2007年07月21日
「長江哀歌(エレジー)」宮台真司さん紹介
宮台真司さん:(社会学者、首都大学教授)
ベネチアの3大映画祭を制覇したジャ・ジャンクー監督が日本に一ヶ月前に来ていて、『長江哀歌(エレジー)』がもうすぐやるので是非見ていただきたい。三峡ダム、世界最大のダム。彼の映画を見ると昔の1950年代や60年代の日本映画と同じように出てくる奴が生き生きしているわけ。他方で、携帯電話やインターネットを使っているわけ。60年代の日本映画の主人公が携帯電話やネットを使っているような変なイメージで。どう捉えたらいいか聞いた。生きるためには当たり前で、沿岸部だけは豊かだけどほかの地域は食うためには何でもやる奴が人間生き生きしているのは当たり前で。
荒川強啓さん:終戦直後の日本だ。
そうです。目がきらきらしている。フォトジェニックになる。無法なことが起こる。明るく無法なことをばんすかばんすかやるわけ。以前の日本とは違うのは一方では都市部が発達していて、携帯を田舎でも持っているわけ。そうすると情報がぶわっと広がって、昔の50年代、60年代、日本は公害問題が起こっていて問題が明るみになるまでズ分時間がかかった。そういうことはない。一瞬にしてどんどん出てくる。そういう意味で中国の近代化はどの国も経験したことがないようなマルキレイア状態、つまり、1950年代のような日本もあれば、今の東京と同じレイアもある。例えば、日本人の映画の見方、フランス人の映画の見方というような言い方があるが、中国人の映画の見方はないんだって。今の中国人の様々な見方がわかります。ある意味、滅茶苦茶な国だなと。
(2007年07月20日TBSラジオ「荒川強啓デイキャッチ」より)
長江哀歌(エレジー)三峽好人 STILL LIFE
2006年中国
8月18日公開
公式サイト
監督:ジャ・ジャンクー「世界」「青の稲妻」
脚本:ジャ・ジャンクー
撮影:ユー・リクウァイ
音楽:リン・チャン
出演:チャオ・タオ
ハン・サンミン
ワン・ホンウェイ
2006年ヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞
第1回アジア映画賞(AFA)監督賞受賞
中国は徐々に民主化されていくのかも。もしかしたら、旧ソビエトが崩壊しても実際は民主化されていないロシアのプーチン政権よりも民主的な国になる可能性はあると思う。中国人が持つ大衆のパワーは中国共産党の権力者などを乗り越える力があるのではないか。オリンピックが行われて何年後かには必ずと言っていいほど社会主義国は体制が変わる。
実際の中国人はおおらかというか小さいことを気にしない。多民族国家で、貧富の格差も凄いし、良い人悪い人騙す人の差も激しいし、混沌としている。世界的も見ても本当に興味深い。
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1. 「長江哀歌」 これもシャンテ向き? [ 映画コンサルタント日記 ] 2007年08月22日 22:00
18日からシャンテ・シネで公開の始まりました「長江哀歌」、オープニング土日動員/
コメント一覧
1. Posted by てきさす 2007年08月28日 23:07
コメントありがとうございます。
こちらこそ、これからも宜しくお願いします。
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