八代市の「みなバス」
 青いバスがやって来た。全体に波の模様がデザインされ、側面にカッパが描いてある。
 同行の息子(現時点2歳7カ月)は「バスだ!バスだ!」と興奮気味。“はたらくくるま”が大好きなのだ。

 これは「みなバス」。JR駅や公共施設、大型ショッピングセンターなどを結ぶ環状路線だ。
 八代市を走る市街地循環バスで、他に「まちバス」「ゆめバス」がある。いずれもカラフルなラッピングバス。
 乗車賃は100円。どこまで乗っても100円。

 環状線なので、降りずにいたら、グルグルと同じ地域を回り続けることになる。…実際は、起点に設定されている八代市役所のバス停で、降車をうながされるらしいけれど。

 息子と一緒にバスに乗る。息子は車内を見回しながら、謎のピラミッドに侵入した考古学者みたいに、「バスだ!バスだ!」とまくし立てる。
 あわてて「静かに静かに」と息子を黙らせようとしていたところ、後ろの席に座っていたおばあさんが、「男の子だからね。バスが好きなのよね」と笑いかけてくれた。フォローに感謝します。

 地元の路線バスに、あまり乗ったことがない私。どこ行きに乗ったらどこに着くのか、分かりにくい複雑な路線とか。行きたい場所を運行していない、利便性の低さとか。…そんなイメージから、何となく敬遠していた。

 乗ってみようという気になったのは、市街地循環バスが登場したから。分かりやすい環状の路線、中心市街地を回る利便性の高さ、そしてワンコインで利用できる気軽さが、動機となったのだ。

 100円バスは全国各地で運行している。バスの利用向上を目的に導入され、成果が上がって正規路線になったケースもあるそうな。
 公共交通機関は多数に利用されてこそ。便利なので、八代市にも定着してほしい。

 バスを降りる時、「バイバイ!」と手を振る息子に、運転手さんが手を振り返してくれた。
 近いうち、息子にせがまれて、またバスに乗ることになりそうです。