個人凍死家テリーの投資生活チラシの裏

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さて今回は、前回の「配当を総合課税で申告してみよう!」に引き続き、配当のお得な受け取り方の一例を「配当控除」という制度に着目して解説してみたいと思います。

2017-03-02 (36)

今回ご出演いただくのは、いわゆる優待族と呼ばれる、株式の優待に魅力を感じて国内株を保有なさっておられる「優待 トリ夫」さんです。トリ夫さんは大橋さんと同様の理由で三人組ではありません。

優待トリ夫さんは会社にお勤めで、別添のような源泉徴収票を貰って来ております。
まぁ、毎回おなじみの年収300万円、配偶者専業主婦、社会保険料50万円といういわゆるモデルケースの源泉徴収票です。
H28_優待トリオ

ここではまず最初に、優待さんの所得税率を確認しておきたいと思います。
優待さんの源泉徴収票を見ますと、給与の支払い金額が300万円、給与所得控除後が192万円です。
ここから基礎控除(38万円)、配偶者控除(38万円)と社会保険料控除(50万円)の合計が「所得控除の合計額」で126万円となります(源泉徴収票右側に記載あり)。
優待さんの課税所得額は 192万円 - 126万円  =  66万円 となります。

ここで所得税の税率と税額を計算する速算表を見てみましょう。

速算表

優待さんの場合、課税される所得額は66万円ですので、税率は5%の枠内にあることがわかります。
所得税の税額もここ速算表で見ると簡単に計算でき、66万円×5%=33,000円であることがわかります。

ただし、現在、復興特別所得税としてこれに2.1%の上乗せがあることから、両者を合わせた税額は 33,000× 1.021=33,693円 となります。
所得税の徴税時には100円未満の端数は切り捨てするそうで、優待さんの場合の課税額は33,600円となり、まさに源泉徴収表に示された源泉徴収額と一致します。

今後、皆さんが今回説明する配当控除を利用したほうがいいか否か、はこの所得税率に依存しますので、皆様ご自身が配当控除を利用するか否か(配当控除の利用というよりは前回説明した総合課税制度を利用するか否かなんですが)を決める際にはこのご自身の課税税率を覚えておいてください。

今回の事例では所得税の税率が5%の給与所得者の方、ということになります。

さて、前段階の説明と確認をしたところで、今度は配当のお話。
優待さんは毎年、利尻産のバフンウニを送ってくれる優待狙いで北海道屈指の水産物加工会社「雲丹黒」の株式を保有しているのですが、その会社からは年2回配当も出たようです。配当の明細を見てみましょう。

配当3
バフンウニ1kgを送ってもらうために必要な株数を考慮し、保有株数は10000株(大株持ちですな!)、雲丹黒の年間配当は1株当たり合計10円です。
優待さんの元には年間10万円の配当が来るはずですが、前回の記事で説明し、既に皆様ご承知のとおり、配当は源泉徴収されており、優待さんの手元にはそれが差し引かれた額が振り込まれます。
源泉徴収額は国税(所得税+復興特別税)が15,314円、地方税が5,000円です。

では、今回は前回の「配当花子さん」の例に準じて、配当を総合課税として確定申告書を作成してみましょう! 
前回と同じく、最初の生年月日等を入力するところに関しては 幣ブログのこちら を参照していただき、「収入金額・所得額入力」の画面から説明をはじめます。

まずは給与所得の入力です。源泉徴収票の数字を参考に、入力を済ませてください。
給与所得の入力画面は幣ブログの過去記事  をご覧いただければと思います。

優待さんの場合、給与所得控除後の金額として、192万円の所得が入力された状態が以下の絵になります。

2017-03-02 (25)


続いて配当所得の入力です。
2017-03-02 (25)2

配当所得を入力するを押すと、下記の画面となります。
今回も一般口座を使用しているという設定で、下記のように入力します。

2017-03-02 (1)

ここで「特定口座以外での配当」を入力する を押すと下記の画面になります。
2017-03-02 (2)
ここは「総合課税を選択する」を選びます。ここは今回説明する配当控除を受けるためには特に大事です!
その上で「個別に配当等を入力する」の 「入力する」ボタンを押します。

2017-03-02 (29)

すると、いろんな項目を聞かれますので、例に倣って記入してください。
今回重要なポイントになるのは、

ロ 支払通知書の内容のうち、次の事項について選択してください。

の項目です。このうち、「外貨建資産割合」という項目が超重要入力項目(←ここ試験に出ます!)で、東証上場の国内企業である(株)雲丹黒への投資は外貨建てではなく、この選択は「1 記載なし 又は 50%以下」となります。

入力の結果、下記のように確認が出来ます。
2017-03-02 (30)

次へ進むと、配当の明細を入力済だよ。ということが確認できます。


2017-03-02 (6)

2017-03-02 (7)

さて、次へと進めていくと、総合課税の所得の項目、給与所得192万円に加え、配当所得10万円が記載されました。
2017-03-02 (33)

続いて所得控除の入力ですが、ここは給与所得の入力時に、源泉徴収票の数字を転記しており、社会保険料控除50万円は自動的に入力されているものと思います。最後に基礎控除38万円も自動的に書き込まれています。

2017-03-02 (34)

続いて税控除の項目です。
ここで新たな発見があります。最初の行の「配当控除」1万円です。ここが今回の記事のキモになります!
詳しい解説はあとに譲り、ここでは「なんだか知らないが配当控除っていうのがついた」だけ覚えておいていただければ結構です。

2017-03-02 (35)

さて、ここで数字の入力は終了。先へ進みますと税額の自動計算が行われます。計算結果を見てみましょう!
2017-03-02 (36)

還付額は20,326円です。と出ました。還付です。しかし、ちょっと株式の配当明細書を確認してみましょう。
配当3
配当の源泉徴収で引かれていた国税は7,657円×2回で15,314円でした。
還付額は20,326円。あっ、源泉徴収された所得税より還付額増えてる!

