2011年11月

アキサンゴ

アイちゃん、
先日、小石川植物園に行った。
林の中を歩いていたら、真っ赤なきれいな細長い果実らしいものが、
点々と落ちていた。
上を見ると、サンシュユの大きな木だ。標示もしてあった。
あまり高いので、良く見えないが、サンシュユの果実に間違いない。
これは 「アキサンゴ」だ。

2011年11月15日のこのグログにも
サンシュユの果実」として載せているよ。
あれは葛西臨海公園で見たものだ。

さて、点々と落ちている果実を集めて、写真を撮った。
それだけではもったいないから、その中の1個の中を見たよ。
大きな種子が、1個入っていた。細長く、1cmぐらい。
近くにサンシュユの葉っぱが落ちていたので、その上に種子を載せて写真を撮った。
こんなお遊びも楽しいね。
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そういえば、もうだいぶ前のことだが、秋になると、いろいろな果実を拾って、中に種子が何個入っているか調べたことがあった。
何年間か夢中で調べたのを思い出したよ。
その時の記録はどこかに行ってしまったが、保管しておけばよかったね。

ではまたね、バイバイ。

街角散歩 ベゴニアの花(3)終

アイちゃん、
ベゴニアの花が植木鉢やプランターなどに、植えられていて今も開花中。
今頃、その花たちを上から見ると、次のように見えるだろう。
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よく見ると、殆どが雄花だね。
これはどういうことなのか考えて見ようね。
雌花はどこに行ったのだろうね。

前回載せた写真をもう一度載せるよ。
写真を見ながら考えてね。
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四角で囲んだ部分はみな葉腋から花序が出ているね。
四角の中は、雌花どうし・雄花どうしで、同じ花ばかり。
株全体は雌花と雄花が混じっていても、各葉腋から出ている花序は、
雌花だけ、または雄花だけで、両方混じっているものはない。

そこで、それらの花序が付いているところを見ると、
枝の上の方は、雄花だけで 下の方に雌花だけが付いていることに気が付くだろう。
だから、今頃のベゴニアは、上から見ると、雄花だけが目に付くことになると言うわけだよ。

下の方についていた雌花はもう開花の時期が終わり、果実になっている。
今度ベゴニアに出会ったら、枝の下の方を見てごらん。
何節かに果実が付いているよ。

ベゴニアはこの仲間の総称だ といったね。
だから、どれでもこのようになるとは限らないかも知れない。

花の色も形も大きさも一重も八重も、葉の大きさも形も色も、
背丈も、つるとか直立とか、とにかくいろいろだ。
花のつくりも、花被なのか、萼と花弁なのか。

それらの中でも、基本に近いものを見ておけば、他の物に出会っても、
「なるほど」と納得ができるよ。

今回はもっとたくさん書きたいけれど、これで終わりにするよ。

街角散歩もゆっくり見ると、とっても勉強になるね。
これからもいろいろ見て歩くよ。

では今日はバイバイ。

街角散歩 ベゴニアの花(2)

アイちゃん、
ベゴニア」と言うのは、ベゴニアの仲間の「総称」だ。

ベゴニアは世界中の殆どの熱帯や亜熱帯で自生していたり、栽培されたりしている植物。
花がきれいだから、たくさん栽培されている。
もともと、多くの種類があるうえに、園芸品種がたくさん開発されて、
物凄い数のベゴニアの仲間ができているという。
一説には2000種類もあるという。
だから、それぞれ種名や変種名や品種名や園芸品種名などが付いていても、
ただ混乱するだけ、そこでこれらの「総称」として「ベコニア」ということになったのだろうね。

ベゴニアはシュウカイドウ科ベゴニア属だ。

私は今、その中の1種類を見て、このブログを書いている。
と言うよりアイちゃんと一緒に、勉強している。

ベゴニアが雌花と雄花があることを、前回お話ししたね。

これらの花は、つまり「雌雄異花」ということだね。

これらの花が咲く株は同じか違うか?
同じなら「雌雄同種で雌雄異花」。
違うなら「雌雄異株」。と言うことになるのだろうね。

さてどうだろう、写真を見てね。
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1本の枝に、雌花の集まりと雄花の集まりが見えるだろう。
だから、これは 「雌雄同株」で「雌雄異花」と言うことになるね。

つまり、たくさん見えるベゴニアの花は、株の数とは関係なく、
雌花も雄花も混じって一緒に咲いているということだね。

今度出会ったら、注意して見てごらん。

これらの話はややこしくて難しいけれど、まだ続くよ。
でも一緒に勉強しようね。
では今日はここまで。バイバイ。

街角散歩 ベゴニアの花(1)

