今回は成績、GPAについてです。自分がロースクール入試やばいかも…と思い始めたそもそものきっかけが2年生冬の初めての法学部試験において驚愕の成績をとってしまったからでした。そこで、今回は特に内部の方でまだ2・3年生という人向けにGPAについていろいろと書きます。

ご存知の通りロースクール入試は総合衡量ですので学部成績も考慮されてしまいます。特にロースクールが出来てすぐの頃は本番の点数よりも学部成績の方が重視されていたり、そもそも学部成績で一定数足切されてしまうといったことがありました。そのため特にローを狙う人はいい成績をとっておきなさいというのが先輩から伝えられていた共通認識だったそうです。

だったそうですというのは何かというと、実は僕は知らなかったんですね。だいたいエスカレーター方式で行けるんでしょ位に思っていたわけです。それに駒場の成績も決して良くはないですが超悪いとも言えないくらいだったので、まぁ気合い入れればなんとかなるでしょとも思っていました。
 しかし進学数を見れば、最近のデータですら内部進学でも半分が不合格を食らっている。そして確かに昔のデータには本番成績と学部成績を4対6で考慮すると書かれている。ネット掲示板をあさっても確かに内部で足切くらったという人は皆学部成績が悪い。ってことは学部成績も重要なんじゃ…と思った矢先法学部から帰ってきた初めての成績は可4良2というスーパー悪い成績でした。

もちろん焦りました。というのも、学部成績はGPA3.3あればいいという話だったからです。GPAというのは東大で言えば優=4、良=3、可=2としてそれぞれに取得単位数をかけあわせて平均をとるというものです。たとえば優が2つ、良が1つ、可が1つなら(4×8+3×4+2×4)÷16=3.25ということになります。(東大は普通週2の授業なので1つの授業で単位は4です。これに対し週1である民法基礎演習やゼミなどは単位は2です。)
さて自分の1学期時点でのGPAは上の計算式からすると2.33になります。これはもう不合格となっても文句言えないというか一昔前であれば余裕で足切された点数です。そのため3年からは一応基本書読んだわけですが、前も書いた通り3年夏は全良でした。(もっともゼミだけは優。後述)

ここで成績についてセクションに分けて述べていきます。

①そもそも成績は重要か
まず最近はロー志望者も少なくなったために足切される人も減り、競争率は落ちています。ですから学部成績だけで落とされるということは余程成績が悪くない限り、特に内部であればなさそうです。余程というのは上でいうと2.5を切る、とかです。足切されている人は主に外部の方で、かつ成績・適性・特別事情(就職してたとか)のどれもダメというかイマイチな人らしいです。


そして2次試験でも成績が理由で落ちたと言う人はあまりいません。むしろ適性が悪かったから落ちたのだろうという人の方が多く、2次においても成績が重要とはいえないようです。学部成績が良くても適性がよくないと平気で落ちています。これに対し、適性がとてもいい場合、学部成績がとてもひどい場合を除いて、ほぼ受かっています。4対6で考慮するというのも過去の話。
ですから成績を気にする必要は、ローに受かりたいと言うだけであれば、ありません。
もちろん今後留学もしたいとか教授コースを狙ってるという人であれば高い成績は必須です。特に後者は非常に高い基準が求められるそうですから、頑張ってください。

追記 外部生の間では1次足切は成績重視、2次は本番と適性重視、と言われているようです。現に今年も適性150点でも1次は通ったという方がいるらしいです。(まぁ通っても適性点数が平均割ってるような人は2次で完璧答案書かないと逆転不能なのであまり意味はないですが。)外部で成績が悪い場合は足切されうると思ってください。(内部は良より可の方が多いとかの異常成績でない限り1次は通過します。)

ちなみに有名私立でGPA3.2、適性200の人が足切されたと聞きます。僕からすれば全然悪くないじゃんと言いたいスペックですし、これぐらいで足切されなかったひともいます。おそらく単位のとり方が違った(同じ3.2でも全部法律科目や数学経済・理系など文系が取るのが難しそうなものばかりの人と、人気が無いから出席で優なんだろうなみたいな科目ばかりの人では、評価が違うのは当然です。また、そもそも取得単位数が少ない場合卒業できるか怪しいというのもあります。)のではないかなと思います。