なんでや! ってなります。そのマジックのタネは先程説明を省いた「配当控除」にあります。
最終成果物の確定申告書1ページ目を見てみましょう。
Yutai

所得は緑線で示した配当所得(総合課税)と給与所得です。
これに基づいて計算された「課税すべき所得」は76万円になります。(右欄最上部)。
確定申告をする前の「課税すべき所得」は66万円(ただし配当については源泉徴収済)でした。(本記事の最初のほうを振り返ってみてください)。10万円の追加は配当を総合課税にした分と一致します。

さて、その上で税額の計算です。優待さんの税率は5%でした。10万円所得が増えても5%でOKです。
計算すると76万円×5%=38,000円となります。(確定申告前では66万円×5%で33,000円でした)
これが右欄2行目の数字になります。
そして3行目。これが今回大活躍の「配当控除」です。

配当控除の制度の趣旨を簡単に説明します。
(知らなくても困らない追加情報)

日本国内の企業ががんばって活動し、利益を上げます。そしてそこから日本国政府に法人税を支払っています。一方、株主はその法人税が引かれた利益のうち一部を企業から還元されます。それが配当です。しかし、先程からお話しているように、実は配当には個人所得税が課税される仕組みになっています。
そうすると、一度法人税課税された利益(の一部)が所得税で二重課税されるじゃないか、それはおかしいだろう! ということで、その問題を修正するために設計された「政府がずるいのを補正する制度」です。
「日本国政府」とわざわざ書いている理由は、仮に法人税が外国で支払われた場合、実態として二重課税になっていない(日本国政府が二重取りはしていない)。からで、そういう理由から、外国株式等ではこの配当控除を受けられません

そこを区別すための入力項目が配当課税の入力フォームにあった「外貨建資産割合」という項目になります。今回優待さんはここを「無記載または50%以下」と入力し、国内企業で配当二重課税されてますよ、という宣言をしていることになります。
配当控除の額は、本ブログの読者層であろう上場株式を保有する個人投資家の場合、配当額の10%、と覚えておいていただければ十分です。

さて、税額の計算結果を見てみましょう。
この配当控除1万円の効果により、所得税額が38,000円から28,000円に減額されたわけです。

配当控除を受けるためには大事なことがあります。それは「配当を総合課税として確定申告する」ということです。今回は配当控除を得るために、優待さん、総合課税を選択して申告書を作成しました。

では、総合課税にしなかった場合と確定申告をしなかった(申告不要制度を選択して放置した)場合と比較してみたいと思います。
まず前提として、最初に源泉徴収票、配当明細書を掲げたとおり、給与所得の源泉徴収として国税33,600円と配当所得の源泉徴収として15,314円が徴収されていることを確認したいと思います。その上で比較します。
比較2

左が総合課税を選択した場合、右は配当を申告せず源泉徴収で済ませた場合(を想定して無理やり申告書を作成した場合)です。申告分離を選択して申告書を作成しても、最終的な税額は右側と同じになります(還付も追納もない)。
総合課税&配当控除の効果として、国税で20,326円の還付を受けることが出来るわけです。

さて、ここで2万円の還付を受けることができると聞いた優待さん、この2万円で飲みに行ってぱーっ!と使うことにしたそうです。しかーーーし! 優待さんには大きな落とし穴があります。

それは住民税です。

実は源泉徴収と総合課税で所得税・住民税の税率が異なるのです。

所得税(復興特別税を除く)
   源泉徴収の場合: 15%
   総合課税の場合: 所得次第(累進課税) ← 優待さんの所得では5%

住民税
   源泉徴収の場合: 5%
   総合課税の場合: 10%(所得額に関わらず)

合計して

  源泉徴収の場合: 20%
  総合課税の場合: 優待さんの場合5%+10%=15%
 

優待さんの場合、住民税について、源泉徴収税率5%で納税済です。配当10万円の5%で5,000円です。
これは確定申告書の「住民税・事業税の関する事項」の「配当割額控除額」欄を通じて地方自治体に源泉での納税済額が通知されます。

Jyumin
一方で、地方自治体は総合課税で10万円増額された所得をもとに住民税を計算します。
ただし、住民税にも「配当控除」があり、配当の2.8%が課税額から控除されます。
(ご参考: 岡山市「税額控除および配当割額・株式等譲渡所得割額控除」 中段あたりに記載あり)

すなわち、計算上、総合課税で確定申告することにより、住民税額は10万円の10%で1万円と計算された上で、地方税の配当控除2.8%、すなわち2,800円が差し引かれた7,200円が配当部分から支払わなければならない住民税額となり、そこから源泉徴収済の金額5,000円が差し引かれて6月以降に税額が決定されます。
従って、優待さん、所得税の還付に浮かれて2万円を浪費してはいけません! 2,200円はとっておかねばなりません!