アイちゃん、
今、街の中では、ベゴニアが咲いている。
あまりにもたくさん見られるので、つい、通り過ぎてしまうが、
今日は少し詳しく見てみようね。

ベゴニアの花は雌花と雄花があるよ。
今日はその話。

まず、雌花の柱頭と雄花のを見よう。
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雌花には、子房があるはずだね。
雄花には無いよ
そのことが、はっきりしている。
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アイちゃん、
「見慣れた花で飽きてしまった」などと言わないで、今度出会ったら、よく見てごらん。

この話続くよ。では今日はここまで。バイバイ。


サンシュユの果実(秋サンゴ)

アイちゃん、
都立葛西臨海公園を歩いて来た。
そこでサンシュユの果実を見てきたよ。
サンシュユという樹木を思い出してね。
落葉樹で、春早く、まだ 葉っぱが出てくる前に、
オレンジがかった黄色の小さな花を、たくさん咲かせているよ。
その花の写真が、今、見当たらないのでごめんね。

このブログの
2010年2月3日サンシュユのつぼみ(花序)」に載せた写真を
もう一度、載せるよ。つぼみだけれど。
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このつぼみ1個のように見えるのは、実は、花の集まりだよ。
1この中には、小さな花が30個ぐらい入っている。
以前数えたことがあったけれど、忘れてしまった。
今度咲いたら、また数えてみよう。

その小さな花がオレンジがかった黄色い花で、たくさん咲くので、
ハルコガネバナ」とも言う。
そのたくさんの花が全部果実になることはないが、一部が真っ赤な果実になるんだよ。
花のときの大きさに比べたら、あまりにも大きいので、びっくりするよ。

それでもたくさん生るし、まるで赤いサンゴがぶら下がっているみたいなので
アキサンゴ」ともいう。
つまり「春こがね、秋サンゴ」だね。

このサンシュユの果実はあまりたくさんはならないのがふつうだけれど、
ここでは結構たくさん生っていたので、よかったよ。
木肌の皮がむけているがこれがサンシュユだね。
周りの緑の葉っぱはサンシュユではないよ。ツツジ科の葉っぱだ。
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このサンシュユは中国原産で、日本には自生はない。
江戸時代に薬草として入って来たらしい。
だから、「薬用植物園」には必ずと言うほど植栽されているよ。
サンシュユはミズキ科ミズキ属

また、花や果実がきれいだから、植物園でも植えているね。

ではきょうはここまで、バイバイ。


北アルプス山麓アルバム(78) 10月 キハダの果実

アイちゃん、
キハダの果実を見た。
キハダはミカン科の樹木だけれど、この木は高さが高い、それに、低いうちは果実を付けない。
それに、雌雄異株だそうで、果実を付ける樹木には殆ど出会わない。

アイちゃんは見たことあるかな?
山の中でその果実を見てきた。
高い所に、ブドウのように下がっている、まるで「黒ぶどう」と言いたい。

高すぎて、写真が撮れない、そこでズームして撮ったので、
思うようには撮れなかったが、とにかく見てね。
葉っぱはもう枯れてきているが、中には「羽状複葉」の様子が分かるものもあるよ。

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せっかく出会ったキハダの果実だけれど、手に取って見ることはできなかった。
木の下に落ちているかも知れないと思って、探そうとしたが、
下の地面が不安定で危険なので止めた。
このキハダは ここだけのものではないから、
またいつの日か、手にとって詳しく見ることができるだろうね。

キハダ ミカン科 キハダ属
・学名は Phellodendron amurense
・分布は 北海道・本州・四国・九州の山地帯だが、公園などでも植えられている。
キハダは昔から薬の原料となっている。

20年以上も前のこと、多分福島県だったと思うが、この大きなキハダの樹皮がきれいに切り取られているのを見たことがある。
人の高さぐらいのところの樹皮がきちんとした形の板状に剥ぎ取られている。
はぎ取られた後の樹肌はきれいな黄色だった。
でも、その板状のものは、木の周囲全体ではなくて、一部を残して剥がされていた。

その時、聞いた話。
これは農家の副業の1つで、この板状のものを、薬の原料ににするために剥がしている。これを乾燥させるのだそうだ。
これを、仲買人に売る。
樹肌の一部分を残しておかないと、その木は枯れてしまい、もう使い物にならならず副業にならなくなる。

なるほど!!
・肌が黄色なので「キハダ」と言うのか。
・樹皮の周りの一部分を残すのは、維管束の一部を守るためか。
・次の時には、この高さよりも高い所をはぎ取るのかな。
・この部分が元の樹肌に戻り、また、剥ぎとれるように復活するのは何年後ぐらいか、気の長い話だろうな。

