2017年12月23日

第3回KWU世界大会レポート

http://www.kyokushinkan.org/news/3rdkwureport.pdf
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第3回KWU世界大会レポート 埼玉県比企支部 支部長 山田元基

今回、私はロシアで行われたKWU世界大会にコーチとして参加させていただきました。この話は私が北関東ユースチームのコーチに任命して頂いたことがきっかけとなり始まりました。私は今後の極真館発展には現在ユース世代の中高生選手たちを大切に育て、一般全日本の舞台に一人でも多くの選手を上げることがとても重要なことの一つかと思っています。そして最高峰のKWUの日本人王者を最終目標としています。そのユース世代のコーチを引き受けたということは重い責任と同時に大きな遣り甲斐を感じました。そこで総本部の皆様に私をコーチとしてロシアに行かせてくださいと直訴しましたところ、総本部の皆様の賛同やサポートもあり今回のコーチとして同行が実現しました。お陰様で大変貴重な経験をする事が出来ました。ありがとうございました。

ここからは私の感じた事を書きます。ユース選手のみならず、これからKWU世界大会を目指す選手の皆さんに現地に行ってきた者として伝えておきたいこともあります。まず若干のルールの違いはありました。当然、極真館の大会ではないのでKWUルールとなります。特に気をつけなくてはいけないと思ったのは、前蹴りや中段回し蹴りを掛けて捌くような動作は掴みの反則をよく取られていました。実際に対応できずに反則負けをする選手もいました。これは事前の稽古で訓練すれば対応可能だと思います。

それから、判定のウェイトですが後半のポイントをかなり大きくとる傾向がありました。序盤でよく攻めている選手でも後半で互角になると引き分けや、序盤は負けていても最後の30秒で攻め返して旗を取る選手もいました。これに関しても訓練で対応できます。付け加えますが、コンパクトな突きや地味な蹴りよりもダイナミックな突きや派手な飛び蹴りや回転蹴りをつかう選手に有利な判定が多かったようにも感じます。コンパクトな技で効かせた選手より派手な技を繰り出す選手に旗が上がりました。これは頭に入れておくべきです。そしてなにより会場の観客を味方につけた選手は強かったと思います。

母国ロシアの選手が出てきたときにはもちろん割れんばかりの歓声でしたが、観客の方々はとても純粋と言うかピュアで素晴らしい技やファイティングスピリットを見せる選手がいると国など関係なく拍手や歓声、すごい時には選手の名前のコールが会場で起こるほどでした。逆に過度な反則アピール(軽く顔面をもらって倒れてアピールしたり)などには厳しく時にはブーイングなどもあるほどでした。会場を敵に回してしまったというか、そういう選手はやはり途中で敗退していました。誤解の無いように言っておきますが、決して審判が会場の雰囲気に流されていたとかではなく、会場のプラスのエネルギーやマイナスエネルギーが選手のパフォーマンスそのものに影響を与え試合結果にも出たのかと思います。

試合の中で特に印象深かったのは極真空手中山道場の中山正純選手です。私は序盤で会場の雰囲気と選手のレベルに圧倒されてしまいました。国内で活躍している日本人選手が健闘むなしく敗退していくなかで想像以上のレベルの高さを思い知らされ、日本人選手を破ったその選手も次であっけなく負けてしまう現実を目の当たりにして正直落ち込みました。

もしかしたら日本人は勝てないんじゃないか、無理なんじゃないか、そんな風にどうしたらいいのかわからなくなりそうになりました。今考えるとコーチとして失格です。しかし、中山選手はあれよあれよと勝ち上がり遂に二日目の決勝の舞台へと駒を進めました。それでもまだ私は決勝の相手はロシア人だしかなり厳しいだろうなと初日のネガティブを引きずっていました。そして中山選手の決勝戦、私が見たのものは想像をはるかに超える中山選手の頑張りでした。相手はそれはそれは強いロシアの選手でした。しかし本戦を脅威の頑張りで引き分けに持ち込んだ中山選手は延長戦でさらに調子を上げてロシア選手に迫りました。延長も引き分けで迎えた再延長も最後まで引けを取らずに戦い抜きました。結果は負けて準優勝となりましたが、私は中山選手の頑張りに日本人の底力を見ました。それまで落ち込んでいた気持ちが一気に消え、やっぱり日本人だってやれる!日本人は強いんだ!と勇気や希望が湧き上がってきました。本当に勇気と希望を、そして日本人の底力を見せてくれた中山選手には感謝しています。

もう一つ心に深く残っている事ですが、大会初日が終わった後に私は盧山館長に日本選手団の成績を極真館の選手は二日目に残れませんでした、ただ士衛塾と中山道場の選手が二人決勝へ進みましたとお伝えしました。その時に館長は、「そうか!極真館の選手は残念だが残った二人も同じ日本代表で家族だ!みんなで全力で応援するぞ!」と仰いました。私はその時の館長の言葉がとてもうれしかったです。

最後になりますが、KWU世界大会は国も人種も宗教も流派も団体も胸のマークも何一つ差別なく、選手は純粋に極真空手で強さを競う事が出来る素晴らしい大会でした。まさに極真空手のオリンピックです。何年掛かるかわかりませんが必ずあの舞台に自分で育てた選手を立たせたい、あの華々しい決勝の舞台へ。今回の遠征で得たものは数え切れません。ただ、私の最も大きな財産になったのは、KWUの舞台へ選手を出して勝たせるという明確な目標です。この目標達成のためにはまだまだ努力も研究も足りませんが、いつの日かKWUで世界チャンピオンを出して皆さんに恩返しできればと思っています。このような機会を与えてくださった盧山館長をはじめ総本部の皆様、本当にありがとうございました。これからは今回の経験を活かし更に頑張っていきます。押忍!


tenkafuken at 08:44│Comments(0)

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