【期間限定コラム】起用タレントの不祥事に備えて 草なぎ剛の復帰は?【CMマーケティングアイ】
- 2011年05月27日
- CMマーケティングアイ
- マーケティング
皆さんご存知のとおり草なぎ剛が逮捕されてしまいました。その後、不起訴が決定しましたが、その影響は大変大きいものでした。1999年から「昆布ぽん酢」のイメージキャラクターとしていたヤマサは、2009年7月から予定していたキャンペーンでの起用中止を決定。大型連休を前に需要が見込めたトヨタレンタリースをはじめ、NTT東日本などの各社もキャラクターとしての露出を見合わせるようです。
さて、今回の「CMマーケティングアイ」では、予定を変更して、タレントCMにおける危機管理についてフォーカスします。
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【今回のCM&Topic】
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◇◆ 起用タレントの不祥事に備えて
◆◇ 草なぎ剛の復帰は?
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■過去、稲垣吾郎の例では
同じくスマップの稲垣吾郎が、2001年8月24日に起きた事件で逮捕されています。理由は、公務執行妨害と傷害罪。交通違反をとがめようと、稲垣吾郎が運転する車に手をかけた女性警察官を引きずってしまい軽症を負わせたという内容でした。
報道では、稲垣吾郎を容疑者と報道せず、「メンバー」という言葉を使っていたのが印象的でした。
このとき稲垣吾郎は、事件から143日目に芸能界への復帰を果たしています。そしてCMでは事件から約8ヶ月後に、他社の先陣をきってANAが2002 年4月23日にオンエア。そしてその直後から、サントリーBOSS、任天堂、日清食品など続々とCMに出演し復帰していくことになります。
■ひとりのタレントに依存しないCMづくりが広告主を救う
この稲垣吾郎の事件のときも、NTT東日本がSMAPのメンバーを起用しました。しかしこの時、メインのCMが香取慎吾と慎吾ママのバージョンとなっており、大きな痛手を食いませんでした。
そして、そのNTT東日本の「B・フレッツ」のCMに稲垣吾郎が戻ってこれたのは、事件から約1年7か月後の2003年3月29日でした。
今回、NTT東日本では草なぎ剛の出演しているCMも事件前は、オンエアしていました。現在は、他に複数もっている「フレッツ光」の素材のなかから稲垣吾郎と木村拓哉のバージョンを中心に、SMAPメンバーによるCMを継続オンエアしています。
■不祥事には周りの対処も重要に
一方、デジタル放送推進協会、通称「地デジ」のキャンペーンはどうでしょう。
この事件に関し直後に総務大臣が怒りをあらわにした記者会見を実施。そこでの発言で、取り消したとはいえ草なぎ剛に対して「最低の。。。」とはいかがなものなのでしょうか。
「地デジ」キャンペーンにとって、総務大臣は一般的にいう広告主であるはずです。例えば、広告主の社長が不祥事を起こした自社キャラクターを事件当日にけなすことがあるでしょうか。
企業が「この人」とタレントを決めたからには、その企業の「財産」であり、「顔」であることは当然です。今回だって、起用している他のスポンサーも言いたいことが山ほどあっても、あえてノーコメントを決め込んでいたはずなのです。
総務大臣の発言で、いままで培ってきた地デジ自体のイメージをおとしめ、さらには草なぎ剛の地デジCMへの復帰をほぼ絶望としてしまったのです。
■CMにおける危機管理
そもそも草なぎ剛ということに限らず、地デジを一人のタレントに依存しきっていたCM戦略に問題があったといえます。
結局、新たにオリジナルのキャラクター「地デジカ」を1週間で制作したそうですが、「なんで最初からオリジナルキャラクターと草なぎ剛のダブルキャラクターで行かなかったのか」と思ってしまいます。
タレントひとりの事件であるものの、「政府の危機管理。。。」という言葉が頭に浮かんできました。
さて、2011年の移行まであと少しに迫った地デジ。その受像機の普及を推進するにあたって非常に大事な時期といえます。国民に向けたコミュニケーションを失敗すればテレビとテレビCMの価値が大きく低下する可能性もあるのです。
そんななかの大臣発言による機会損失とコミュニケーション資産の自らのおとしめは、国民の税金でまかなわれることも忘れてはなりません。
■タレントだって人間、肝心なのはその後の対応
草なぎ剛については、タレント事務所との契約違約金の問題等もあり、いままで起用していた企業が継続することは少ないとは思います。
しかしながら、賢い民間企業は強いタレント性と誠実感あるキャラクターの草なぎ剛をほっておくわけがなく、1年後にはまた新たなCMに出演していることでしょう。
確かに、しでかしてしまったことは法律に触れることですが、人を傷つけたわけでもなく、その後の反省会見もむしろ好感が持てたとの意見もあります。
結果として不起訴にもなり、草なぎ剛の復帰は稲垣吾郎の事件ほど時間がかからないと思っています。
タレントは完璧なつくりものでなく、普通の人間のように弱い面だって持っています。日本のCMにとっても無くてはならないタレント「人間、草なぎ剛」、逆境に負けずにがんばれと言いたいです。
<事件当時、草なぎ剛起用のCMスポンサー>
・NTT東日本
・ヤマサ醤油
・P&G
・トヨタレンタリース
・AC(公共広告機構)
・デジタル放送推進協会
(2008年〜2009年4月末時点)
■□■マーケティング・ポイント■□■
契約違約金や損害賠償については、事前のタレント契約に基づき所属事務所が負担・保証することになるでしょう。しかしながら、その間に、CMができなく なったり、新CMをつくったりと企業の負担ははかりしれません。また、既にテレビ局から放送枠を買ってオンエア準備ができている場合、その払い戻しやキャ ンセルが難しく、代替のCM素材がない場合は、AC(公共広告機構)のCMに差し替えられてしまいます。
ここで大事なのは万が一に備えて、ひとつの企業がひとりのタレントに完全に依存するのでなく、複数のキャラクターや他のCM素材を持ち合わせていることなのです。
もちろん、リスクと予算面の天秤となりますが。。。
※来週の「CMマーケティングアイ」では企業CM編の第1回目として「本田技研工業」の「ASIMO」を取り上げます。お楽しみに。