さて今回は、国内株式の配当について、総合課税で確定申告をすることにより、申告分離課税や申告不要制度を利用したときとは違うスペシャルな制度「配当控除」によって税還付を受けられる(ただし住民税のことも忘れるな!)ことを説明いたしました。

さきほどの所得税の累進課税税率をご覧いただければわかるかと思いますが、本制度を利用して最も多く還元を得られるのは「所得税率5%の所得層の方」になります。(10%の方も配当控除によって還付になりますが効果は弱めです)

「所得税率5%の所得層の方」となると、真っ先に思いつくのは若手の勤労者の方です。
インデックス投信等で分散投資するのも確かに大事ではあるのですが、国内部分に関しては、優待等の恩恵を受けつつ、国内の高配当株を分散して所有していく戦略もアリなのかもしれないと思います。


また、大事な点ですが、配当控除は「課税所得がない方」には適用されない(支払うべき所得税があればその一部分をおまけするのであって税金ゼロのひとにお金をあげる制度ではない)ので、前回の専業主婦の方のような例では効果がないことも大事な事項です。

これまでに主に給与所得者の方向けに確定申告書の書き方等をお話して来ましたが、今回はちょっと趣向を変えて専業主婦の方の例を使って、配当の総合課税による確定申告の事例を見てみたいと思います。

これまでお話したとおり、配当課税の方法については、
・申告不要制度による源泉徴収
・申告分離を選択することによる確定申告(外国税額控除を利用したい場合は申告不要制度を利用してはダメ!)
・総合課税を選択することによる確定申告

があります。
これまで、給与所得者の方の場合では、「申告分離を選択することによる確定申告」を主に御説明してまいりましたが、今回は「総合課税を選択する」ことによって、結果的に配当非課税になる例を、収入がまったくない専業主婦の方を例にして申告書を作成しながら解説していきたいと思います。

今回のモルモットは先日外国税額控除の説明で御出演願った、配当次郎さんの奥様、配当花子さんです。
配当花子さんは専業主婦で、基本的に収入はありません。
普段何してるんだ、とかいう野暮な質問の回答のために、様々な架空の設定を書き始めると別の面で炎上しかねないのでそこは割愛し、本題の配当所得について見て行きたいと思います。

今回御出演いただいた配当花子さん。御主人の影響を受けてか、なぜか米国株を所有しています。(そういう設定だから)

花子さんが保有する株は、オリンピックで使用される聖火台関連のグッズや米国国内の寺院向けロウソクの生産で独占的なシェアをもつ有名企業、「セトーチ・エンド・ジャクソン」社。ファウンダーは三歳の娘を残して駆け落ちし、15平方ヤードの倉庫でこの会社を興し、現在の規模まで大きくしたという、まさにアメリカン・ドリームを体現した会社なのですが(そんな余計な設定要らんって?)
まぁ、その「セトーチ・エンド・ジャクソン」社からは下記のとおり、年1回だけ配当が出ました。

現地通貨建てで税引き前2000ドルですが、そこから米国で10%の源泉所得税が引かれ、そこからさらに国内で約20%の源泉所得税が引かれ、花子さんの元には約7割の14万円ちょっとに相当する米ドルが振り込まれました。
配当の明細書に記載のとおり、配当邦貨換算20万円から、米国で20,000円、日本国内で36,567円が源泉徴収されています。
外国配当(妻)修正済 - コピー

ここで花子さんは確定申告をしなかった場合、どうなるでしょうか?
確定申告をしなかった場合、花子さんは申告不要制度を利用したとみなされ、課税関係は終了していることになり、税務当局に一切の個人情報を渡すことなく配当から56,567円が引かれて終了です。何もしなくても(優良納税者として君臨することになりますが)一向に構いません。

しかし、ここで確定申告をし、三番目に示した「総合課税を選択」すると劇的な変化が現れます!
では実際に申告書を作成してみましょう。
最初の生年月日等を入力するところに関しては 幣ブログのこちら を参照していただき、「収入金額・所得額入力」の画面から説明をはじめます。
2017-03-02 (0)

花子さんの場合、御主人と違って給与所得はありませんので入力は不要です。
その代わり唯一の所得である「配当所得」の欄の入力を行います。

配当所得の入力欄ではいろいろ聞いてきますが、今回はこの絵に示したように入力します。
今回、花子さんは「一般口座」を使用しているという設定にいたします。

ここで「特定口座以外での配当」を入力する を押します。
2017-03-02 (1)


すると、課税の方法の選択肢が出てきます。ここは「総合課税を選択する」を選びます。ここ大事です!
2017-03-02 (2)

その上で「個別に配当等を入力する」の 「入力する」ボタンを押します。

すると、上部には「総合課税です」と表示されますので確認してください。
2017-03-02 (3)

続いて配当の内容を転記していきます。
ここで若干ややこしい項目があるので補足説明です。
2017-03-02 (5)



イ 支払通知書の種類を選択してください

と出ますので「1 上場株式配当等の支払通知書」を選びます。証券会社から送られてきた配当の明細書のことですね。

続いて

ロ 支払通知書の内容のうち、次の事項について選択してください。 と出ます。

ここでは配当(または分配金)が外国企業からの配当なのか、それとも国内企業からの配当なのかを聞いています。これは、次回以降に説明する予定の「配当控除」というものを算出するのに必要な入力項目で、ここで「国内企業からの配当」だと、後に配当控除という「税金のおまけ」がついて来ます。配当控除については今回は詳しく触れません。

今回、花子さんは外国企業からの配当ですので、ここは外貨建資産割合「75%以上」を選択します。
また、非株式の割合を聞いてきますが、これは投資信託等の場合に効いてくる項目で、今回は株式そのものですので「無記載または50%以下」(非株式=0%ですから)になります。

