アニメ版『あらしのよるに』
 読んだ感想は、イヤ〜なものだった。何だか気色が悪い。
 娘(現時点2歳半)に読ませられるかな…と『あらしのよるに』を手に取ったのだが。

 2匹の動物が、暗闇の中で会話をしていて仲良くなる。ところが、正体はオオカミのガブとヤギのメイで、2匹は友情と被食-捕食関係に悩む…こんな児童文学だ。

 気色悪かったのは、ガブとメイの“人間的”な扱い。
 擬人化の効用は分かる。幼児にキャラクターを識別させるには、「クミちゃんとテツヤくん」よりも「ネコちゃんとキツネくん」の方が印象的な場合があるから。
 また、動物たちを擬人化しつつ、被食-捕食関係を持ち込んでいる童話も珍しくはない。『赤頭巾ちゃん』とか『3匹の子豚』とか。

 動物(やや擬人化されてはいるけれど)であるガブとメイが、被食-捕食関係で悩むところが異様なのだ。動物は食餌に感情移入などしない。そんなことをするのは人間だけ。
 食物連鎖という自然法則を、友情という人間感情で乗り越えさせようとすることに、大きな無理がある。まさに“不自然”だ。
 人気が出て、予定外らしい続編を5冊も出したあたりも不自然。プロとしては立派か。

 アニメ化作品に感動し、涙ぐんだオトナも多いらしい。泣くなよ。

 動物村の「お肉屋さん」で売っている肉は? ライオンキングのディナーは?
 …こんな意地悪な問いの延長線上に、『あらしのよるに』はある。人間に置き換えられない、筋違いのネタ。イジることができるのは、ブラックユーモアだけだろう。

 相原コージの動物ギャグマンガ『かってにシロクマ』を思い出す(ややウロ憶え)。
 主人公のシロクマが、可愛いヤマネに恋をした。ところが、何も知らない母グマがヤマネを食べてしまい、後で知ったシロクマは嘆き、怒る。母グマは、自分がしたばかりのウンコが息子の恋人だと知り、思わずウンコから後ずさってしまうのだった。