2012年08月23日

春夏連覇なる

 大阪桐蔭、春夏連覇達成しました。史上7校目です。

 藤浪はたいしたもんですね。



●藤浪と大谷
 
 大阪桐蔭の優勝投手、藤浪。春夏連覇の立役者です。横浜の松坂、興南の島袋と肩を並べたと言っていいでしょう。前途洋洋と言うべきです。197センチの長身ながら、下半身は柔らかく、大きなステップと肘が前に出るフォームは財産と言っていいでしょう。素晴らしい投手になると確信できます。

 藤浪は単に素材として素晴らしいだけでなく、甲子園という大舞台で春夏連覇を達成する実力、運の部分でも高校ナンバーワンです。

 藤浪と並び立つ素材である花巻東の大谷は結局、甲子園で一勝もできませんでした。同じ190センチ以上の長身右腕ながら、この運の差は大きい。プロに入ったときにどのように活躍するか気になります。大谷は最後まで運に恵まれず大きな舞台で活躍することは出来ませんでした。これだけで大谷と藤浪は大きな差が付いたと思います。今年のドラフトは大谷、藤浪、そして亜細亜大学の東浜がBIG3となるでしょうが、この「結果の差」はどのように影響するでしょうか。

●三期連続準優勝

 青森県代表の光星学院。三期連続準優勝というのは、一体誰得なんでしょう。今年の光星学院は主軸は去年からのレギュラーで、光星学院史上最高のチームだったと思います。にもかかわらず、甲子園で春夏準連覇というのは、東北勢が真紅の大優勝旗は永遠に届かないのかと思います。

 光星学院は野球留学の選手が多く、いろいろと物議をかもすチームです。しかし、私は基本的に野球留学には賛成です。15歳で親元を離れて、合宿生活を決意し、雪深い東北で野球の腕を磨くという決意は簡単に出来るものではありません。しかも、甲子園ではどうしても「野球留学」という色眼鏡で見られます。選手も本当ならば、地元・大阪の強豪でレギュラーとして甲子園の土を踏みたいと思うでしょう。それをこらえて、東北の地を選んだ青年の決断を私は否定したくない。

 だからこそ、光星学院には優勝してほしかった。今年の光星学院が優勝できなくて、一体どういうチームが東北勢として優勝するのだろうか。

●春夏連覇頻発時代に突入か
 
 春夏連覇は史上7校目。私はかつて「春夏連覇は競馬で三冠馬が生まれる可能性くらいしかない」と言いました。三冠馬は継続的な強さ、距離の違いを苦にしない力、そして運が試されます。春夏連覇もそれくらいの可能性だと思っていました。
 
 しかし、2010年の興南に続いての春夏連覇の誕生に、私は考えを改めなければと感じています。確かに、大阪桐蔭は圧倒的だった。ただ、一発勝負のドラマ性が薄れているようにも思えるのだ。

 もっと考えると甲子園からドラマ性が失われている。今年の大阪桐蔭と光星学院は恐らく互いに当たるまでは、どちらも勝つだろうと思わせる強さだった。強さがそのまま得点差となっているように感じる。

 多分、動画サイトとかの充実もあって、対戦相手が「未知との遭遇」になりにくくなっているように感じる。どんな選手が居るのか事前に把握できないからこそ、弱いとも目された学校が強豪校を食う展開、追い詰める展開があったと思う。今年は特に感じたが、そういう展開が少なかった。事前のスカウティングはかつてに比べると遥かに進んでいるだろう。

 相変わらず甲子園は面白いと思うのだが、例年よりも接戦の少なかった年に、やや飛躍したことを思うのだ。

ted9aoki23 at 21:25│Comments(1)TrackBack(0)

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この記事へのコメント

1. Posted by 野球狂   2012年08月24日 04:22
藤浪・大谷は純正野球ファンさんが春にされていた評価が成る程と思わされます。
色々物議をかもしだす野球留学ですが、どんどんやれば良いのです。生まれた土地によって自分の可能性が制限されなければならないなんて事はありえません。
確かに、今年ほど番狂わせが少なく、強いと評判のチームが順当に勝ち上がる大会も珍しいですね。日大三は相手も強豪、名電は大会前からの不調ですから、初戦敗退でもサプライズではありませんでした。9回のドラマ、どこまでも続くような延長試合も少なく、仰る通り甲子園が変わっているのかもしれませんね。また来年以降も観てみなければなんともいえませんが。ただ、時代と共に変わる物があったとしても、決勝戦が終わると夏の終わりの寂しさを感じるのは変わりません。

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