2013年03月09日

またしても激闘

 毎回、WBCでは激闘を演じる日本。第一回は第2ラウンドでの劇的な試合、第二回は韓国との5度にわたる戦いが印象に残っていますが、今回も野球ファンの間で永遠に語り草になるような試合でした。

 今度の相手は台湾でした。



●イバタ!

 9回1点ビハインド、ツーアウトから鳥谷がスチール、そして、井端が追い込まれてからのタイムリー。信じられないような攻撃でした。もし、日本が3連覇を達成するようなことがあれば、MVPは間違いなく井端でしょう。

 井端の集中力は素晴らしいものがあります。私は正直、井端は代打でベンチにおいておきたい選手だと思いましたが、これでもうスタメンからは外せなくなりましたね。あとは出塁率の高い一番が固定できれば、これから点はどんどん入るようになるでしょう。

 オランダ戦に向けてはまた、打順を悩まなくてはなりません。今の調子ならば糸井の一番も面白いのかな。坂本もだんだん当たりが出てきたので、この辺を上位打線に据えていけば、もっともっと点は入ると思いますよ。

 それにしても重苦しい試合だった。王建民は評判どおりの高速シンカーで日本打線を苦しめました。球数制限がなければ、最後まで投げていたことでしょう。日本としては助かった。どうも追い込まれないと火がつかない日本打線。この日も8回にようやく追いつくことができました。いやはや重苦しかったですねぇ

●阿部は外すな

 やっぱり阿部に代走を送るのは仕方ないのかもしれませんが、阿部がラインアップから外れるのはいかんと思いますね。阿部はキャプテンです。キャプテンが途中でグラウンドから去るのは良くないと思います。4番でキャッチャーって重圧のかかるポジションですが、阿部は克服しつつある。チームの中心として機能しつつある。昨日の同点への口火を切るタイムリーを打ったように、調子はあがっている。

 リード面でも摂津や田中将大に対するリードは目を見張るものがありました。恐らく、普段受けていない投手の特徴をつかむのに苦労していると思いますが、その特徴をつかんできつつあると思います。阿部の熟度があがれば、チームの熟度があがります。阿部にはさらなる奮起を期待しています。

●能見の乱調

 先発の能見は立ち上がりが絶好調でしたが、台湾にヒット一本打たれただけで、別人のようになってしまいました。慎重になってコースを狙いすぎて自滅しました。これは国際試合ならではの様相があったと思います。

 まず、慣れない舞台で緊張もあって、一つ歯車が狂うと、修正する術が無かった。これは普段の試合ではないことでしょう。加えて、審判が能見の弱気になっているところが先入観として組み込まれて、ネガティブになった。毎回思うんですが、日本の審判は信頼できます。なんというか、局面に関係なくぶれない判定をしますが、海外の審判は試合の流れとか心理状況に相当左右されます。審判を味方につけることは必要ですし、大体、判定に文句を言わず、淡々とプレーするほうが好まれます。

 能見はクレームをつけたわけではありませんが、ストライクを欲しそうにしていると意地悪されるというのかなぁ。

●田中の続投

 8回に日本が同点に追いついたのは、間違いなく6回、7回に完璧な投球をした田中の力だったでしょう。流れを呼び込みました。同点に追いついて、延長戦も考えられる中で、田中にもう一イニング行かせるかというのは、私は悩みました。

 3番打者にヒットを許し、続く4番に左越え二塁打で無死ニ・三塁となった時点で、田中は交代すべきでした。いかにエースと期待した投手でも、慣れない中継ぎ登板で3イニング目は欲張りすぎでした。恐らく、緊張もする場面でペース配分を考えずに全力で行って2イニングは完璧でしたが、3イニング目は必殺の変化球が上ずり、それをことごとく打たれました。こういう場合は「二度あることは三度ある」で結局、続投して勝ち越し点を許しました。