そしてその下には会社名収入金額(ここには米国で10%源泉徴収された後の額が入ります)、源泉徴収額を入力します。(これは配当の明細を見れば簡単に入力できるはずです)

そしてその入力が終わると「入力有無」欄にチェックがはいって入力済であることがわかります。
2017-03-02 (6)

さらに進むと、ひとつ前の画面に戻り、配当のところは「入力済み」(配当は総合課税を選択)ということがわかるようになります。
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次に進むと、収入の画面に戻り、総合課税の欄に先ほどの配当収入18万円が入っていることがわかります。

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また一方で、下段の「分離課税の所得」の「上場株式等に係る配当所得等」の欄には「総合課税の配当所得の入力有」と表示され、数字は入っていない状態になっています。要するに「ちゃんと総合課税にしたので、分離課税じゃないよ」ということを示しているわけです。
2017-03-02 (9)


次へ進むと「所得控除入力」画面です。
2017-03-02 (10)
花子さんの場合、社会保険料も特段支払っていませんし、入力できる項目はありません。
基礎控除である38万円(納税者全員が控除できる金額)だけが自動的に入力されています。
今回の花子さんの場合、実はこの基礎控除がたいへん重要な項目となっていますが、そこはまた後で説明いたします。

続いて税額控除欄ですが、今回、花子さんは今回、空欄で提出することにします。
2017-03-02 (11)

追加情報:
 花子さん、マニア向けにはここで外国税額控除の入力をしたいところなのですが、混乱する可能性が高いので、今回は申告しないことにします。なお、仮に申告しても本年は外国税額控除によって還付される税金はありません(お預けになります)
 マニアはマニアの記事を何回も読み直していただければ、上記の内容はマニアゆえに御理解いただけるものと思います。

そして次へ進みますと、なんと、計算結果確認で「還付される金額は 27,567円です。」と言われます。
これはすごい! 27,000円超ですよ、奥さん! 旦那に内緒でバッグ買えちゃいますよ、奥さん!

2017-03-02 (12)


さて、ではなぜこんなに多くの額が還付されるのでしょうか?
その理由のキモは先に述べた「基礎控除」にあります。

基礎控除はすべての納税者に与えられた「下駄」です。この金額までの所得は所得税を課税しないよ、という額なのです。
今回の花子さんの場合、配当所得は18万円でした。これは基礎控除の範囲内です。
すなわち、花子さんは(所得税については)38万円までの配当等(ブログやってたりしたら、それらの収入も全部含んでですが)は非課税でいいのです。※住民税については基礎控除額が33万円でその他細かい課税の仕組みがあります(今回は割愛します)

おっと、ここで花子さんにはさらに嬉しいお知らせがあります。
花子さん、配当の源泉徴収課税にあたり、国税である所得税だけでなく、地方税である住民税も支払っていました。実はこれも還付されます。奥さん!バッグ買った帰りに「いきなりステーキ」で1kgは食べられますよ!

確定申告書の第2表下部を見てみましょう。ここには住民税に関する項目があり、「配当割額控除額」という項目があります。この情報が国から各地方公共団体に行き、花子さんは既に納めている本来払う必要のない住民税が還付されるのです。
住民税


ただし、市役所の税務職員がボンクラでなければ、の話ですが。

ボケナス


本来、花子さんの配当の金額は基礎控除内ですので、配当に係る国内の課税は本来されないことになります。本来はされないはずなのに、証券会社が制度上、勝手に徴収してしまっていたわけです。今回還付される国税27,567円+地方税9,000円というのは、この源泉徴収された所得税+住民税の金額で、預けていた税金が返ってくる(還付)なわけです。
外国配当(妻)修正済

ただし! ここで大事なのは、この配当所得を確定申告をし「総合課税にする」(この事例では申告分離でも確定申告をすれば全額還付になるのですがそうなる理由の詳細は解説が大変なので今回は割愛)ということです。

配当の課税方法としては最初に述べたように、
・申告不要制度を利用
・確定申告して申告分離を選択
・確定申告して総合課税を選択

とありましたが、上記2種は計算を「分離」して課税してしまうため、花子さんのように所得のない方、あるいは所得があり課税されているが、所得が少ないので税率が低い方(税率5%で収まっている方)は総合課税にしたほうが、所得税+住民税の計算の上ではお得になります。

分離課税の場合: 所得税+復興特別税=15.315% + 住民税5% = 合計20.315%
総合課税(基礎控除範囲内の場合): 所得税+復興特別税:0 + 住民税 0 = 
総合課税(所得税率5%の場合) : 所得税+復興特別税:5.105% + 住民税10% = 合計15.105%
このように、比較的収入の少ない方については、総合課税を選択することにより、配当について非課税で全額を受け取る(もしくは課税が少なくなる)ことができるのです!
ということは、いろいろな事情で低収入の方については、これを利用することで高収入の方と比べて有利に配当を受け取ることができるわけです!

