まずはじめに

平成30年9月6日午前3時08分、北海道厚真町付近を震源とするM6.7の地震が発生しました。
この震災により、震源地付近の住民の方を中心に多数の死傷者が出ており、執筆時点でも行方不明者の方もおられる状況です。

まずは被災なさった皆様に謹んでお見舞い申し上げます。

不肖テリー、この地震に札幌への社畜出張中に遭遇し、いろいろ考えたこと、もしかしたら皆様のためになるかもしれない気付きがありましたので、珍しく筆を執った次第であります。
今回は第1回目として、札幌へ到着するまでについて書いてみたいと思います。

※本記事のほとんどが航空ヲタ向け、地理ヲタ向けの内容で地震関係の記事は今後になりますことをあらかじめお断り申し上げます。

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旅立ちは一抹の不安とともに

社畜出張の出発日は9月5日(水)でした。翌日朝からの社畜業務のために前泊となっていました。
実はその前日、9月4日には強い台風21号が日本列島を縦断し、特に近畿・北陸地方で主として風と高潮による多大なる被害を生じていました。

台風21号は発生直後から、「台風経験が極めて多い」界隈の経験者の方(常夏野郎)からこのような指摘がされていました(ツイートは8月31日付)。
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新聞記事等によれば、関西国際空港や泉南地域で特に被害が大きかったようです。
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台風21号は9月4日(火)正午頃に徳島県南部に上陸し、夜までに日本海に抜けました。
北海道地方では5日午前までに日本海を通って抜けたようです。「台風21号は8月28日午前9時、南鳥島近海で発生しました。発達しながら西よりに進み、マリアナ諸島付近で一時「猛烈な」勢力に。進路を次第に北よりに変え、日本の南を北上し、9月4日正午頃に「非常に強い」勢力を保ったまま、徳島県南部に上陸、午後2時頃には「非常に強い」勢力を保ったまま、兵庫県神戸市付近に再上陸しました。「非常に強い」勢力で上陸するのは25年ぶりでした。午後3時には「強い」勢力になり、午後4時には日本海に抜け、日本海を北上し、5日午前9時に間宮海峡で温帯低気圧に変わりました。」
引用元:最強台風21号まとめ 記録的高潮と暴風

また、気象庁のアメダスの記録では、9月4日14時に神戸空港付近で35 m/s (68 knot) の強風が記録されており、今回の台風21号が「風台風」であったことがよくわかります。
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出発は9月5日。ちょうど台風が北海道を抜け終わっていた日になります。
台風が抜けると一般的には「台風一過」(サザエさん家族のイメージの「一家」ではない←中1まで一家だと思っていた)で晴れ渡るのが常。
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これは初秋の北海道を堪能できるぞ、と喜び勇んで家を出たテリー君なのであります。


台風一過の空 (ここから先は飛行機ヲタ、地理ヲタ以外は飛ばしてOK! 次記事(現在未作成)へどうぞ)

台風が絡んだ場合、飛行機は機材繰りの関係などから遅延や欠航になることも多く、今回、かなり早めに空港に行くことにしました。
私の場合、単身の飛行機利用では羽田に1時間前に到着してビール飲んでグダグダするのが常なのですが、今回は空港に2時間半早く到着してしまいました。

あまりに到着が早すぎ、滞在時間が長いため、このままでは「羽田(もしくは機内)にビール妖怪出現」の可能性が高く、リスクが高まると予想したテリー君、チェックインの際に早めの便に空席があったら乗せてもらえるよう依頼しました。(これを業界ではgo showと言うそうです)
航空会社側としては、どうせ同じ目的地に乗客を運ぶにしても、出発寸前の飛行機を空席ありで飛ばすより、今そこにいる乗客を詰め込んでしまい、そもそもその客が持っていた後の便に空席を作ったほうが「飛び込みの普通運賃払ってくれるビジネス利用の上客」をゲットできる可能性があったり、遅延便からの乗り継ぎ客用に余裕席を確保できるといった理由から、前倒し搭乗を受け付けてくれることが多いのが現状です。(格安航空券などの運賃種別では不可能な場合もあります)

今回はその前倒し搭乗をお願いし、無事空席待ちで早めの便に搭乗することができました。
ということで、残念ながら、
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タキシング。
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そして離陸です。
しばし、写真とともに遊覧飛行をお楽しみください。

