CM好意度獲得のために(その2) サウンドロゴ【CMマーケティングアイ】

2009年04月28日
CMマーケティングアイ
マーケティング
今回から「CMマーケティングアイ」では「好意度の獲得のために」と題して、成功事例を元に、その方法を検証していきます。今回のテーマは冒頭の「サウンドロゴ」。確かに印象には残るけど、このサウンドロゴがどうして好意度を上昇させるのでしょうか?

「ゲーム機戦争」と呼ばれる広告合戦でしのぎを削る「ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)」と「任天堂」、この2社のCMをサウンドロゴに注目して見てみましょう。

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【今回のCM&Topic】
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◇◆  CM好意度獲得のために  その2
◆◇   「どちら様ですか?」そうなる前に名乗りましょ
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  SCEと任天堂と言えば、ゲーム業界でも最大手の2社。TVCMも数多く出稿し、その出稿量は他の業界と比較しても群を抜いています。多くの企業では、会社名・商品名のサウンドロゴやナレーションはCMの最後に流すのが一般的。しかし、両社に共通しているのはCM冒頭にそれを流すことです。
 
  例えば、SCEが発売するプレイステーション用ソフトのCM冒頭で流れる「ジョーン」という効果音。誰もが「プレステCMの音」として認識しているのではないでしょうか?あのサウンドロゴを聞くだけで「これからプレステのソフトのCMが始まるのだな」と条件付けられていると言ってもいいでしょう。プレイステーション用ソフトのCMでは、このように「記号化された音」によって、瞬時にCMの身元を明かしています。

  一方の任天堂はどうでしょうか?

  これまで、任天堂のCMではマリオがコインを取ったときの「チャリーン」と言うサウンドロゴがお馴染みでした。しかし、CMの冒頭部分に関して言えばNINTENDO64は「ロクヨン」と言うサウンドロゴ、ゲームボーイカラー、ゲームボーイアドバンスもそれぞれのハード名を読み上げるものとなっていて機種ごとにバラバラな状態。そのようなサウンドロゴでは視聴者がゲームソフトのCMに接した時、機種こそ簡単にわかるものの、どこの企業のCMなのかはわかりにくくなってしまいます。

  しかし、ニンテンドーDSやWiiの世代になってからは、ハードのロゴと共に流す明るめの「チャーン」という効果音で統一しました。プレステとは対照的な白っぽい画面によって、一見して「任天堂のCM」ということがわかるようになったのです。

  では、冒頭のサウンドロゴによってメッセージ元をはっきりさせることはなぜ効果的なのでしょうか?

  サウンドロゴによって、CMの発信元を認知させることによって、視聴者の関心を呼び起こし、確実に情報を記憶させ、コミュニケーション効率の向上が図ることができます。また、そのサウンドを聞き慣れていくことで、視聴者の方でも「○○のCMが始まるな」と認識することとなり、そのゲーム機の愛用者であれば、音がしただけでぱっと画面に目が行くようになるでしょう。

  そして、今回のシリーズテーマである好意度に関しては、メッセージの発信元を伝達してからCMを見せる事で、視聴者に好意的に受け止めてもらえるということがあります。

  近頃スーパーでよく見かけるようになった生産者の顔写真つきの野菜。「誰が作っているのか」がすぐにわかることによって、消費者は安心して野菜を購入する事ができます。

  生産者=メッセージ元の企業と考えれば、視聴者の安心を獲得する事が好意度の上昇につながるのはCMでも同様。顔が見えること、それは野菜だけでなくCMにとってもやはり重要なのです。特に近年、わかりにくいCMに対する好意度のスコアが著しく低くなる傾向があります。もしかしたら、このような傾向も食の安全問題などの世相を反映しているのかもしれません。

  一般的なマナーとして、自分が何者かしっかり名乗ってから物申すのは当たり前。そんな当たり前のマナーは、CM好意度を上げるためにも必要なのです。そして、そのための効果的で効率的な方法が冒頭にあるサウンドロゴなのです。


※これは2009年4月1日に公開されたコラムです