(謝辞)申告分離を選択してもこの事例では全額税還付になるよと教えていただいた方に感謝します。


ここで配当さんのご家庭のような大黒柱と専業主婦(夫)のご家庭の場合の投資戦略として、

大黒柱: 分配金の出ない投資信託で長期投資や成長は予想されるが無配が続きそうなグロース株
      (無分配の投資信託の配当相当額は基準価額に上乗せされており、いずれ売却時に課税されることになります)
(所得のない)配偶者: 高配当株(ブルーチップ)を保有して配当を満額受け取る

というのは悪くない戦略だと私は考えます。

※大事な注意点

今回のお話は、国税(所得税)と地方税(住民税)に関してのみお話いたしました。
総合課税で配当所得を申告することで確かに税金面では還付が受けられるのですが、その他の社会保険制度(健保等)、会社の扶養補助制度(扶養手当、住宅手当等)については、課税額ではなく、配偶者の収入(所得ではないことに注意!)で判断することもあります
これらの制度は組合次第、会社次第の独自ルールで運営されていますので、配偶者の方が確定申告をすることでこの独自ルールに引っかかり、手当等の減額の形で「結果的に損をする」可能性もあります。
このあたりは、扶養者(この事例の場合は御主人の配当次郎さん)がお勤めの会社や市区役所・町役場等、社会保険を所掌する部署で個別にお聞きになることを強く推奨いたします。

これまでに、一般口座で株式譲渡益がある場合の確定申告書の作製法について説明してまいりました。
今回は応用編マニア編として、外国株式を保有し、配当を得た方の「外国税額控除」について説明していきたいと思います。これをご覧いただければ、確定申告における外国税額控除の書き方がおわかりいただけることと思います。

※その6に相当する、申告書の最終作成過程の記事は飛ばしてまず気が向いたこちらの記事を先に出します。

まずはモデルケースの題材となってくださる方にご登場いただきましょう。
今回ご登場いただくのは「配当次郎」さん。
源泉徴収票は以下の通りです。
H28_配当次郎3
え、どっかで見たことある源泉徴収票ですって?
は、はい。ごめんなさいごめんなさい。前回ご登場いただいた「妻帯太郎」さんと氏名、住所、勤務先違いなだけで金額一緒です。(まぁ要するに手抜きです)

今回ご登場の配当次郎さん、昨年の株式関連の取引状況は以下の通りです。

  • F1のドライバーも着用しているヘルメットを製造販売しており、米国での販売シェア90%を占める超有名企業、「プロテクター・アンド・ガクブル」株を1000株保有(米国株)
  • 昨年株式の売却は行っていない
  • 「プロテクター・アンド・ガクブル」からは計2回、下記の配当を受領
  配当:2016/4/1  1株あたり50セント
     2016/10/1 1株当たり60セント
  • 証券会社から、下記の「外国株式等 配当のご案内(兼)支払通知書」が送られてきている
という設定でお話させていただきたいと思います。

外国配当4A
  ↑4月1日入金された「外国株式等 配当のご案内(兼)支払通知書」

外国配当4B
  ↑10月1日入金された「外国株式等 配当のご案内(兼)支払通知書」


まずはこれまでの確定申告書作製サイトの入力方法に従い、配当太郎さんの給与所得等について入力してください。
今回は省略いたします。詳しくは弊ブログ「確定申告をして税の仕組みを学ぼう! (その3続編) 株式譲渡益の確定申告をやってみよう!(平成28年分更新版)」をご覧ください。



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 1. 外国税額控除入力の前に(配当所得の申告)
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外国税額控除の項目を記入する前に、まずやらねばならない大事な入力項目があります
それは、既に源泉徴収されているこの配当の内容をきっちりと確定申告書に載せることです。

まず整理します。配当を受領した場合の税務処理は以下の三通りあります。
  1. 証券会社経由で源泉徴収されているので、申告不要の制度を利用して課税関係を終了させる。
  2. 証券会社経由で源泉徴収されているが、敢えて「総合課税の確定申告」をする。
  3. 証券会社経由で源泉徴収されているが、敢えて「申告分離の確定申告」をする。

(1)は株式譲渡益がなかったり、医療費控除などがなく、確定申告をしないでいい方には便利な方法です。
株式の配当を得ていても、この制度のおかげでわざわざ確定申告しなくてすむわけです。

しかし、今回、外国税額控除を実施しようとしている方については、この方法ではダメなのです。問題の原因は「課税関係が終了」という扱いに行き着くのですが、仮に確定申告書に(2)または(3)の方法で確定申告することを明示しないと、納税者は(1)の申告不要制度を利用したとみなされ、税務当局はその配当については「課税関係終了」すなわち、その配当はそもそもなかったのだ、と受け取ります。

これはあとで詳しくお話しますが、そもそも外国税額控除を受けるためには、外国と国内で二重課税されており、かつ、国外での所得(今回の事例の場合、外国株からの配当)があることが必要です。

この事例で仮に(1)の制度を利用したとみなされると、外国株からの配当がそもそもない=国外で得た所得がない、ということになり、後者の条件を満たさなくなってしまいます。

従って、外国税額控除の項目入力前に、所得の項目で、この外国株からの配当を配当所得として申告する(入力する)必要があります。

では具体的に入力方法を見ていきましょう。

配当を入力する場所は「収入金額・所得金額入力」画面の「配当所得」の部分です。既に配当さんの給与所得は入力済みです。「入力する」を押します。
2017-02-16 (1)

すると、「金融・証券税制(入力項目の選択1)」が現れます。
2017-02-16 (2)

質問で、「平成28年中に株式・投資信託・公社債の売却をしましたか?」と聞かれます。
今回の配当さんの場合は売却はしていませんので、ここはいいえを選択します。
仮に「はい」を選択した場合、株式の譲渡益等の入力項目が出てきます。今回は株式関係はパスになります。

続いて「金融・証券税制(入力項目の選択2)」が現れます。
2017-02-16 (3)

