意外と知らない「企業CM」の目的(その4) お詫びCMで取り戻す、信頼回復型CMは「社会」と「企業」の架け橋しに【CMマーケティングアイ】
- 2009年07月01日
- CMマーケティングアイ
- マーケティング
「CMマーケティングアイ」、企業CM編もいよいよ最終回です。今回紹介する「企業CM」は、最近よく目にするようになってしまった、不祥事を起こした際の「お詫びCM」です。企業のイメージ低下に繋がるとも思われるお詫びCM。では、日本が誇る世界トップクラスの家電メーカー、「松下電器産業(現:パナソニック)」を例に「お詫びCM」を分析していきます。
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【今回のCM&Topic】
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◇◆ 意外と知らない「企業CM」の目的 (その4)
◆◇ お詫びCMで取り戻す、
◇◆ 信頼回復型CMは「社会」と「企業」の架け橋しに
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松下電器産業の対応策は、該当機種の引き取り(1台当たり5万円)もしくは無料点検回収というものでした。そして、その告知として行われたのが、日本全世帯に送付された、回収商品の型番と危険性を知らせる「お詫びはがき」、7億枚の「新聞折り込みチラシ」、そして「お詫びCM」という、計200億円に及ぶ広告活動でした。
では、CM自体はどのくらいのものだったのでしょうか。ちょうど年末商戦の時期だったにも関わらず、全ての商品CMをこの「お詫びCM」に差し替えて出稿し、計4万5千本を越える数でした。
このCMは、「最後の1台まで、広告活動を続ける」という担当者の徹底ぶりから、社名がパナソニックと変わった現在でも継続して放映されています。
社会的責任とはいえ、普及率が日本の世帯数の0.3%の製品に対して、200億円の広告費が投入されたのです。この金額は2008年のパナソニックの営業利益約800億円の1/4を占める額です。
では、このCM大量出稿の意味とは何なのでしょうか?
「ファンヒーターを探しています」というナレーションを聞いて、「持っていないから自分には関係ない」と、多くの人は思うでしょう。商品回収という目的から考えるなら、この思考は間違っていません。
しかし、このCMのターゲットは対象商品のユーザーだけではなく、一般消費者全てを含んでいるのです。多くの人にこのCMを到達させることによって、「確かに不祥事は起こしたが、迅速で親身な対応をする企業だ」という印象を与え、信頼の回復につなげることができるからです。
過去には、多くの企業が不祥事を起こしています。記憶に新しい雪印乳業などは、市乳部門を独立させ、雪印ブランドを使用しない新会社を設立しなければならないほどでした。
一度失った信頼を取り戻すことは容易なことではありません。
このCMを大量出稿した結果、不祥事の発生にも関わらず、松下電器産業のその年の売上は、売上高は前年同期比2%増の8兆8943億円、営業利益は34%増の4143億円を記録しました。テレビやビデオカメラなどの映像・音響機器の売上高は9%増で、温風機と同じナショナルブランドの白物家電も2%減で踏みとどまりました。
松下電器産業が投入した200億円。それは松下に寄せられていた信頼を取り戻すための対価といってもいいでしょう。これほどまでに、企業の信頼に対する値段は高額なのです。











