「けんたろう」のたま天
 ここ数年で、八代市民はうどんに関して少々うるさくなっているのではないかと思う。
 沖町にある「田んなか」、そして田中西町の「けんたろう」、これら実力店が、地元の“うどんレベル”を引き上げているからだ。

 後者「けんたろう」は、八代市内を東西に伸びる臨港線の近く、田中西町交差点を北へ向かった道路沿いにある。テーブルや座敷など約30席の店内は、正午ごろにはいっぱいになる。
 店主は、香川県・讃岐の名店「おか泉」で修行したそうな。熊本市の「てる山」は兄弟弟子。

 本場での修行のたまものか、やはり麺がうまい。歯をグイングインと押し返してくるような弾力があるし、うどんの角、エッジがピンと立っているところも好ましい。聞いた話では、麺を機械で切ると断面がふくらみ、手で切れば逆にヘコむそうな。手打ちの確かな技術、そして作りたての証拠だろう。
 私は冷たいうどんを注文することが多い。この店では、ひたすらに麺の食感を楽しみたいのです。

 この記事のタイトルは「『けんたろう』のたま天」だけど、「たま天」といううどんはない。これはトッピングメニューのひとつ。
 近ごろ、私の定番は「肉たま天ぶっかけ」。ぶっかけうどんと肉、たま天の組み合わせ。
 たま天は半熟玉子の天ぷらで、香川県が発祥。一般的に「半熟たまご天」などと呼ばれるらしいが、この店の品書きでは「たま天」だ。
 トロリとした半熟玉子が、天ぷらになってボリューム感を増している。たま天を箸で割り、うどんと交ぜ合わせると、生玉子による“釜玉”とはまた違った、濃厚なおいしさが堪能できる。

 ちなみに、「けんたろう」には、釜玉にたま天をトッピングした「ビバ釜たま」というメニューがある。このネーミング、個人的に大好き。ビバ!