まず、
(1) 特定口座で、配当・利子等の受領をしましたか? は今回一般口座ですので「いいえ」になります。

続いて(2) 特定口座(源泉徴収口座)以外で、受領した配当について、お答えください。
 ①申告する上場株式や公募株式投資信託の配当等がありますか。

と聞かれますので、ここは「はい」となります。はいと答えることで、我々は税務当局に「配当を申告不要制度で亡きものにするのではなく、申告するぞ。記録に残すぞ」ということを宣言するわけです。

続いて②についてはいいえで結構です。今回は米国上場株式の配当のみですので。

続いて(3)は利子等になります。今回の事例では申告すべき利子はありませんので、受領したか? について「いいえ」と答えるか、受領したか? は「はい」だが、利子等について源泉徴収済であれば特段申告の必要がないので下段の「申告しますか?」に対していいえで構いません。
(今回の事例では、配当さんは個人向け国債等で利子を受け取っているが、利子について申告不要制度を利用するのでわざわざ申告はしないという回答になっています)

続いて配当所得について確定申告をすると決めた上で、先ほど示した(2)の総合課税か(3)の申告分離課税か、を選択します。
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一般的に、所得税は累進課税制度をとっているので、高所得の方は源泉分離課税を選択したほうがお得で、無収入の方などは総合課税を選択したほうがお得な場合が多いのですが、このあたり、住民税や社会保険関係の所得認定が様々な計算式で成り立っていることから、個々の事例でどちらを選ぶといいのかの損得は本当に事例次第です。
今回は配当さん自身の損得は別として、「申告分離課税」で申告書を作成してみたいと思います。
(多くの給与所得者の場合、申告分離のほうが良い可能性が高く、多くの方に参考になると考えるからです)

申告分離課税での入力画面「金融・証券税制(上場株式等の配当)」です。
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上部にわかりやすく 「申告分離課税」 であることが明記されています。

ここでは配当を1件目、2件目と書き加えて表を作っていくことができるのですが、おそらく皆さん、多くの会社から複数の配当を受領していると思われますので、ここは明細票を別紙(下に示すようなExcelの表)にすることにし、ここでは最終結果だけを1件だけ入力するようにします。もちろん、別紙でこのExcel表を添付します。

Excel表

このExcel表はあとで出てくる外国税額控除の計算の際にも共用できるようになっておりますので、まずはこの表を別途作成しましょう。
作成には証券会社から送られてくる「外国株式等 配当のご案内(兼)支払通知書」(かそれに類似した名前の報告書)を転記すれば完成します。

配当に関する収入金額には、米国で10%源泉徴収された後、国内で課税前の配当総額を記入し、源泉徴収税額の欄には既に配当から源泉徴収されている国税と地方税の総額を記入します。(Excel表から簡単に転記できるはずです)

数字を入力すると下段に1項目目として反映されます。
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これで入力を終了し、次へ進みます。

すると「金融・証券税制(入力項目の選択2)」に戻り、
「特定口座以外での配当」を訂正・削除 ボタンの右に 「入力済み (上場株式の配当等:申告分離課税)」と今までポイントとして抑えてきた大事な内容が確認できます。

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さらに先へ進むと、「総合課税の所得」の「配当所得」の欄に「分離課税の配当所得の入力有」と表示され、「配当は総合課税にしなかったよ!」ということがわかります。
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さらに下の「分離課税の所得」の欄には先ほどの配当所得(申告分離課税)として109,800円が計上されていることがわかります。
※総合課税を選択した場合は上部の「配当所得」の欄に数字が入ってきます

これで外国税額控除の準備段階である配当の申告に関する入力が終わりました。続いて大本命の外国税額控除の入力に移りましょう!

閑話休題 ~知らなくてもいいムダ知識~

先程までに配当所得について申告分離課税を選択し、申告書を作成しました。
作成された最終成果物の申告書の一部を見てみましょう。

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所得の内訳として、給与所得と配当所得の両方が記載されています。
申告したことで所得が増えたことになります。
さてここで、今までまったく話題にしなかった住民税について余談として考えてみたいと思います。
住民税についても申告不要を選択しなかったことから、地方公共団体に上記配当所得があったことが税務署経由で情報が渡ることになります。
そうすると、住民税が増えちゃう? あれ、もう源泉徴収で徴収済みだよね? と思うのは当然かと思います。この問題を解消するのが以下の項目です。

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「配当割控除額」、これは地方公共団体に対し、この人は配当所得分として地方税をこんだけ源泉徴収されてますよ(納付済ですよ)、という情報を渡すための項目です。

この情報があるの配当について二重課税されることはありませんので御安心ください。


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 2. 外国税額控除の情報入力
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さてここからが本題、外国税額控除の入力です。
控除の入力は2種類あります。まず1つ目が社会保険料控除や生命保険料控除等の「所得控除」で、収入から「控除」することで課税所得額を減らすことができます。この計算のあとで所得税を計算することになります。所得税率を掛ける前ですので、減額される所得税は 控除額×所得税率 ということになり、控除額の一部が減額されるだけになります。
もう一つが「税額控除」で、これは所得税を算出後、税額そのものを控除するもので、控除額がまるまる還付額となります。