それはともかく、足切ラインはどうなっているのか。無責任な予想ですが、外部の方は適性の点数+GPA×100が550を切ったら足切されうる~500以下だと足切濃厚、こんなもんじゃないかなと思います。もちろんGPAも京大だったら高く補正してくれるはずとかFランだったら低く補正するはずとかいろいろ言われてますが、そんなこと考え出すときりがないですからね。おおよそ上記ラインを参考にしつつ、といったところでしょうか。
まぁでも適性ひどかったけどGPA4だったおかげで足切免れましたーって人は二次で容赦なく落とされるので、それよりは適性も成績もそれなりにダメだったからか足切されたんで一橋受けますって人の方が二次で受かるかもしれない以上幸運と言えるでしょう。
ま、自分にも言えることですが成績悪いのは自業自得な面もあるでしょう。昔ほどの好成績でなくても今はバンバン二次に進める、という事自体、有り難いことなのかもしれません。足切されるかもしれないってだけで文句を言うくらいなら成績をきちんととっておけということですよね。

あ、英語は最低限とれてればいいそうです。大学入試を経た方なら問題形式に慣れておけば絶対取れる点数である500あれば余裕です。

追記以上



②外部との比較
外部の方には失礼だと思うのですが、東大法学部内では、試験内容も膨大・競争する生徒も優秀・しかし優には人数制限アリ、となっているので外部の優と東大法の優では価値が違う!と考えられています。これは期末試験で毎度生命と青春のいくらかを削り苦楽を共にしている感のある東大法学部生のコンセンサスみたいになっているところがあって、東大出身の教授側も確かに同列に評価できないと思っているようです。ということでどうなるかというと、おそらくロー入試での評価の際に東大法学部ならGPAは水増しすることになっているのだと思います。具体的には+0.5くらいされているのではないかなと思います。あるいは他学部の人をマイナスするのかもしれません。(これはたぶんです。)
これを内部優遇というのはもっともだと思います。実際優の価値は違うかもしれませんが、僕のように良や可の人まで+0.5してもらえるというのはありがたいけどせこくないかなとも思います。とはいえ外部の方は自身の所属のローにおいて優遇してもらえるでしょうから、おあいこということでご了承ください。

何が言いたいかというと、外部私立の方はとくにGPA4に近い好成績をとってきます。それと自分の成績を比べた瞬間勝負はついてしまった…と思うかもしれませんが、実際は東大だということで考慮してもらえるでしょうからそんなに差はないよ安心して、ということです。
ま、そもそも①で言ったとおり成績はあまり関係ないようですけどね。


③いい成績を取るために
とはいえ悪いよりはいい成績の方がベターなのは当たり前。そこでここでは今思えばどう期末を対処すべきだったかというのを書いていきます。なお政治学などの法学以外の科目はいまだにコツがわからないので書きません。ただ、政治学は必修ですし、法学系科目だけで必修90単位埋めるのは難しいことから政治系にも手を出さざるを得ないでしょう。ローには役に立たないので、できるだけ早めに、かつ最小限とることを勧めます。(自分は政治学と国際政治のみ取りました。)

では何を主軸に学ぶかというと、基本的にはシケプリです。シケプリを、自分の言葉でノートに簡単にまとめなおすのです。この時、必ず六法を引いてください。そして、各学説など先生がどんどん行っていくと思いますが、それを自分なりにまとめるのです。書き写すのでは駄目。自分の言葉で変換すると覚えられますし、またわからないところが浮き彫りになってきます。わからないところは教科書に立ち返り、あるいは自分で表を書くなどして整理しなおしてみればいいのです。
こうすることで、教科書を読むだけではわからない、教授にとって今アツイ部分がわかります(そういう部分はだいたいよく喋るので)。で、そういうところから出題されますから、自分でまとめておけば、あとはそれを答案上で繰り返すだけだという事になります。

