、また、夏の高校野球という日常が戻ってきた。ま、これはこれでまた素晴らしいので、引き続きこの気まぐれ更新ブログにお付き合いいただければ幸いです。
いや、これは良かったですねぇ。私、バレーボールに元来否定的で、だっていつも日本で大会やってばかりじゃないですか。で、日本がそれなりに好成績を挙げている。でも、真の実力はどのへんにあるのか計りかねていたのです。ホントはそんなに強くないのではないかと。。。
だから、中国に勝って、３位決定戦で韓国にも勝ってメダルを獲ったのは、ホントに実力があるのだとわかって、嬉しかったですねぇ。中国が準々決勝で日本に負けて泣いているのを見て、日本は本当にえらいことやったんだなと実感しました。男子も続こう！
●アーチェリー、フェンシング、卓球、バドミントン
いずれも見事なメダルでした。アーチェリーは女子団体が初日だし興奮しましたね。こういうのは競技の凄さがわかって、面白いです。肉眼で見えないような１０点に当てるんだから、凄い。男子の団体で感じたんですが、一発勝負の緊張感ってオリンピックだとあるんでしょうねぇ。普段、ダーツとかやってイメトレするのかな、とか。
フェンシングはなんだかよくわからないけどめちゃくちゃ興奮しました。多分、興奮度（心臓に悪い度）は一番だったんじゃないかと。太田雄貴は北京で銀メダルを獲得して、スポンサーも付いていろんなプレッシャーがあったと思います。ちょっと多くを背負いすぎたのではないかと。個人戦はダメで最後の団体戦で、残り２秒で同点に追いつくなど、第一人者としてのプライドみたいなものを感じました。土壇場での勝負強さに彼の四年間の重みみたいなものを感じましたね。
あと、気仙沼出身の選手が活躍したのも嬉しい。千田君でしたかね。これを契機に気仙沼が「フェンシングのまち」として定着すれば、被災地にまた一つ希望が出来るのではないかと。
卓球とバドミントンでも競技初のメダル。卓球の福原愛ってのは、卓球界の宝ですね。彼女の存在が無ければ石川佳純という選手も出てこなかったでしょう。バラエティみたいな取り上げ方をされていた娘が、いつの間にか大人になって、メダリストにまでなった。テレビでおふざけみたいな形で取り上げられるのも悪くないですね。
バドミントンも見事でした。ま、これは例の「無気力試合」の余波とも言えるわけで。でも、これも五輪です。
●体操内村
彼の実力は抜きん出ていましたね。個人総合は独壇場でした。中国が団体と種目別に特化していく中で、個人総合にこだわる彼の姿勢は「体操家」とも呼べる職人ですね。全てが美しい演技でした。ただ、彼にとっては不本意な結果でもあったと思います。鉄棒で決勝残れなかったり、団体での演技が。
リオでは金メダルを複数取ってほしい。こういう天才は長く見ていたい。
●美しき敗者� 阻姪膵�介
"Be great in your victory and stand tall in defeat"
英語が正しいかわからんが、あるトップアスリートが子供の頃親父に言われた言葉だという。「勝利にあっては偉大であれ、そして敗北にあっては誇り高くあれ」ということだろうか。人は負けたときに価値がわかる。
北島康介は２種目３連覇という偉業を懸けてロンドンにやってきた。高校生で出場したシドニーから１２年。北島こそ競泳ニッポン伸長の象徴であり、全てのスイマーが憧れるスターだ。だが、彼にとって今回の五輪は個人種目でメダルが取れなかった。
１００メートルは全くメダル争いに絡めず５位で惨敗。２００メートルにメダルをかけていた。北島は序盤から飛ばした。最初の１００メートルを世界記録を上回るペースで泳ぎ、１５０のターンでも首位を伺う位置にいたが、最後の５０メートルで隣の立石諒にかわされて４位に終わった。