外国税額控除は後者になり、計算された控除額(後述しますがこの計算式がややこしいのです)還付されます。

そもそも外国税額控除とは、外国からの所得について、現地の仕組みとして源泉徴収で課税され、さらに国内で課税された場合(個人投資家の場合、外国株の配当のみが該当でしょうか)、国内外で二重課税になってしまうことから、その救済策として「外国で徴収された税相当額について、特別に国内の税金から還付してあげるよ(ただしいろんな条件あり)という趣旨の制度(ざっくりした言い方です)です。
実はこの(ただしいろんな条件あり)が曲者で、ちょっと工夫しないと外国に納税した金額満額は返ってきません。これも実例を出してあとで見てみたいと思います。

さて、確定申告書作成サイトの外国税額控除の入力は、所得控除入力後、その先の「税額控除・その他の項目の入力」内にあります。
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税額控除の項目の一番下に「外国税額控除」の入力場所があります。「入力する」を押してください。
すると、「外国税額控除(明細書)」の入力項目が出てきます。
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ここに外国でどのように税金を納めたのか、といった内容を記入します。
この明細書の作製フォームを見ると、配当を貰ったたびに1回毎に入力するように見えます。
これは先程の配当所得の記入と同じで、Excel表で別紙とし、最終結果1件だけを入力するようにします。
別紙明細書はさきほどのものが流用できます。

Excel表


提出の際にはこのExcelの一覧表と証券会社から送られてきた「外国株式等 配当のご案内(兼)支払通知書全部を別添で提出します。
下記のように入力していきます。
  • 国名:米国
  • 所得の種類:配当 ※米国ETFの分配金も配当で通じると思います
  • 税種目: 空欄
  • 納付確定日:私は、1年まとめてなので「年末の日付」を記入しています
  • 納付日:私は、1年まとめてなので「年末の日付」を記入しています 
  • 源泉・申告:源泉 (で既に外国に徴収されているという意味)
  • 所得の計算期間: 1年まとめてなので「年始~年末の日付」を記入しています
  • 相手国での課税標準:米国での課税前の額面の配当額(ドル建てと円建て)
  • 左に係る外国所得税額:米国で源泉徴収された税額(ドル建てと円建て)
 ※前述のExcelの一覧表で数字は計算できているはずです

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また、最後に「2 国外所得の計算」の入力項目があります。

国外所得の金額を入力してください: とありますので、二カ国で税を引かれる前の大元の配当総額である122,000円を転記します。

その下では「3 外国税額控除の繰越控除余裕額又は繰越控除限度額の計算」とありますが、今回の配当さんは初めての外国税額控除の入力なので空欄で結構です。
ただし、2回目以降の場合、ここに数字を入れることが重要になってきます。「外国税額控除の繰越控除余裕額」「繰越控除限度額」とかいう用語がそもそもわかりにくいのですが、ここは翌年以降大事になってくる数字だということを覚えておいて損はありません。(最後のほうでこの繰越については触れます)
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さて、ここで入力は終了です。
戻りますと、外国税額控除額が入力されています。配当さんの場合、3,028円と入力されています。
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ここであれっ? と思った方は鋭いです。振り返ってみましょう。配当さんが米国で源泉徴収された10%の源泉徴収額は合計110ドル、ざっくり為替レート計算しても11,000円程度は取られているはず
なのに外国税額控除額はたったの3,028円。外国で払った分特別に返してくれるんじゃなかったの? と思うのですが、ここで出てくるのが外国税額控除の計算式です。
非常に面倒くさい計算式になっているのですが、確定申告書作成サイトでは全部自動で計算してくれています。
ここで、先回りして最終成果物の「確定申告書(PDF版)」の外国税額控除の部分を先に見てみましょう。

1 外国所得税額の内訳

の部分では、先ほど記入したとおり、1年間合計の外国での課税標準額と外国で源泉徴収された額がそのまま記載されています。
ここは特段問題ありません。
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2 本年分の雑所得の総収入金額に算出すべき金額の計算

の欄は空欄です。これは昨年も外国税額控除をやっていて、いろんな繰越(後述します)がある場合に記載されています。今回の配当さんの場合は空欄でOK。
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そして一番のキモがこの下です。

3 所得税の控除限度額の計算
4 復興特別所得税の控除限度額の計算

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ここを見ていただきますと、まず①で配当さんがこれまで年末調整までに支払った所得税等と外国株の配当の源泉徴収額の合計が書かれています。
(株式の売却益等があった場合はその申告分離課税分も加わっているはずですが今回の配当さんの場合はそれがないので源泉徴収額そのものが記載されている)
次いで②は所得の総額。今回申告分離課税を選択した配当所得も加わっています。また、ここで注意が必要なのは、この所得額は社会保険料控除等を控除する前の金額であるということです。(確定申告書作成サイトでは自動的に正しい数字を計算して表示してくれていますので、税制を研究しているマニア以外の一般投資家の方は気にしなくてオッケー)

そして③が国外所得総額です。先ほど、外国税額控除の入力時に、外国から得た配当の大元の配当額を記入しましたが、その数字です。

そして最後の計算、④がキモです。

控除限度額④(日本国が温情で特別に還付してくれる額)は ① × ( ③ ÷ ② ) という式だと決められています。

この式をじっくり見てみると、④を増やすにはいくつかの方法があることがわかります。

 (1) ①の額を増やすこと
 (2) ③の額を増やすこと
 (3) ②の額を減らすこと

です。このうち、手っ取り早く④を増やす方法は (2) の国外所得総額を増やすことです。
配当さんの場合、この国外所得額の数値が小さい(かつそもそも収めている所得税額①が少ない)ために、計算式上、控除額が3000円程度と小さく抑えられてしまっているのです。