このまとめ、中途半端にやっても意味が無いです。その部分については教科書を駆使して完璧に理解し、そして完璧に整理しましょう。これさえ覚えれば終わり、というノートを日頃から作っておく。そうすれば直前になってあわてることもありません。2年生は慣れてないかもしれませんが、そのための夏休みです。

もちろんまとめなおすだけでは不安かもしれません。その場合は事例問題につきロープラクティス(行政法は行政法解釈の基礎、刑訴は古江本で代用)で慣れましょう。またどういうことを考えてどういう解答例ができるのかをみたければ論文の森もいいと思います。(もっともこれは多論点型なので自分の知らない範囲が混ざってきやすいですが)
一行問題は勉強しているうちに「この点についてはやけに議論が多いんだなぁ」と思うはずの論点について、その議論を全部書けという問題ですから、ノートに自分なりにまとめをしていればそれを繰り返すだけです。まぁ事例問題だと事例を見ていくうちにどんどん論点を思い出していくものですが一行問題は一から思い起こして書かないといけないので難しいっちゃ難しいです。
といっても今まで1行問題は刑法でしか見たことは無いです。商法のは用語説明でした。
刑法は、自分の時は各論において1、横領と不法領得の意思、2、コピーと文書偽造、という問題が出されました。どちらもまず横領および文書偽造という、本問で焦点の当たっている罪について、判例学説で確立した構成要件(これは暗記しないと駄目)を書きます。で、そのうちどの要件が問題となっているのか、その要件の解釈につきどんな学説判例説があって、それによって各々どういう結論になるのか、そして最後にどういう理由でどの解釈を取るべきなのか、といったことを説明するのが一行問題です。
こう書くとわかりますが上のようなことは本来事例問題でもどの論点について厚く書くかの判断の際に思考しているはずですし、日ごろの復習の際のまとめとも似ていると思います。事例問題よりは実力が問われますが、逆に下の方の人は本当に出来ないためきちんと書けるだけで優がきます。自分は取れませんでしたが、しっかり準備すればとれるはずです。

また通学時間や暇な時間に短答問題で知識の確認をするのもいいでしょう。穴が見つかります。

これでだいたい優はとれると思います。余計に何か本を調べて…ということは必要ないです。憲法は自分で判例集を見てテーマごとに変遷をまとめるといいかもしれませんが、それ以外は基本的にシケプリ基準で足ります。もちろん言ってることがわからなければ教科書を見る必要はありますが、だからといって言ってないことまで手を伸ばす必要はありません。

経験上ですが各問題の核となる論点において、自説(有力学説にしろ判例にしろ)に従い、きちんと条文を指摘しながらなぜその自説を取るのかを論じ、適度に反対説を批判して自説を補強しながら、きちんとあてはめて処理できた、のであれば基本的に優です。ただ授業を聞いていたかのチェックとして普通は教科書に載っていないような立法論や新説を教授は自説として特に厚く述べるので、その論点に関してだけはその教授の議論をまるまる再現できてしまうくらいになっておき、解答用紙で再現する。これができればどの法律科目でも優確定です。

自分は良2可4→良6優0.5→優2.5良1可2→優3.5→今学期1個とって終了となっています。こううなぎのぼりなのは、科目数が減って楽になったのもありますが、法律科目の試験をどうやるか、またどのくらいの時期からやれば間に合うか慣れてわかってきたからだとも思います。自分のように試験1週間前になって愚痴を垂れるのではなく、その学期が始まったころから勉強して下さい。成績自体は関係なくても、勉強したことは必ずロー入試に役立ちます。

ちなみにゼミはとりましょう。交友関係も広がりますが、何より教授・およびその優秀な御弟子さん(ロー生だったり助手だったり実務家だったり)から貴重な話が聞けます。(就職にぶれていた自分が東大ローにやっぱり行きたいとなったのも、教授・先輩方の影響です。)しかも普通にやればほぼ優確定です。必修は1学期分にすぎませんが是非毎学期取りましょう。

