2008年12月08日

お猿の電車

上野動物園おさるの電車001前回、開業50周年を迎えた東京タワーの絵はがきといっしょに、後楽園ゆうえんちの二重大観覧車と、上野動物園のモノレールが写った絵はがきもお見せした。きょうも観覧車からちょっと離れるが、左の写真は、上野動物園のお猿の電車だ。ヤフオクで落札したのだが、これもわりと高額だった。観覧車はどこにも写っていないが、子供たちの子供らしい表情がいいし、レバーを握りしめた、お猿の真剣そうな顔もおもしろい。

じつは、後楽園ゆうえんちの二重大観覧車を製造した温品(ぬくしな)利郎さんは、1961年(昭和36年)に上野動物園にお猿電車を納入している。それで、これが温品さん作のお猿電車だと思って落札し、コピーを温品さんにも送らせてもらったのだが、きょう、改めて上野のお猿電車を調べて、これが温品さん作ではないことが判明した。

1882年(明治15年)に開園した上野動物園は、日本で一番古い動物園だが、そこにお猿電車が登場したのは1948年(昭和23年)9月のことだ。「まぼろしチャンネル」というサイトに「お猿の電車年表」が掲載されているが、それによると、初代の運転手はカニクイザルのちいちゃんだったが、昭和24年3月にシモヤケに罹って長期休止となったらしい。絵はがきの運転手は、カニクイザルと書かれている。とすれば、これはちいちゃんが運転する、上野の初期の電車だったのだ。写真をご覧になった温品さんご夫妻は、「うちのじゃないよねえ」と話されていたことだろう。温品さんの作られたお猿の電車は、年代から推察すると、おそらく昭和39年に撮影されたこの写真の電車と思われる。まるで新幹線を思わせるフォームだ。

参考サイト:「新潟街角今昔」、「まぼろしチャンネル」
      



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コメント一覧

1. Posted by H.Kuma   2013年09月28日 15:49
こんにちは。
Rail&BikesのH.Kumaと申します。
お猿の電車の絵はがき、大変貴重なものですね。
記事中からリンクさせていただきました。

別投稿の谷津遊園の記事も懐かしく拝見しました。
ありがとうございました。
2. Posted by tenbosenkaisha   2013年10月01日 16:44
Kumaさん
お立ち寄りくださり、またリンクしていただきまして、ありがとうございます。貴ブログも拝見しました。楽しいお話ばかりですね。また再度、寄らせていただきます。

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tenbosenkaisha

by FUKUI Yuko(福井優子)
「観覧車通信」編集長
『観覧車物語』(平凡社)、『ニッポンの観覧車』(イカロス出版)、『たくさんのふしぎ─観覧車をたずねて』(福音館書店)、『観覧車の時代』(「建築設備&昇降機」連載)

tenbosenkaisha(展望旋回車)とは、1906年(明治39年)に初めて日本に登場した観覧車の呼び名。まだ観覧車とは呼ばれていなかった。

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