プールから上がってインタビューを受ける姿勢が立派だった。「持てる力を精一杯使ってレースをしようと。ずっとこういうレースをしてきたから」とレースを振り返った。
ああ、彼は「負ける」時まで泳ぎ続けてきたんだなと感じた。いつも持てる力を最大限使い、負けず嫌いなレースをして、勝って来た。この日はそんなレースが出来なくなって、負けた。そのときまで泳ぎ続けてきたという王者の姿はとにかく立派だと思った。後日、リレーで１００メートルのタイムを１秒近く上回るタイムで泳いだ北島は、やはり第一人者としての誇りを失っていなかった。
自分の持っている力を最大限に発揮する。簡単なようで難しいことが出来れば、オリンピアンとしては一流だ。それが出来れば、結果は神のみぞ知る。これがオリンピックというものなのかもしれない。
●美しき敗者�◆船侫．咼▲鵝Ε�ンチェラーラ
ファビアン・カンチェラーラは北京五輪男子ロードタイムトライアルの金メダリスト。現役最強のタイムトライアルスペシャリストだ。ロンドンには２連覇を懸けて乗り込んできた。もちろん、ロードレースとの二冠も狙っている。
カンチェラーラはロードレースで優勝の可能性に懸けてメイン集団から先頭集団にブリッジして終盤、勝負に出た。スイスのチームメートも控えていて十分狙える位置にいたが、直角コーナーで落車。身体にダメージを負い、金メダルは儚く消えた。
負傷したカンチェラーラは翌日、TTへの出走は「五分五分」とコメントしたが、４日後のTTでカンチェラーラはスタート台に姿を現した。最終走者。一人前は英国のツール総合王者・ウィギンスが走っている。
カンチェラーラは明らかに本調子ではなかった。一方、ウィギンスは驚異的なスピードで金メダルへ爆走している。地元英国の期待を背負ったウィギンスが走れば、歓声が大波のようにウィギンスに続いてく。開催国の熱狂のあと、遅れてカンチェラーラは走る。すでにゴール付近に着いたときには先にスタートしたウィギンスは平均時速５２キロ超えの驚異的なタイムでゴールしていた。すでに金メダルの確信が大観衆を包む中、カンチェラーラは最後まで走りきった。結果はメダルにも届かない不本意なものだった。
明らかにロードレースでの負傷が影響した走りだったが、カンチェラーラは言い訳しなかった。ただ「全力を尽くしたから満足だ。オリンピックではそれが大事だ」とコメントした。
これぞ王者だと思った。自分の不遇を嘆くことなく、すでに敗北が決まったコースで最後まで全力で走る。この姿勢こそ、オリンピック精神だと感じた。
ロードレーサーは普段、スポンサーの企業名の入ったジャージを着て走る。しかし、五輪では国名のみが掲載されたジャージを着用する。ただ、自分のために、ロードレースを愛する自分のためだけに走る。こんなスポーツイベントは４年に一度のオリンピックの舞台しかない。カンチェラーラの誇り高い走りは、今大会で私が見た敗者の中で、最も尊いものだった。
●Inspire the generation
今回の五輪のテーマ。日本選手団は「何年ぶり」というフレーズが多くあった。史上最多のメダルに「何年前」を見てきた世代は刺激を受けて、これからオリンピックを目指す世代も夢をもらったと思う。やっぱり、オリンピックの舞台は素晴らしい。四年に一度の儚さと強さ。ここに力を出せる人も居れば、思うように力を出せない人も居る。でも、みんなベストを尽くそうと努力する舞台はオリンピックしかない。
後世の歴史家はこの時代を五輪に熱狂した時代と表現するだろう。世代を刺激し、鼓舞した１７日間が終わって、また、夏の高校野球という日常が戻ってきた。ま、これはこれでまた素晴らしいので、引き続きこの気まぐれ更新ブログにお付き合いいただければ幸いです。
ted9aoki23 at 16:28│Comments(0)│TrackBack(0)│