追記
あと特に2年冬の民法刑法については、無理せず放棄することも大事です。もちろん夏から真面目に勉強していれば優は取れるんですが、たぶん大多数の人は秋からそろそろやるか…って感じだと思います。そうすると初めての法学、なかなかコツというか核がつかめないまま試験に向かい、中途半端にとりあえず暗記を吐き出した答案を書いてしまう事でしょう。
もちろんそういう低レベル答案を書いても周りも初心者が多いので良あるいは可には収まります。不可にはなりません。しかしこれが逆にいやなところで、不可・欠席・放棄でない限り成績は確定してしまいますから、慣れてきた3年冬で再チャレンジという事が出来なくなります。現に僕は民法は可、刑法は良で確定してしまいました。あの時放棄してればなぁと3年冬に何度思ったことか。というのも3年夏冬の授業に追いつこうと必死であれば、2年の内容は前提知識と必須なため覚えますから、自動的に3年冬時には2年冬法律科目など楽勝という状況になっているのです。
否が応でも3年夏にさらにレベルの高い民法2部刑法2部商法行政法などが待ち受けているわけなので、2年冬を放棄してもその分勉強しないというのであれば結局3年夏でも求められたレベルには到達できないでしょうから無駄です。そうではなくて、2年秋から始めたのだが、スタートが遅かったのか2年冬には残念ながら間に合わなかった、3年春には追い付けると思うしそのために努力は続けるから、撤退しよう。こう考えて放棄することは、決して恥ずべきことではないということです。
どうせ受けないなら欠席でいいじゃん、と思う方もいるかもしれませんが放棄は問題を見た後で「やっぱりやめた」ができる制度です。つまり一応受けてみて意外と優をとれそうならそのまま受けて、やっぱりだめなら来年のため撤退ということができちゃうんです。活用しすぎると理想ばかりが高くなり来年に回し過ぎて結局パンクしますが、程度を守れば便利な制度です。(自分は男気じゃーとか言って一切放棄しませんでしたが今思えばアホです)
3年生の科目となると4年生に回ってしまうことになりますから、特に必修科目は1つでも落としたらアウトという状況になってしまいます。その必修を万が一寝過ごしたりすると即死です。仮に4年に回すならなるべく必修でない科目を、回すとしても1,2個にして4年はとにかくそれを落とさないよう全力で挑む、とするべきです。そういう意味では2年冬の民法刑法は3年冬、4年冬と2度回せるチャンスがあるので、より撤退得な科目と言えます。
あと撤退するなら法律科目です。ロー進学希望者なら自動的に3年夏冬と法律知識を鍛えることになりますから自然と再チャレンジ時の法律スペックの方が高い状態になるわけで、だから無理そうなら放棄して来年に回しなさいと言うわけです。政治系は別に来年にしたからといってスペックが高まっているとは限りません。3年夏からは法律科目だけ焦点を当てて勉強していけばいいという状況にした方がいいですから、2年冬にできるだけ政治系は取ってしまうべきでしょう。
あとこれは自分だけかもしれませんが、政治系というのは単位が来てるかどうかの確信がまったく持てません。(依拠すべき判例学説等の知識が無いため答えが不確定だから。)特に4年生の時に政治系をとらないと留年という状況に置かれると精神にくるものがあるので、回避すべきです。
まぁあんまり放棄しすぎても後が辛くなるだけですが、少しでもいい成績をみなさんがとれるように、放棄の適度な活用をお勧めします。



以上です。

後日追記
東大ロー以外の情報を書いていませんでした。早稲田にしろ慶應にしろ学部成績は影響します。ただ早稲田だとおそらく免除になるかどうかの際に見られるだけですし、さらに慶應は足切の際のみ見る(しかも比率は低い。短答で余裕で巻き返せる)と明言しています。実際自分の当時の成績2.8だか2.7でも普通合格は出来ていますから、気にするくらいなら迷いを振りきり法律科目やりましょうという話です。