その後何年か過ぎて、このキハダを煎じた液を試しに飲まされたことがあったがものすごく苦かったのを覚えている。

最近では、私はこの木がキハダかもしれないと思うと、木の皮に少し傷をつけて剥がし、その皮をなめてみる。わずかでもすごく苦いよ。

薬に関する図鑑によれば、
これは「おうばく」というそうだ。
これは、健胃、整腸薬、腸内殺菌薬などに使われるそうだ。
奈良の「ダラニスク」、信州の「百草」などはこの煎じ汁をもとにつくられた民間薬のようなものだそうだ。
確か高野山に行った時、「ダラニスク」が売っていたような気がするが・・・

アイちゃん、薬草の話になったね。
では今日はここまで、またね。バイバイ。

北アルプス山麓アルバム(77)10月 サワフタギとタンナサワフタギの果実 

アイちゃん、
秋になると、どこでもいろいろな果実が熟し、それぞれ色の違いがあり、
楽しい秋を感じるね。
その中でも、サワフタギの果実は瑠璃色で特に天気の良い日に日光に照らされて光っている様子はたまらない。
今回、それに近い様子を見てきた。
カメラがもっと良ければ、それに私の技術がもっと良ければ、
もっと素晴らしい写真ができただろうに、少し残念だった。
まず、その写真を見てね。
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今年伸びた枝がまだ緑色で、そこに瑠璃色の果実が。
もうすでに周りの木々は殆どの葉っぱが落葉してしまい、
「晩秋の中の瑠璃色の玉」だけが「彩を放っている」といった感じかな。

このサワフタギは日本では比較的どこでも見られる。
この写真は戸隠で撮ったもの。
木の高さは高くても2mぐらいまでで、あまり高くはない。
木の姿はあまりまとまっていないので、
他の木と一緒になり、「あばれる」感じかな?

この木は ハイノキ科ハイノキ属で、
このハイノキ属の花は、今まで私が見てきたものはすべて白色だった。
特にきれいだなと思ったのは、ハイノキで、このサワフタギはそれに比べるとやや見劣りがしていた。
でも、果実はハイノキ科の中ではこのサワフタギが私の選んだ「金賞」だね。

さて、このハイノキ属の中に、タンナサワフタギがある。
西日本に多いので、ここで見たものは自生ではないと思うが、
ある別荘らしい家に植栽されたようなタンナサワフタギがあり、ちょうど果実が見られた。
木の高さはサワフタギより大きく、3〜4m近くあった。
でも実の大きさはあまり変わらないようだ。
自生地でもないこの寒いところで、こんなに立派な果実が見られるとは意外だった。

サワフタギの果実の色とこのタンナサワフタギの果実の色では違いは一目瞭然だね。

葉っぱが少しばかり紅葉しているけれど、果実はまだ黒紫色までは進んでいないようだ。藍色といったところかな。
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3枚目の写真は、タンナサワフタギの葉っぱの鋸歯を写してきた。
サワフタギよりもあらい。
花や実がない時は、葉っぱの鋸歯でも見分けられるよ。

ところで、
タンナサワフタギの「タンナ」とは何だろう。

朝鮮半島の南西の方の海の中に1つの島がある。
今は「済州島」と呼ばれている島で韓国の領土だ。
その済州島に大昔「たんら」という国があった。
「タンラ」または「タンナ」と発音するようだ。
その「たんら」の国に生えている植物に名前が付けられて、
タンナサワフタギ」ということになった。
韓国植物図鑑を見ると、「タンナ」とつく名前の植物がいくつかある。
タンナイボタ・タンナミネヤナギ・タンナナワシロイチゴ・タンナニワトコ・
タンナウコギ・タンナヤマアジサイ・タンナヤマザクラ・タンナヤナギ・
タンナザサなど。
これ以外でも、日本人の植物学者が調査して名前を付けたものが多い。
学名にも「Nakai」とか「Makino」などがついているものがあるが特に多いのは「Nakai」、これは朝鮮半島の植物を研究した「中井先生」のこと。

大昔から、朝鮮半島と日本列島はくっついたり離れたりしてきた為、同じような植物があっても不思議はないね。
長い間に、それらの植物はそれぞれの土地に適応して行って、分化し現在の姿になったのだろうね。
だから、これらの植物は、みな日本にあるものと非常に似ているよ。

実際に、済州島を歩いてみると、
「あれ 日本の物と、どこが違うのだろう?」
と思う植物にたくさん出会う。
面白いし楽しいね。また済州島に行きたくなったよ。

北アルプスの話から、済州島の話になってしまったね。
ではきょうはここまで、バイバイ。



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