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そしてこのあと、マイナンバー等の入力をし、最後までやると、このように「外国税額控除関係」の書類も自動作成されます。
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そして最終成果物としての確定申告書も下記のように作成されます。
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さて、これでひととおり確定申告書の作成はできましたが、残念ながら配当さんは少額の還付しか受けられませんでした。なぜでしょうか? すこし仮の事例で考えてみたいと思います。

ここで「たとえば」の話として、配当さんの勤務先は「みらい商事」なる純和風な社名にも関わらず、なぜかグローバル企業で、配当さん、実は給与300万円のうち、120万円を外国所得として受け取り、180万円を国内所得として受け取っていた、と仮定します。(実際は会社の仕組みとしてありえない話なのですが、国外所得が多かったらどうなるかの例としてそういう設定にさせていただきます)
するとどうでしょう。
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③の国外所得が122,000円(配当分)+120万円、で合計1,332,000円と入力されました。
すると、さきほど3,000円程度とシブチンだった④の金額(控除限度額)が32,141円と計算されます。
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配当さんが米国株配当として米国で源泉徴収された金額は110ドル(円貨で12,200円)でしたので、控除限度額が源泉徴収額を超えています。
「控除限度額」があくまで「限度」なので、実際に還付される金額は実際に支払った外国税分まで、すなわち32,141円還付ではなく12,200円の還付(外国税額控除額)となるわけです。

これは米国で源泉徴収された満額が戻ってきたということを意味します。
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このように、外国税額控除の金額は個人の所得や国外所得の金額で大きく変わってしまうことを覚えておいてください。特に、国内で所得税を納めていない年金生活者の方、専業主婦の方などは、計算式上①の納税額がゼロですので、外国税額控除額が計上できません。

また、今回、配当さんの場合は国外所得が配当分しかなく、少なかったたため、満額の還付が受けられなかったことになります。

しかし、しかし、配当さんには嬉しいお知らせが2つあります。
まず1つ目は、配当さんは控除限度額の関係で所得税約3,000円の還付しか受けられませんでしたが、実は控除限度額は住民税にもあり、住民税がいくばくかの額が減額されます。(確定申告後の6月の住民税決定時に計算されます)
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そしてもう1つが、今回所得税でも住民税でも還付してもらい損ねた、源泉徴収済満額12,200円と今回の外国税額控除額(約4000円)の差額は「お預け」になっていて、実は翌年以降、還付してもらえる可能性があるのです! 上図の右下部分の8,284円がその「お預け」の部分です。

この数字を翌年の確定申告の際に記入し、翌年以降に先ほどの④の控除限度額に大きな数字が来た場合、このお預け分が外国税額控除額として復活し、その年に還付されるのです!

なお、この項目の転記は、確定申告書作成サイトを利用し、昨年分のデータを保存しておいた場合、そのデータを流用することで自動的に流し込みが行われるという、極めてナイスな仕組みになっており、実は細かいことを理解していなくてもうまいことデータ入力してくれるスグレモノなのです。
(株式や先物の譲渡損失の繰越についても同様の流し込みが行われます)

ということで、配当さん、今年は満額の還付は受けられませんでしたが、お預けが8千数百円あります。
来年以降、国外所得を増やすことでこれを取り戻してみてはいかがでしょうか?

(お知らせ)
ここ以降の記述について、大人の事情により当初の記載から大幅に変更を行いました。

さて、では何が国外所得にあたるのか、これが極めてセンシティブでありまして、まさに「地雷案件」ともいうべき状況なのであります。この解釈について、実務家、法律家等で異なっており、見聞きするところでは税務署レベルでも対応がまちまちのようです。

一般的に、こういうマニアックなネタについて、税務署に尋ねるのが確かに正しい方法論なのですが、税務職員が必ずしもこの制度について精通しているとは限らず、特に確定申告期間にこのような面倒な案件の相談に行くとお互いが不幸になる可能性が高いことを申し添えます。

また、前述したように、解釈については「非常にセンシティブ」でありますので、以下のツイートをご覧いただき、読者各位にあっては適切なご対応をされることを望みます。



一言で言えば、 お前ら空気読め! これに尽きます。

なお、追加でまた面倒なお話をいたしますが、先ほどの「一部分を外国の給与で貰っていた場合」の例のように、仮に国外所得が大きく、控除限度額>外国税額控除額であった場合(要するに枠が余った場合)はこの「枠」を繰り越すことができ、翌年外国所得額が少なかった場合でもこの枠を有効利用することができます。
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ということで、非常にマニアックな外国税額控除の計算と申告書の作成、御参考になりましたでしょうか?

なお、くどいようですが上記の解釈は私個人が法令、通達等を常識的に解釈して私自身が申告に利用している方法を記述したものであり、税務当局がこの方法が正当である、と保証したわけではありません

また、読者の皆様の個別の事例については私が何かしらのコメントをすることは法令上できませんので、無資格の一般人ではなく、税理士さんや公認会計士さんにお尋ねいただくようお願い申し上げます。個人的にはにわかで一般論の解釈している私のような素人ブロガーではなく、信頼できる税理士さんに委ねるのが適切だと思います。

謝辞:
本記事執筆にあたり、当初記述した内容に当方の認識違い等があり、適切な数字になっていなかった箇所がありました。御指摘いただいた方に感謝申し上げます。
また、貴重な経験の情報を御提供いただき、配当所得の申告が必須であることを教えていただいた方にも深く感謝申し上げます。


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