Plutchik(プルチック)という心理学者が考案した、
感情の輪という色彩立体図がある。
グリーフワークにおいて、人の感情を知ることは大切だと思う。
感情で検索していたら、たまたま行き当たった。
まだ見たことがなかったので、興味がわいた。
日本語訳もあったが、自分でも訳してみるついでに、
暇つぶしに、理解するためにも図に画きおこしてみた。
また細かいことをと思うかも知れないが、
こういった作業はデザインやってるおれにとって、
写経みたいなものなのだ。妻へのおもいに関連した作業は、
心が落ち着くのだ。

<図1>クリックで拡大できます
kanjou_2D_001
図の見方は、色づけされた花びらのようなものが、
純粋な情動で、一次感情と呼ばれ8つに分類されている。
色の濃淡は情動のレベルを意味する。
例えば、激怒なら色が薄くなっていくにつれ、
激怒>怒り>苛立ちというように弱くなっていく。
それぞれの情動には正反対の情動があり、
それが対極に置かれている。
例えば、恐怖なら対極は激怒といったように。
そしてこの一番色の濃い情動は同じには存在出来ない。

グレーで表されている部分は、隣り合った花びらが、
結びついて生まれる新たな感情で、これが複雑な感情を
生み出しているという理論らしい。
例えば、喜びと信頼が結びつけば愛が生まれる。
学習や環境、理性などが加わればもっと複雑になるだろう
から、これだけで感情を理解するのは難しいが、
こういう情動が複雑に結びついて、混合色になったものが
日常の行動や思考のもとになってるのかと考えると、
参考になる。

図を見て分かるように、悲しみと喜びは対極にあり、
簡単に結びつくことはない。
だから、悲嘆のまっただ中にいる人が喜びを感じることが
出来ないのはこの図から一目瞭然だと分かる。
「元気を出しなさいよ」とか「楽しいことを考えれば」
などと励ます人がいたら、この図を見せて、
青から黄色には行けないんです。あなたのように、
頭の中が黄色だけの人には分からないのです。
と言ってあげればいいのだ。

図1は展開図のようなもので、本来は立体図なので、
これを組み立てると図2のようになる。

<図2 立体モデル>
kanjou_3D_001
基本の8つの感情はいつも同じ比率で存在している訳では
なく、この立体図を一つの心と見なすなら、
悲嘆にくれているときは、図2の右側のように青だけに
なっているのだろう。
この青色の中に居続けても、新たに生まれる感情は、
失望や自責の念ばかりということになる。
もちろん悲嘆を味わい尽くすことは大切で、
人によってもその期間は違うだろう。でもいつかは、
喜びや安らぎがないと人は生きていけないと思う。
じゃあどうやって黄色や緑に行けばいいのだろう。
映画を見たり、ちょっと運動すれば気分が元に戻る
のとは訳が違う。だからみな悲嘆に苦しめられているのだ。
これが新手のルービックキューブのようにくるくる回して、
青と黄色が並べばいいのだが、そうは行かない。

もう一度、図1を見てほしい。
おれが注目したいのは緑と黄色が生み出す「愛」の感情だ。
はたして愛は感情なのかという議論は確かにある。
ここでいう愛がどういう愛なのかは分からないんだけど、
おれは愛は理性であり決断であり実行だと思っているが、
その源となるのは愛しているという感情だと思っている。

敬愛や恍惚、信頼や喜びが愛を生み出すことを、
この図は物語っているのだが、その逆はどうなんだろう。
愛を先に感じちゃえば、喜びや安らぎといったものを、
取り戻せるのではないだろうか。逆をたどるのだ。
決して無理なことではないと思う。
なぜなら、悲嘆に苦しむ人は愛を知らない訳じゃない。
愛の深さゆえに悲しんでいるのだ。
だから、愛する人の愛をもう一度感じればいいのだ。
愛されていることを思い出し、実感すればいいのだ。
kanjou_3D_002下に向かって先細っていく、
先端でもいいから、かすかな
愛を感じることが出来たなら
それを足がかりにして、
そこからよじ登って行けば
いいのだ。
いつか大きな愛を感じれば
いいのではないかと思う。
現におれは妻が他界して、
喜びを感じたから愛を感じれ
たのではなく、妻の愛を感じ
ることが出来たから、
喜びを感じることができた。
結局おれはすでにそれを実行
しようとしていたのだ。

プルチック理論の色彩立体モデルと、
グリーフワークを結びつけるにはちょっと無理があるかも
知れないが、おれは学者じゃないから何でもいいのだ。
役に立ちそうなことがあれば何でも利用するのだ。
知識として知っておけば、何かヒントになるかも知れない。
知識は知識でしかないけど、いつか必ず体験と結びつく。
努力で身につけるものが知識なら、
それを応用するのが知性だと思う。つちかった知恵だ。
とまあ、こういった作業と体験を積んでいけば、
いつかきっと、黄色い感情を妻と一緒に味わえるんじゃ
ないかなあと思っている。どうだろう。

 にほんブログ村 家族ブログ 死別へ←よろしければクリックお願いします。
にほんブログ村