 心理面を考えれば、田中は意気に感じたでしょう。このやさしさが山本コウジ采配なのかもしれませんが、私はここは交代だったと思っていません。

 能見にしても田中にしても突然崩れることは起こりえます。心と体の調整不足が原因だと思いますが、日本の特徴は高い投手力なので、それを生かすためには早めの継投が吉だと思います。

 その意味では最後の杉内はさすがでしたね。杉内は経験豊富ですから(ニヤリ

●台湾の健闘

 台湾は強かったですねぇ。最後は投手層の違いで負けましたが、日本相手にここまでの試合が出来るようになっているとは思いませんでした。恐らく、今回の戦いで国内の野球人気は高まるでしょう。もっとレベルも上がるでしょう。

 非常に感心したのは打撃の技術が格段に向上していることですよねぇ。力任せに引っ張るイメージだったんですが、広角に打てる選手が揃っていて、特に下位打線を形成した国内組みの選手が良かったですね。苦しめられました。

 加えて、最後まで試合を諦めない姿勢、試合後、日本の観客に挨拶する姿勢とかも素晴らしいと感じました。この辺は民度でしょうねぇ。どこぞの国と違って。。。

 昨日、日本も台湾も「明日無き戦い」をしました。だから、負けた台湾は非常に苦しい立場にあります。今日、キューバとの「敗退国決定試合」に臨みますが、正直、キューバが有利でしょう。投手陣の層を考えると。

 ただ、台湾にも十分チャンスはあります。今回、旋風を巻き起こしていますから、私もキューバに勝って、オランダにももう一回勝って、米国まで進出して欲しい。アジアの野球のレベルの高さを見せ付けて欲しいと思っています。

 キューバに勝つ鍵は先発投手でしょう。接戦に持ち込めば何とかなると思うんですが。正直、生で見たい気もする・・・

●オランダ戦は・・・

 オランダは強いです。打力は日本より上でしょうし、キューバ並と考えていいと思います。ただ、日本は点は取れると思いますが。キューバほど変則の投手は居ない印象です。

 先発のマエケンがどれだけ抑えられるかでしょう。中国戦は成績はよかったですが、内容は必ずしも良くなかったと思います。3回以降変化球が高めに浮いてヒヤリとするボールが多かった。ただ、投げるたびに内容は良くなっていますから、オランダ戦はさらにいい内容でやってくれればいいと思います。

 走者がたまった場面での一発だけが要注意で、甘くなったカーブ・スライダー系は痛打される恐れがあります。とにかく序盤から接戦に持ち込めば、勝機は十分にあると思います。なんか日本は追い込まれると力を発揮するようですから、追い込まれたときには5点差なんてことは勘弁してもらいたいですね。

●WBCは面白い

 日本の選手はほんとに必死にプレーしていますよね。負けられない試合で選手もベンチもホントに一生懸命。台湾もそうでしたし、他の国でやっている予選ラウンドも国際試合の緊張感がひしひしと伝わってきます。

 こういう舞台はWBCしかないんだよなぁ。一流の選手が一勝に命をかけているような試合が見られるこの大会はやっぱり面白いです。

 まだまだ大会は続きます。日本が勝とうが負けようが20日の決勝戦まで楽しみにしたいと思います。

ted9aoki23 at 07:57│Comments(2)TrackBack(0) 2013WBC 

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この記事へのコメント

1. Posted by ponta   2013年03月09日 18:54
いつも解説、楽しく読んでます

> 一流の選手が一勝に命をかけているような試合

おっしゃるとおりですね。始まる前は「イチローが出ないWBCなんて、、」って冷めて見ていましたけど、始まってしまえば、やっぱり燃えますね。

高校野球とオリンピックの良さが足されたような面白さがありますね
2. Posted by 純正野球ファン   2013年03月10日 13:31
pontaさま
やっぱりもえるよねぇ。酒なんかのんでられないもん。
加えて一日中やっているのが良いね。

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