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離陸はRWY 16L。飛び上がってRWY23の人工島を見下ろしぐんぐん上昇します。
東京湾上をまっすぐ上昇した後左旋回。右側(K席)の窓からは千葉港が見えます。ポートタワーがにょっきり。
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続いて幕張のマリンスタジアムを見て上昇。(マリンスタジアムがモヤモヤなのはジェットの熱風のせい)
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こちらは谷津干潟と船橋競馬場ですな。
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ここから内陸を進みます。地理ヲタなら一度は気になったことがあるであろう、船橋市行田の謎の円形の地区。ここは昔、海軍の無線基地があった場所の名残だそうです。
地図上で目を引く円形(行田地区) (船橋市公式サイト)
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続いて手賀沼。
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そしてここは柏あたりでしょうかね。
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飛行機は航空路の通過指定ポイント、関宿VOR/DMEへ向かいます。
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ここまでの実飛行経路はこんな感じです。画像はGPSのログをgoogle mapに落としたものです
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その後、那須塩原上空、猪苗代湖周辺上空、田沢湖周辺上空を飛び札幌へ向かいます。
雲の上は快晴で真っ青な空が翼のJA8979の文字の上に見えます。
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やがて福島~宮城にかけての太平洋岸が見えてきます、写真は阿武隈川河口付近と思われます。
ここは東日本大震災で津波が襲った地域のひとつでもあります。
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その後、奥羽山地上空を飛ぶのですが、雲がかかりやや下が見えない状況が続き、その後視界が開けたのが下北半島上空。
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写真は小川原湖です。奥の白波が立つところが太平洋、その手前が三沢市内の陸地でその手前の青色が小川原湖です。
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さらに進むと本州の先端が見えてきます。尻屋崎です。
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大規模な採石場が見えます。あとで調べますと、三菱マテリアル(株)の石灰石採掘場であることがわかりました。山肌の雰囲気は武甲山や美濃赤坂で見かけた雰囲気にそっくりです(←分かる人にだけわかれ!)。
また、その右側の山肌に連なる線と柱? 塔?も目立ちます。こちらは風力発電所の風車だとわかります。こちらも調べますと、エコ・パワー株式会社が運営する風車20基の「岩屋風力発電所」とのことです。

そしてしばらく飛ぶと、いよいよ北海道の地が見えてきます。翼の下は日高方面の太平洋岸です。
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飛んでいるのは鵡川周辺。高度はそこそこあるままなので、新千歳空港の着陸は北側(RWY18側)からとなり、ぐるっと回って着陸だな、と航空ヲタは考えます。(南側からのストレートイン(RWY36側)の場合は北海道の陸にかかるときには相当な低高度で苫小牧上空を飛びます)
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望遠レンズで覗くと見えてきたのは運動場のような施設。周囲の建物の建ち方から「これは競馬関係施設だな」と容易に想像ができます。後で調べたらこれは門別競馬場。地方競馬である「ホッカイドウ競馬」の競馬場です。サラブレッドの産地である日高地方の競馬場で、北海道特有のばんえい競馬ではなくサラブレッドの競馬場ですね。
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(引用元:google)

そして高度を下げながら新千歳空港北側を目指します。
通りがかりに撮影した数枚の写真。ここがまさか、あと12時間あまり後に大きな変化を遂げるとは思っても見ませんでした。

撮影したのはソーラーパネルの山肌。風力発電を含め、新電力の施設が次々と出来ているんだなぁ、ということで撮影した1枚です。鵡川を過ぎたあたりになります。
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そしてこちらの写真。後に調べると、ここは今回の北海道胆振東部地震の震源地に近いの厚真町付近でした。

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(引用元:google)

そして順調に高度を下げた機体は栗山町付近を通過していき、左に180度ターンして新千歳空港の北側滑走路へ進入をしていきます。
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窓からは北海道らしい大地と綺麗に区画整理された町並みが見えます。道路と交差する川の角度から写真は長沼町と思われます。
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そしてついに新千歳空港に着陸です。なんと、先行機は陸上自衛隊所属の政府専用機、もうわが国では希少なB747-400です。
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当機は新鋭のB777に政府専用機の座を譲り、まもなく退役となる模様です。目撃できたのは貴重な機会でした。(写真はスマホで撮影でかなり酷い出来)
今回、台風21号の影響で沖縄で疎開していたようです。
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(引用元:産経新聞Web)

さて、長々と上空の散歩にお付き合いいただきました。ありがとうございました。
こちらが今回の往路の飛行経路です。
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しかししかし、ここから様々な苦難がテリー君に襲い掛かるのであります。

そういえば、かれこれ3年前の2015年、札幌へお邪魔した際にもトラブルが発生していた記憶が蘇る。

当時のGPSログがこちら。
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はい、冬場の悪天候(新千歳視程不良)で太平洋上小一時間ぐるぐるした挙句、羽田に連れて帰らされたんでしたわ。ILSで降りられなかったって、相当に天候が悪かったんだなぁ。

ということで、この後テリー君が立ち向かう危機とは!